※2025年1月に開催されたオフセッションキャンペーン卓(全10回)の第6回シナリオです。

※前編・中編・後編の3パートに分かれています。


以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)

〇腕利きの噂・中編(S8-2

想定PL人数:2人~4


2人の場合、下記の裁定を適用する

アリアドネ(ゆとシート)を各種判定および戦闘に参加させる

4人の場合、下記の裁定を適用する

魔物の各部位に15個ずつ剣のかけらを追加する(HP+75MP+15、生命・精神抵抗力+3


○サンプルキャラクター組み合わせ例

2人:ダグラス、ブルーノ、アリアドネ(フェロー)

3人:ダグラス、セリーヌ、ブルーノ

4人:ダグラス、セリーヌ、ブルーノ、アリエル


〇シナリオの概要

ドーデン地方のキングスレイ鉄鋼共和国からの依頼は、依頼主の妹であるロクサネが君たちの評判を広めたのがきっかけだった。評判に恥じぬよう、手際よく依頼をこなそう。


〇シナリオの流れ

1 プロローグ

2 グランドターミナル駅

3-1 ショッピングモール

3-2 ロクサネ図書館

4 決戦

5 エピローグ



1 プロローグ


豪商オスカーの屋敷で一晩を過ごしました。

時刻は午前中。あなた達の部屋に依頼主であるオスカーがやってきます。


オスカー「朝食の準備ができた。積もる話はあるが、商会の会合に出かけなくてはならないのでな」


朝食が出来ています。屋敷のルーンフォークがリビングへ案内してくれます。


オスカー「本来ならブルライトの話をゆっくりと聞かせてほしいところだ。どうも、スケジュールを合わせられなくてね。手短に済まそう。『空の王』の討伐が、今回の依頼だ。


『空の王』が目撃されたのは、第二都市ヒスダリアの山麓だ。詳しくは、ヒスダリアの冒険者ギルドに顔を出せば教えてくれるだろう。


ヒスダリアへは、グランドターミナル駅から出発する列車に乗って行くことができる。昼行便と夜行便があるはずだ。夜行便の方が割安だが、昼行便が人気だな。列車は全車指定席で、昼行便なら午後に出発して夜に現地に着く。夜行便は、夜に出発して翌朝に着くはずだ」


食事を終えると、オスカーは出かける準備のため自室へ戻りました。アリアドネが言います。



アリアドネ「グランドターミナル駅へ行ってみようよ。まず座席を確保しないとね」


2 グランドターミナル駅


ゲート付コミュニティを抜け、あなた達はドーデン地方で一番のハブ駅であるグランドターミナル駅を目指します。しばらく歩くと、目的地に到着しました。


窓口に向かうと、掲示板がありました。ドーデン語で次のようなことが書かれています。


【本日の1等車予約状況:キングスレイ発】

○ヒスダリア行き

午後発:×(満席、片道300G

深夜発:設定なし

○グランティン行き

午前発:△(残りわずか、片道250G

正午発:○(空席あり、片道250G

午後発:設定なし

○その他

空席あり

【本日の2等車予約状況:キングスレイ発】

○ヒスダリア行き

午後発:×(満席、片道150G

深夜発:△(残りわずか、片道100G

○グランティン行き

午前発:△(残りわずか、片道125G

正午発:△(残りわずか、片道125G

午後発:○(空席あり、片道125G

○その他

空席あり


ドーデン語の読文が可能なキャラクターがいなければ、窓口で駅員に交易共通語で話しかけると内容を教えてくれます。駅員は成人したばかりくらいの人間の女性です。


駅員「どちらに行かれますか?ヒスダリアなら、正午発の列車はあいにく満席となっておりまして、深夜発なら空きがありますよ。2等車のみの運行で、運賃は片道でお1人様100Gです。


名様ですか?運賃は100×○Gとなります。切符をお渡ししますね。

ヒスダリア行きは車両が定期メンテナンスに入っていまして、現在本数を減らして運行しているため大変ご不便をおかけしております」


全員分の切符を購入しました。列車の出発まで時間があります。


※誰も言わなければ、アリアドネが言います

アリアドネ「私たちはブルライトから来たのですが、この近くにお勧めの場所はありますか?」


若い人間の女性の駅員は、興味深そうにこちらを見ています。


駅員「他の地方から来られた方ですか?私、先月成人して田舎から出てきたばかりで、ドーデン出身でない方とお話するのはこれが初めてなんですよ。楽しんで行ってくださいね。


列車の出発まで時間があるので、近くなら駅直結のショッピングモールか、ドーデンの歴史や自然を学ぶならロクサネ図書館もおすすめですよ。


図書館は、先月商会のオスカーさんの寄付でリニューアルしたばかりで、寄付された方の名前が図書館に付くのですが、ご自身の名前を付けられるのかと思えば、なんと妹さんの名前を付けられたそうですよ。妹思いなんですね」


この後、あなた達は駅直結のショッピングモールまたはロクサネ図書館に行くことができます。待ち合わせの約束をして、二手に分かれても構いません。

※ショッピングモールと図書館に分かれるなら、アリアドネはショッピングモールに行きます


3-1 ショッピングモール


あなた達は、駅直結のショッピングモールに来ました。アパレルショップやレストランが建ち並んでいます。また、フードコートがあります。


3Gでコーヒーを頼むことができます。また、ここでは多くの人が会話を楽しんでいます。では、聞き耳判定(スカウト+知力B)をどうぞ。


8以上:掘り出し物市があることが分かりました

12以上:定価の20%引きで冒険に役立つアイテムが買えることが分かりました


掘り出し物市に来ると、以下のアイテムが買えることが分かりました。

※アリアドネを人数にカウントして構いません


400G均一(定価:500G)】※お一人様各1点まで

カイトシールド(→Ⅰ319頁)

トリートポーション(→Ⅰ325頁)

アンチドーテポーション(→Ⅰ325頁)

マギスフィア中(→Ⅰ326頁)

魔晶石(5点)(→Ⅰ326頁)

陽光の魔符(+1)(→Ⅰ327頁)

月光の魔符(+1)(→Ⅰ327頁)

巧みの指輪(→Ⅰ339頁)

俊足の指輪(→Ⅰ339頁)

剛力の指輪(→Ⅰ339頁)

知性の指輪(→Ⅰ339頁)

魔力を帯びた骨(→Ⅱ104頁)

キュアストーンポーション(→Ⅱ248頁)

平準の指輪(→Ⅲ234頁)


買い物を終えたあなた達は、駅に戻ることになるでしょう。


3-2 ロクサネ図書館


ロクサネ図書館にやってきました。エントランスに入ると、目の前にリカントの男性の商人と人間の女性の神官の像があります。いずれも見覚えのある顔です。


ドーデンの歴史や自然について調べることができます。では、文献判定(セージ、アルケミスト+知力B)をどうぞ。「これについて調べたい」という内容があれば、申告して下さい。


GM向け記載事項

手分けして調べたものとして処理するため、全員分の達成値を記録します。

1人が得られる情報は最大で3つです。PC117PC213の達成値だったら、全部で5つの情報を開示します。


自動:あなたは、1つの情報を得ました

12以上:あなたは、合計2つの情報を得ました

16以上:あなたは、合計3つの情報を得ました


GM向け記載事項

開示可能な情報は全部で6つです。開示可能な情報が5つ以下の場合は、「これについて調べたい」と申告のあった情報を優先的に開示し、残りの中から開示する情報をランダムに決定します。


  1. ドーデン地方の産業について

ドーデン地方最大の特色は、地域最大の国家であるキングスレイ鉄鋼共和国が進める鉄道網の再建および拡大計画となっている。鉄道によって、地域内外を問わず盛んに交易が行われている。

  1. キングスレイ共和国について

ドーデン地方最大の国家である。魔動機文明の技術復興に大きく力を注いでおり、魔動列車と鉄道網の再建を推し進めている。北は「奈落の壁」、南はブルライト地方近辺まで鉄道網を拡張するに至る。鉄道路線の復旧と維持のため、多くの冒険者を雇っていることで知られている。

  1. 第二都市ヒスダリアについて

キングスレイ共和国の第二都市で、首都キングスフォールとは鉄道で繋がっている。ヒスドゥール浮遊連山の山麓に位置し、貴重な鉱物を得ることができるとされるが、奥地には蛮族が棲み着いているため、ヒスダリアは定期的に蛮族の討伐を試みている。

  1. ドーデン地方の自然について

ドーデン地方はアルフレイム大陸北西部に位置しており、気候は大陸性、山岳性、海洋性の3つに区分されているが、全般的に温暖である。

北に進むにつれ深い森や険しい山脈が増えるが、リカントなど人族の集落も少なからず存在する。

  1. ドーデン地方の蛮族について

降雪量の多い北方ほど、蛮族が住む山も多く危険な場所と見なされている。また、<大破局>の際に連邦が大地から引き剥がされ浮遊地帯となった跡地も、奥地に蛮族が住み着いていると言われている。貴重な鉱物が取れるが危険なため、基本的に立ち入り禁止である。

  1. 蛮族『空の王』について(魔物知識判定:目標値14

ヒスダリアの蛮族討伐計画が難航している主要な原因となっている凶悪な蛮族のことである。

頭は鳥に似ており、背中に大きな翼を持つ、全身が羽毛に覆われた蛮族で、体長は3mほどになると言われている。また、翼とは別に2本の腕も持っている。

人族を酷く憎んでいるほか、戦いの時は部下を連れずほとんど単身で挑むと言われている。

※書物には『空の王』の絵が描かれている。目標値14の魔物知識判定に成功すれば、ガルーダ(→Ⅱ394頁)を開示する。


図書館で調べ物を終えたあなた達は、駅に戻ることになるでしょう。


4 決戦


まどろみの中、第二都市ヒスダリアに向けて魔動列車は進みます。やがて東の地平線が赤く染まり、太陽が姿を現します。車窓から、どこまでも続く草原地帯が見えるでしょう。

突如、列車が急ブレーキをかけて緊急停止します。その後、車掌が乗客に声をかけます。


車掌「誰か腕に自信のある冒険者はいませんか?進路を『空の王』が塞いでいます!」


皆さんは起きて下さい。既に起きていたアリアドネが言います。


アリアドネ「探す手間が省けてよかったね。みんなで倒しに行くよ!」


列車の先頭に移動すると、前に「空の王」がいます。外に出れば、戦闘が始まるでしょう。対峙する「空の王」は翼人語で語りかけます。


空の王「矮小なる人族よ。我は幾人もの冒険者を葬り、蘇生させその魂を汚してきた。汝らに死を」


ガルーダ(Ⅱ394頁)

知名度14、弱点値19


○コア部位:頭部

頭部(命中力2d+14、打撃点2d+13、回避力2d+14、防護点7HP109MP19

胴体(命中力2d+18、打撃点2d+10、回避力2d+13、防護点9HP121MP26


「空の王」が襲い掛かります。目標値20で先制判定をどうぞ。


〇戦利品表

2-5:なし

6-11200G(赤A

12-3500G(赤S


ガルーダを倒しました。車掌がやってきて感謝の意を述べてくれます。


※誰も言わなければ、アリアドネが言います

アリアドネ「列車の危機を救ったね。時間がなかったから、報酬は今から交渉してくるよ!」


5 エピローグ


ガルーダを討伐したあなた達は、そのまま終点まで列車に乗ってヒスダリアに到着しました。冒険者ギルドに到着して経緯を説明すれば、依頼達成です。列車の運行中止を阻止したため、鉄道運営会社から追加で1人あたり5000Gの報酬を受け取ることができます。

オスカーは妹の紹介してくれた冒険者パーティということで、皆さんを高く評価してくれているようです。また、ヒスダリアには高レベル冒険者向けの依頼があるようです。


〇基礎報酬(15000G+7000経験点、+4成長)


○名誉点(人数による調整)

3人:+210


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