※2025年2月に開催されたオフセッションキャンペーン卓(全10回)の第7回シナリオです。

※前編・後編の2パートに分かれています。


以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)

〇至高の戦・後編(S9-2


想定PL人数:2人~4


2人の場合、下記の裁定を適用する

ロクサネ(ゆとシート)を各種判定および戦闘に参加させる

4人の場合、下記の裁定を適用する

魔物の各部位に15個ずつ剣のかけらを追加する(HP+75MP+15、生命・精神抵抗力+3


○サンプルキャラクター組み合わせ例


2人:ダグラス、セリーヌ、ロクサネ(フェロー)

3人:ダグラス、セリーヌ、ブルーノ

4人:ダグラス、セリーヌ、ブルーノ、アリエル


〇シナリオの概要


遺跡調査の依頼を受け、商人の護衛を引き受けながらキルヒア神官のロクサネと国境を目指していた君たちは、突如として現れた夜空のオーロラを目撃した。

無事にアビスコアを破壊して元の世界に戻ってきた君たちは、ハルシカ協商国からセブレイ大樹海を目指すことになるだろう。


〇シナリオの流れ


1 プロローグ

2 大樹海上層

3 大樹海下層

4 決戦

5エピローグ



1 プロローグ


無事にアビスコアを破壊してギルドに戻ってきたあなた達は、大魔導師アウローラからの依頼の詳細について、改めて受付から説明を受けることになりました。


受付「この度はお疲れ様です。皆さんのお陰で、国に迫る脅威を取り除くことができました。では、改めてセブレイ大樹海の遺跡調査についてご説明させて頂きますね。

依頼人は、ハールーン魔術研究王国に住むスノウエルフのアウローラさんです。彼女は優れた魔導師で、彼女の元には多くの弟子がいらっしゃいます。ただ、ハルシカと同じくハールーン魔術研究王国からも多くの冒険者がウルシラ地方で頻発している蛮族との戦いに出向いているため、彼女は実力のある弟子を集められないそうです。

そこでアウローラさんはアンデッドの大群を率いて遺跡調査に向かう計画を立てましたが、弟子から全力で引き留められたそうです。それで、ロクサネさんに依頼することになりました。

セブレイ大樹海へは歩いて片道1週間ほどです。道が悪いため、空を飛ぶ騎獣などを除けばその他の手段で向かうのは困難でしょう。2週間分の保存食が支給されます。

依頼の達成条件は、樹海の地下洞窟に眠る聖杯を探し出すことです。

聖杯について、伝承なので杯とは限らないそうです。動物の模型とも言われています。

樹海の地下洞窟の入口は分かりませんが、地図に示された地上のこの区画のどこかに入口があるそうなので、探して下さいとのことです。

報酬は、1人あたり12000Gになります。納品は、このギルドにお願いします。それから…」


そう言って受付の女性は困惑した表情をします。続きを聞くと、次のように答えます。

受付「どうやら、アウローラさんが冒険者になったのは『神になるため』なのだそうです。それで、皆さんにも『今なら、私の最初の使徒にしてあげるわよ』とお誘いが来ているのですが…」


しばらくすると、ロクサネが言います。



ロクサネ「とりあえず、その回答は保留でいいのではないでしょうか。とはいえ、アウローラさんのような屈指の実力者になれば、『神になる』という言葉が現実味を帯びてくるのが、ある意味恐ろしいことです。ですが、有力者と知り合いになること自体は悪くない話ではないでしょう」


※アウローラの戦闘能力について尋ねると、ファイター7、ソーサラー13、コンジャラー11レベルと教えてもらえます。その他の技能は、スカウト、セージ、アルケミストとのことです。


一通り説明を聞いた後、皆さんは大樹海を目指すことになるでしょう。

7日目の朝、地図に示されていた大樹海の入口に到着しました。

ロクサネは大樹海の見取り図を見せてくれます。なお、上が北です。


GM向け記載事項

大樹海上層に辿り着けば、下記のマップをプレイヤーに提示します。

大岩についてプレイヤーが言及すれば、ロクサネが次のように発言します。

ロクサネ「そうですね、基本的には登ろうとすると危険なのではないでしょうか。でも、見晴らしは良さそうですね」

地図作成判定(スカウト、レンジャー、セージ+知力B、目標値10+区画数)に成功すれば、踏破した範囲でGMが手書きの地図をPLに手渡します。PLがメモしていれば、判定は不要です。



ロクサネは少し心配そうに言います。


ロクサネ「ここで動けなくなったら、恐らく誰も助けに来ないでしょうね。くれぐれも迷わないようにしましょうね。それから…毒キノコには要注意です!」


2 大樹海上層


GM向け記載事項

大樹海上層のマップは、以下の通りです。



2-1 探索結果なし


探索(スカウト、レンジャー+知力B)を行っても、見つかるものはありません。


2-2 探索結果A


探索(スカウト、レンジャー+知力B)を行えば、以下のアイテムを入手します。


20以上:人数分の魔力を帯びた骨を入手しました。

24以上:さらに、人数分の疾風の腕輪を入手しました。


2-3 探索結果B


探索(スカウト、レンジャー+知力B)を行えば、以下のアイテムを入手します。


20以上:人数分のアンロックキーを入手しました。

24以上:さらに、妖精のランタンを入手しました。


2-4 探索結果C


探索(スカウト、レンジャー+知力B)を行えば、以下のアイテムを入手します。


20以上:人数分の魔香草を入手しました。

24以上:さらに、人数分の20点魔晶石を入手しました。


※目標値24に成功すると、以下の台詞が追加されます

ロクサネ「これは…貴重なものです」


2-5 大岩


飛行系の能力や魔法、練技等が使用可能なキャラクターは、大岩を登ることができます。

探索しても見つかるものはありませんが、隣接するエリアの情報を知ることができます。

登攀判定(冒険者レベル+筋力B)をするなら、目標値は25です。失敗すれば2d+40点のダメージを受けます。受け身判定(スカウト、レンジャー+敏捷度B)で軽減が可能です。


2-6 落石


樹海の中を進みます。では、異常感知判定(スカウト、レンジャー+知力B)をどうぞ。

※「神殿」または隣接する「大岩」で情報を入手していれば、自動成功として扱います


24以上:生い茂る木々の隙間から、崖の上に今にも落ちそうな岩があることに気付きました。

23以下:では、危険感知判定(スカウト、レンジャー+知力B)をどうぞ。


危険感知判定は個別に行います。落石によるダメージは防護点が適用されます。


20以上:あなたをめがけて岩が落ちてきましたが、なんとか避けることができました。

19以下:落ちてきた巨大な岩の直撃を受けました。2d+30点の物理ダメージをどうぞ。


2-7 神殿


樹海の中を進むと、大木の中に建物があります。文明鑑定判定(セージ+知力B)をどうぞ。


13以上:魔法文明時代に作られた建物であることが分かりました。


人の気配はありません。中に入れば、探索(スカウト+知力B)が可能です。


自動:古びた石板があることに気付きました。

20以上:人数分のリトルウィングを入手しました。

24以上:さらに、カーメンキャッパーを入手しました。


石板には、魔法文明語で文字が書かれています。魔法文明語の読文が可能なキャラクターがいれば、次のように読めるでしょう。

※いなければ、ロクサネが代わりに読んでくれます


「樹海の中に遺跡あり。池を渡った先に宝物庫。この神殿の北東に落石の危険あり。入口は北東。鍵はトカゲ」


※最後の文章にプレイヤーが言及したら、ロクサネが次のように発言します

ロクサネ「地下の入口は、地図上でどこなのでしょうね」


2-8 宝物庫


樹海を抜けると池に出ました。水面は静かで、目標値12の探索判定(スカウト、レンジャー+知力B)に成功すれば、魔物の気配はないと感じます。ただし、やや底が深いようです。

橋がかかっていますが、途中で崩落しているようです。崩落場所から宝物庫まで100mほどです。


GM向け記載事項

飛行系の能力や魔法、練技で宝物庫に向かう場合、何ラウンドかかるかチェックして下さい。

エルフのキャラクターは水中で制限を受けず、味方1人に自身の能力を与えることができます。

(つまり、全員で対岸へ向かうことができます)

非金属鎧のキャラクターは、目標値16の水泳判定(冒険者レベル+敏捷度B)に成功すれば、対岸へ辿り着くことができますが、失敗すれば溺れる可能性があると判断し引き返します。

金属鎧を装備しているキャラクターは、水泳判定を行うことができません。

【スケイルレギンス】を習得しているキャラクターは、判定に自動成功します。


宝物庫に辿り着きました。扉はなく、探索(スカウト+知力B)を行うことができます。


自動:(探索を行った)人数分の金塊を獲得しました。

20以上:さらに、マナリングを獲得しました。

24以上:さらに、アステリアの守りを獲得しました。


金塊の売却価格について、目標値16の宝物鑑定判定(スカウト、セージ+知力B)に成功すれば110000Gの価値があることが分かります。


2-9 下層へ


樹海の北東に到着しました。崖がそびえ立っており、これより先に進むことはできません。ここでは探索(スカウト、レンジャー+知力B)が可能です。


自動:地下へ続く階段があることに気付きました。

20以上:人数分の救命草1dを入手しました。

24以上:さらに、人数分の魔香草1dを入手しました。


3 大樹海下層


階段は暗く、暗視がなければ、すべての行動判定に-2のペナルティ修正を受けます。


地下へ続く階段を10分ほど進むと、石でできた扉が見えます。鍵穴はなく、代わりに魔法文明語で次のような内容が書かれています。

(魔法文明語の読文が可能なキャラクターがいなければ、ロクサネが代わりに読んでくれます)


「鍵となる動物は?」


魔法文明語で正解(トカゲ)すれば、扉が開いて「決戦」に進みます。

(魔法文明語の会話が可能なキャラクターがいなければ、ロクサネが代わりに答えてくれます)


4 決戦


扉が開きました。宝物庫のように見えるその空間には、2体の大柄な影が見えます。

2体とも鍛え抜かれた身体を持ち、1体は豪華な装飾品で身を固めています。

彼らは振り返ると、「聖杯を求める冒険者か」と交易共通語で語りかけます。彼らは言います。


オーガウォーロード「強者か。ならば、叩き伏せるのみ」

ブラッドトロール「戦いは至高の場。…我が主に感謝を」


引き締まった顔でロクサネが言います。


ロクサネ「戦いは避けられないようですね。行きますよ」


オーガウォーロード(Ⅲ347頁)

知名度16、弱点値20


ブラッドトロール(Ⅲ347頁)※ダルクレム信仰

知名度17、弱点値20


目標値20で先制判定をどうぞ。


〇戦利品表【オーガウォーロード】

自動:500G(白A

2-81400G

9-12500G(金白A×2d

13-8000G(金黒白S


〇戦利品表【ブラッドトロール】

自動:500G(赤A

2-6300G(金A×1d

7-113300G(白S

12-6200G(金白S


オーガとトロールを倒しました。この部屋では、探索(スカウト+知力)が可能です。


自動:虹色に輝くトカゲの像を見つけました。

20以上:さらに、人数分のSランクマテリアルカード(赤)を見つけました。

24以上:さらに、人数分のSSランクマテリアルカード(赤)を見つけました。


地下の宝物庫で待ち構えていたのは、戦いを至高の場とする2体の蛮族でした。冒険者と戦うため、彼らはここで待ち伏せしていたのです。


5 エピローグ


無事に聖杯を入手したあなた達は、再び1週間かけてハルシカの冒険者ギルドに戻り、アウローラの探していた聖杯を納品します。依頼を達成できました。

処分を解かれたロクサネは、ユリウスの元に戻ることになりました。とはいえ、大陸で有数の実力者であるあなた達が再会する日はそう遠くないのかもしれません。


〇基本報酬(12000G+10000経験点、+5成長)


○名誉点(人数による調整)

3人:+105


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