〇予告
古代神キルヒアの神殿から依頼が届いた。
神官と4人の子どもたちが神像の清掃に出かけたまま、戻ってきていない。至急、君たちに捜索してほしい。
○PL人数
3〜5人
※3人の場合、下記の裁定を適用する
アリアドネ(ゆとシート)を各種判定(魔物知識判定 、先制判定を含む)に参加させる
○作成レギュレーション
冒険者レベル4-5(→ルールブックⅢ72頁)
○書籍
ルールブックⅠ~Ⅲ
エピックトレジャリー
モンストラスロア
※2025年6月に開催されたオフセッションTRPG卓シナリオです
以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)
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〇目次
1 プロローグ
2 司祭
3 神像
4 貧民街
5 取り調べ
6 取引現場
7 蛮族の根城
8 エピローグ
○判定一覧
●スカウト+敏捷度B
先制判定
●スカウト、レンジャー+敏捷度B
隠密判定
●スカウト、レンジャー+知力B
足跡追跡判定
聞き耳判定
危険感知判定
異常感知判定(レンジャー:自然環境)
探索判定(レンジャー:自然環境)
●セージ、バード、アルケミスト+知力B
見識判定
●セージ、ライダー+知力B
魔物知識判定(ライダー:知名度のみ)
1 プロローグ
多くの冒険者が集う街、港湾都市ハーヴェス。
あなた達は、この都市を拠点に活動している冒険者です。
時刻は朝。あなた達の知り合いである魔術師のエルフがやってきます。
アリアドネ「たいへん、たいへん、神殿に子どもたちが戻ってこないんだって。人探しの依頼だよ。朝だよ。みんな起きて!!」
・・・よく見ると、その手にはラッパを持っています。起きなければ、耳元で鳴らそうとするでしょう。止めるなら、起きて依頼を承諾して下さい。他に依頼はありません。
依頼の達成条件と報酬は、以下の通りです。
・依頼内容は、行方不明となっている神官および4人の子どもたちの救出
・成功報酬として、1人あたり(救出した人数×500)G
依頼を承諾すると、マスターが言います。
マスター「朝早くから悪いが、人探しにおいて時は一刻を争う。誘拐された可能性も否定できない。早く救出すべきだろう。詳細は、依頼主である司祭に尋ねてほしい」
○GM向け記載事項
キルヒアの神殿に行くことが可能になります。
2 司祭
あなた達は、ハーヴェスの街中にある賢神キルヒアの神殿にやってきました。
※誰も言わなければ、アリアドネが言います
アリアドネ「初めまして。私は冒険者のアリアドネです。マリウス司祭から依頼を受けて来ました」
マリウス「私は司祭のマリウスです。依頼を受けて頂いた方たちですね。では、中へどうぞ」
○GM向け記載事項
司祭マリウスに対して魔物知識判定を試みるなら、以下の情報を開示します。
彼は人間(穢れ0)です。レッサーオーガではありません。
〇魔道に専心する魔法使い(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
マリウス(人間/♂/25歳)に対して、質問することができます。
・行方不明となっている人物について
マリウス「神官のローズ(人間/♀/18歳)と、神殿の子どもたちです。子どもたちは、アイラ(人間/♀/6歳)、ノーラ(エルフ/♀/7歳)、オリヴィア(ドワーフ/♀/8歳)、ティナ(リカント/♀/9歳)です。彼女たちのことが心配です。一刻も早く、助けてあげて下さい」
・神官のローズについて
マリウス「10年前、孤児として彼女を引き取りました。今も、よく覚えていますよ。故郷の村が蛮族の襲撃を受けて、冒険者によって救出されたのです。彼女は主の声を聞くことができます。とても心優しい女性ですよ。私たちは街外れにある主の神像を定期的に清掃していて、昨日は、神殿の子どもたちと一緒に出かけました。神像の場所はここです」
→「神像の場所」に行けるようになる
・ローズの実力について
マリウス「【キュア・ハート】を行使できるようになったと言っていました。冒険者ではありませんが、実力は私と同じくらいではないでしょうか。若いのに立派です」
・子どもたちについて
マリウス「皆、神殿に併設されている孤児院の子どもたちです。敬虔な信徒ですね。特に魔法の素養があるわけではないようです」
・当日のスケジュールについて
マリウス「昨日の昼下がりに、ローズと子どもたちは神殿を出発しました。神像の場所までは片道1時間ほどで、夕暮れまでには清掃を終えて戻ってくる予定でした。しかし、日が暮れてもローズたちは戻ってきませんでした。深夜、皆さんの所属する冒険者ギルドに捜索依頼を出しました」
・蛮族について
マリウス「ハーヴェスの街は<剣のかけら>によって守られています。したがって、強力な蛮族の目撃情報はありません。ただ、穢れの小さい蛮族なら、街に紛れ込むことはできるかもしれません。だとしても、もしローズと子どもたちがさらわれたのだとすれば、犯人はどうして彼女たちが来ることを知っていたのでしょうね」
・街の治安について
マリウス「神殿のある地区は、概ね治安はいいです。ですが、貧民街は治安が悪く、犯罪組織が根城にしているという噂もあります。あまり考えたくはありませんが…人身売買が目的なら、そこに連れ去られた可能性もあります。ですが、まずは神像について調べてみてはどうでしょうか」
・マリウスについて
マリウス「私ですか?両親がキルヒア様の信徒で、幸いにも私は神の声を聞くことができます。成人するとすぐに、この神殿の直属の神官となりました。私がここに来て間もない頃、ローズを孤児院で引き取りました。私は歳の離れた妹のように可愛がってきました。彼女がこの神殿の神官になってくれたことを、心から嬉しく思っています」
3 神像
あなた達は、神官のローズと子どもたちが行方不明となった場所へやってきました。
アリアドネ「ここが司祭の言っていた場所だね」
人通りの少ない場所にやってきました。中性的な人物の像が佇んでいます。
ここでは、探索判定(レンジャー不可)を行うことができます。
自動:何かのエンブレムが落ちていました。
14以上:誰かの落としていった手記を見つけました。
○GM向け記載事項
手記を見つけたら、この章で戦闘が発生します。
エンブレムに対して、見識判定を行うことができます。
10以上:貧民街を根城としている犯罪組織のシンボルではないかと思いました。
※目標値14に成功したら、ブルライト地方語の読文を習得しているキャラクターは書かれている内容を読むことができます
?「昼から夕方にかけて、18歳の神官を含む5人の女がキルヒアの神像に向かう。連れ去り。蛮族と配下が取引。報酬と引き換え。貧民街の拠点で監禁。翌日の夜、森の入口で引き渡し。ウーゴ」
→森の入口に行くことができるようになる
○GM向け記載事項
手記の内容を読んだら、以下の台詞が追加されます。
アリアドネ「…これは!誘拐されたローズたちを助けないと!」
そこに、1人の男が皆さんを威圧するように言ってきます。
※アリアドネ以外に女性キャラクターがいれば「お前たち」と言います
ウーゴ「それを見られてしまっては、ただで帰すわけには行かないよな?ちょうどいい、お前(お前たち)も売り渡してやろう」
剣を構えた盗賊風の男が、仲間と共に皆さんに襲い掛かってきます。
〇腕利きの傭兵(→ML213頁)×2
知名度8、弱点なし
※1体(ウーゴ)のみ〈剣のかけら〉を5個追加する
〇新鋭の狙撃手(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
※PC4人以上で追加
〇魔道に専心する魔法使い(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
※PC5人で追加
では、戦闘準備をどうぞ。
魔物知識判定(目標値8/なし、8/なし、8/なし)をどうぞ。
先制判定(目標値14)をどうぞ。
○GM向け記載事項
上級戦闘を行うなら、新鋭の狙撃手と魔道に専心する魔法使いを同座標、腕利きの傭兵の位置をその5m前方として、PCの位置を敵の後衛から20~25mの任意の座標に配置します。
敵を倒すことができました。戦利品を獲得できます。また、駆け寄ってくる男性がいます。
官憲「誰かが戦っている音が聞こえて駆けつけたが…そのエンブレムはブルライト・シンディケートの者だな?君たちは…冒険者か?」
依頼に関して話すと、官憲はこう言います。
官憲「事情は分かった。時は一刻を争うだろう。だが、この者たちから情報を引き出すことができるかもしれない。今からこの者たちに対して取り調べをするので、詰所に来てくれないか。情報は共有しよう」
○GM向け記載事項
戦闘が発生しなかったら、「4 貧民街」へ進みます。
戦闘が発生していれば、「5 取り調べ」へ進みます。
4 貧民街
神像を調べていると、男性が話しかけてきます。
※官憲に対して魔物知識判定を行うなら、以下の情報を開示します
〇腕利きの傭兵(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
官憲「君たちは…冒険者か?探し物をしているように見えたが、何か困ったことがあるのか?」
依頼について話すと、官憲は次のように言います。
官憲「なるほど。人探しというわけか。確証はないが、貧民街の方に犯罪組織が根城にしている場所があるという。詰所に来てくれたら、地図を渡そう。危ない場所だから、くれぐれも気をつけてな」
→犯罪組織のアジトに行けるようになる
官憲からもらった地図を頼りに、アジト近辺へとやってきました。
ギルドや神殿のあるエリアとは異なり、粗末な家屋が立ち並び、路上で寝ている者が見えます。
では、異常感知判定(目標値14、レンジャー不可)をどうぞ。
成功:あなた達は、何者かにつけられている気配を感じました。
では、危険感知判定(目標値14)をどうぞ。
○GM向け記載事項
全員が危険感知判定に失敗すると、不意打ち(→Ⅰ156頁)を受けます。
異常感知判定に成功しているなら、危険感知判定に+4のボーナス修正を得ます。
成功:何者かが奇襲を仕掛けてきましたが、看破することができました。
失敗:奇襲を受けました。魔物側の先攻で戦闘を開始します。
1人の男が皆さんを威圧するように言ってきます。
※アリアドネ以外に女性キャラクターがいれば「お前たち」と言います
ウーゴ「俺たちを嗅ぎ回るとはいい度胸だな。お前(お前たち)も売り物にしてやろう!」
剣を構えた盗賊風の男が、仲間と共に皆さんに襲い掛かってきます。
〇腕利きの傭兵(→ML213頁)×2
知名度8、弱点なし
※1体(ウーゴ)のみ〈剣のかけら〉を5個追加する
〇新鋭の狙撃手(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
※PC4人以上で追加
〇魔道に専心する魔法使い(→ML213頁)
知名度8、弱点なし
※PC5人で追加
※危険感知判定に成功(不意打ち失敗)時
では、戦闘準備をどうぞ。
魔物知識判定(目標値8/なし、8/なし、8/なし)をどうぞ。
先制判定(目標値14)をどうぞ。
※危険感知判定に失敗(不意打ち成功)時
戦闘準備はできません。さらに、自身の手番の開始まで、あらゆる行為判定に-2のペナルティ修正を受けます。
○GM向け記載事項
上級戦闘を行うなら、新鋭の狙撃手と魔道に専心する魔法使いを同座標、腕利きの傭兵の位置をその5m前方として、PCの位置を敵の後衛から20~25mの任意の座標に配置します。
敵を倒すことができました。戦利品を獲得できます。また、駆け寄ってくる男性がいます。
官憲「誰かが戦っていると聞き、駆けつけたが…そのエンブレムは、ブルライト・シンディケートの者だな?君たちは…冒険者か?」
依頼に関して話すと、官憲はこう言います。
官憲「事情は分かった。時は一刻を争うだろう。だが、この者たちから情報を引き出すことができるかもしれない。今からこの者たちに対して取り調べをするので、詰所に来てくれないか。情報は共有しよう」
5 取り調べ
犯罪組織ブルライト・シンディケートの者たちは現在、尋問を受けています。
しばらくして、官憲が出てきました。話があるようです。
官憲「賊に襲われるとは、難儀だったな。キルヒア神官の女性と4人の子どもたちはこの者たちが連れ去ったと先ほど自白した。郊外の森の入口が、取引の現場になるという。時刻は、今日の日没後だ。…戦うなら、人族と蛮族の混成部隊との戦闘が予想されるだろう。君たちに渡しておくものがある」
→森の入口に行けるようになる
そう言って、官憲は人数分の3点魔晶石を渡してくれます。
○「3 神像」で戦闘が発生した場合
アリアドネ「この場所なら…今から行けば間に合うよ!ローズたちを助けに行こう!」
○「4 貧民街」で戦闘が発生した場合
アリアドネ「今から行っても日没には間に合わないかも…でも、とにかく急ごう!!」
○GM向け記載事項
「3 神像」で戦闘が発生していれば、「6 取引現場」へ進みます。
「4 貧民街」で戦闘が発生していれば、「7 蛮族の根城」へ進みます。
6 取引現場
取引現場と思われる森の入口へとやってきました。日没まであと少しです。
アリアドネ「…まだ日は沈んでいないよ!身を潜めて待ってみよう!」
しばらく待っていると、盗賊風の男と蛮族、そして手を縛られた神官風の女性と4人の子どもたちがやってきました。
聞き耳判定(目標値10)を行うことが可能です。
※汎用蛮族語の会話を習得しているキャラクターのみ
成功:「人族、女、連れてきた」「人族、女、ボス、喜ぶ」「子ども、ボス、喜ばない」と汎用蛮族語で話しているのが聞こえる
蛮族たちは人質に気を取られていて、警戒が薄いようです。今なら不意打ちを試みることができるかもしれません。
不意打ちを試みるなら、隠密判定を行う人を決めて下さい。
〇GM向け記載事項
PCが不意打ちを試みる場合のルール(→ET80頁)を参照します。
魔物側は、それぞれの魔物のレベルを基準値として危険感知判定を行います。
ただし、20m以内に近付くなら、危険感知判定の達成値にボーナス修正を得ます。
本来のルールであれば全員が隠密判定に参加して成功する必要がありますが、この戦闘では誰か1人が隠密判定に参加して成功すれば問題ありません。
不意打ちに失敗したら、通常通り戦闘を開始します。
不意打ちに成功したら、汎用蛮族語で人間に似た白い肌の蛮族(アルボル)が言います。
蛮族「敵襲、不意打ち、卑怯!」
〇アルボル(→ML75頁)
知名度14、弱点値17
※〈剣のかけら〉を5個追加する
〇穢れ憑き(→ML212頁)
知名度7、弱点なし
〇フーグルアサルター(→ML73頁)
知名度12、弱点値15
※PC4人以上で追加
〇ボルグヘビーアーム(→ML73頁)
知名度10、弱点値15
※PC5人で追加
では、戦闘準備をどうぞ。
魔物知識判定(目標値14/17、7/なし、12/15、10/15)をどうぞ。
先制判定(目標値14)をどうぞ。
○GM向け記載事項
上級戦闘を行うなら、敵はすべて同一座標とします。
敵を倒すことができました。戦利品の獲得が可能です。「8 エピローグ」へ進みます。
7 蛮族の根城
取引現場と思われる森の入口へとやってきましたが、日没を過ぎてしまいました。
アリアドネ「現場にやってきたけど…手がかりを探ってみよう!」
ここでは、足跡追跡判定(目標値10)を行うことができます。
○GM向け記載事項
判定に失敗しても根城に辿り着くことができますが、時間がかかってしまいます。この場合、ローズは蛮族に抵抗し、死亡します。
成功:蛮族と思われる足跡を見つけることができました。
失敗:蛮族と思われる足跡を見つけることができましたが、かなり時間がかかってしまいました。
足跡を辿っていくと、根城と思われる古びた建物が見えます。人の気配がします。
聞き耳(目標値10)を立てれば、汎用蛮族語の会話が可能なキャラクターのみ以下の会話を聞き取ることができます。
また、聞き耳判定に成功すると、少なくとも2人の蛮族が話していることが分かります。
?「女、連れてきた。ボス、喜ぶ?」
?「女、好き。ガキ、嫌い。ガキ、4人」
?「女、1人、連れてきた。ボス、喜ぶ」
〇ミノタウロス(→ML79頁)
知名度10、弱点値17
※〈剣のかけら〉を5個追加する
〇フーグルマンサー(→ML69頁)
知名度10、弱点値13
〇フーグルアサルター(→ML73頁)
知名度12、弱点値15
※PC4人以上で追加
〇ボルグヘビーアーム(→ML73頁)
知名度10、弱点値15
※PC5人で追加
では、戦闘準備をどうぞ。
魔物知識判定(目標値10/17、10/13、12/15、10/15)をどうぞ。
先制判定(目標値12または14)をどうぞ。
また、汎用蛮族語の会話が可能なキャラクターは、以下の会話を聞き取ることができます。
習得していないキャラクターは、アリアドネが子どものように怒っていることが分かります。
フーグルマンサー「エルフ、女。ボス、喜ぶ?」
ミノタウロス「エルフ、子ども。ガキ、嫌い。お姉さん、好き」
アリアドネ「私は子どもじゃないよ!」
○GM向け記載事項
上級戦闘を行うなら、ミノタウロスから10〜15mの任意の位置にPCを配置し、フーグルマンサーはミノタウロスの後方5mに配置します。フーグルアサルターとボルグヘビーアームは、ミノタウロスと同一座標です。
敵を倒すことができました。戦利品の獲得が可能です。足跡追跡判定に失敗していなければ、ローズを含む全員が生存しています。
8 エピローグ
無事、子どもたちを救出することができました。ローズが生存していれば、彼女もまたお礼を言ってくれるでしょう。
ローズが生存していれば、キルヒアの高司祭から神の啓示を受けませんかとお話が来ます。
誘いを受けるなら、セッション終了後に1000経験点を支払って、キルヒア神官になることができます。
※神聖魔法【レベレイション】です
最後に、アリアドネが言います。
アリアドネ「みんなありがとう。これからも一緒に冒険しようよ」
〇報酬
2000G
+500G(条件:ローズの生存)
1000経験点
1成長
○魔物
3人:200経験点
4人:300経験点
5人:400経験点
○剣のかけら
10個
○次回