○予告

大魔導師アウローラから依頼だ。

彼女の弟子がコロロポッカの森の遺跡調査中、行方不明になってしまった。

救援対象の弟子については、アウローラから話を聞くことができるだろう。

 

○人数

3-4

※3人の場合、フェロー(アウローラ)を参加させる

 

○作成レギュレーション(→「Ⅲ」72頁)

冒険者レベル10-11

 

○書籍

ルールブック「Ⅰ」~「Ⅲ」

 

以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)

○目次

1.序章

2.遺跡(上層)

3.遺跡(下層)

4.終章

 

1.序章

 

朝靄が水面を這うように広がっている。

アルフレイム大陸南方、ブルライト地方――

潮風と冒険の香りが混じり合う港湾都市、ハーヴェス。

 

石造りの建物が立ち並ぶ港町の一角。

波止場には、夜明けの漁から戻った船が係留されている。

カモメの鳴き声。樽を転がす音。早朝の活気。

 

路地の奥――

木製の看板が風に揺れている。

〈踊る人形亭〉

 

冒険者ギルドと宿舎を兼ねた、石造りの建物。

窓からは、灯りが漏れている。

 

誰かが二階の廊下を進む。

木の床が軋む音。

壁に掛けられた、冒険者たちの武器や盾。

 

扉の前に、木製の札が掛かっている。

203号室。

 

窓から差し込む朝日が、床を金色に輝かせる。

 

ベッドには、まだ寝ている冒険者。

テーブルには、昨夜の酒瓶と地図。

壁には、剣と鎧。

 

扉を叩く音。

規則正しく、三回鳴る。

 

あなたは目を醒ます。

寝ぼけ眼で扉を見る。

 

「依頼よ。入っていいかしら?」

 

優雅で、威厳を感じさせる声だ。

 

どうぞ、と返事する。

 

扉が、ゆっくりと開く。

 

逆光の中――

魔法使いのローブ。

シルエットだけが見える。

 

尖った帽子。

風になびく髪。

優雅な立ち姿。

 

「私はアウローラよ」

 

アウローラ 魔法使い エルフ 雪景色

 

ブロンドの、長い髪。

青い宝石のような瞳。

完璧な美貌。

 

しかし、その目には――

常人にはない、何かが宿っている。

天才とも、狂気とも取れる輝きが。

 

彼女は扉を閉める。

 

朝の光が遮られる。

室内が一瞬、薄暗くなる。

 

黒いドレス。

細い腰を強調する、コルセット風のボディス。

全身に施されたリボン。

朝日を浴びて淡く光る、首元の青い宝石。

 

「ハールーン魔術研究王国で、研究機関の理事長をしているわ」

 

○GM向け記載事項

フェローとしてアウローラ(エルフ/♀/30歳)を使用するなら、以下のデータを開示します。

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=w35fuo&f=1

 

青い瞳が、あなたを見つめる。

それは、値踏みか。

それとも、期待に満ちた眼差しか。

 

アウローラの口元が、微かに緩む。

 

「私のことを知っているかしら?」

 

アウローラ。ウルシラ地方の魔女。

酒場で噂になっていた人物だ。

 

○GM向け記載事項

見識判定(目標値11/15/19)を行います。成功すれば、次の噂話を思い出します。

11以上:真語魔法と操霊魔法を行使するウィザードだ。

15以上:アンデッドの大群を率いて遺跡探索に行くと、噂に聞いたことがある。

19以上:彼女は、神になるつもりだ。その日のために、彼女の使徒にならないかと声をかけていると聞いた気がする。彼女は本気だ。

 

「私には弟子がいるの。訓練で彼らをブルライト地方のコロロポッカの森に連れてきていたら、偶然にも未発見の遺跡を見つけたの。私たちが最初に見つけたから、遺跡の調査権は私たちが得ることになった。いい機会だと思って、遺跡探索を弟子の訓練メニューにしたの」

 

そう言うと、アウローラは眉間に皺を寄せる。

 

「ところが、困った事態になったの。私の弟子の一人が行方不明になってしまった。一緒に探索していたグループとはぐれてしまったの」

 

彼女は、煮え切らない様子で続ける。

 

「当初は、アンデッドの軍勢を率いて彼を救出しようとした。でも、弟子に『師匠、冒険者に頼んではどうですか』と言われたわ。それで、夜道に早馬を飛ばすことにしたのよ。どうして、アンデッドの軍勢をみんな嫌うのかしら」

 

アウローラは改まった表情に戻る。

 

「依頼は〈踊る人形亭〉を通しているわ。ここは実力者がいると聞いていたから。現地へは研究機関の関係者が飛竜に乗せてくれるわ。報酬は、遺跡の未回収のお宝よ。もし1人あたりの取り分が5000Gに満たなければ、差額は補償してあげる」

 

○GM向け記載事項

行方不明となっているのは、アウローラの弟子、ノア(ナイトメア/♂/50歳)です。

アウローラは彼の似顔絵を見せながら言います。

「遺跡で落石があって、そこではぐれてしまったと。弟子の腕力で岩を動かすことはできなかった。声が聞こえたから無事なはずだけど、どうすることもできないから救援を呼ぶことにしたのね」

依頼の達成条件は、彼が生存した状態で発見されることです。行方不明となっているノアの情報は、以下の通りです。

☆ノア

種族:ナイトメア(エルフ生まれ)

年齢:50

性別:♂

穢れ:1

出身:ウルシラ地方

言語:交易共通語、エルフ語、魔法文明語、魔動機文明語

技能:ファイター7、レンジャー7、コンジャラー5、アルケミスト1

 

2 遺跡(上層)

 

飛竜の翼が空を切る。

 

その背から見下ろす。

深緑の絨毯のような、果てしない森。

 

コロロポッカの森だ。

この古き森に、遺跡は眠る。

 

飛竜が徐々に高度を下げる。

地上が近づいてくる。

 

巨大な木々。

絡み合う枝。

 

飛竜と別れる。

苔生した岩の間を進む。

 

森は静まり返っている。

鳥のさえずりも、虫の羽音も聞こえない。

 

アウローラが、囁き声で言う。

 

「何かいるわ」

 

翼を持つ、3体の魔物。

旋回して行く手を阻む。

 

地面が揺れ、落ち葉が舞う。

魔物が、何かを叫んでいる。

 

○GM向け記載事項

汎用蛮族語です。

「人族、バルバロスの敵、皆殺し」

 

さらに、奥には――

人型の魔物が1体。

鍛え上げられた肉体。

 

○アラクルーデルプレデター(→「Ⅲ」345頁)

知名度15、弱点値18

○ダークトロールアデプト(→「Ⅱ」388頁)

知名度15、弱点値19

※〈剣のかけら〉を10個追加する

 

では、戦闘準備をどうぞ。

魔物知識判定(15/18、15/19)をどうぞ。

先制判定(目標値18)をどうぞ。

 

蛮族を倒した。

遺跡を目指す。

 

やがて、岩肌に穴が見えてくる。

遺跡の入口だ。

 

○GM向け記載事項

文明鑑定判定(目標値11)が可能です。

成功:壁を見た。魔法文明時代の装飾だ。だが、数千年の時が、その美しさを奪っている。

遺跡の中は薄暗く、悪影響を防ぐには光源や種族特性[暗視]等が必要です。

対策をしなければ、あらゆる行動判定に-2のペナルティ修正を受けます。

 

2-1 見取り図

 

○GM向け記載事項

以下はPL向けマップです。壁に書かれています。

 

(準備中)

 

○GM向け記載事項

隣接する区画に移動するための所要時間は10分です。

ノアの足跡を追跡(目標値19)できます。区画を移動するたびに判定が必要です。最短で「下層へ」を目指しています。

 

(準備中)

 

2-2 宝物庫

 

松明の炎が、石壁を不規則に照らす。

足音だけが、静寂を破って響く。

 

やがて、建物が見えてくる。扉がある。

 

○GM向け記載事項

扉を探索(目標値11、非自然環境)することができます。

成功:魔法の鍵で施錠されている。危険はなさそうだ。

解除判定(目標値19)が可能です。ただし〈アンロックキー〉が必要です。

真語魔法【アンロック】や魔動機術【ノッカー・ボム】で代用することもできます。

以下は、解錠または破壊に成功した後の描写です。

 

部屋は散らかっている。

がらくたの山。

それを、アウローラが興味深そうに見ている。

 

「入念に探せば、何か見つかるかも」

 

GM向け記載事項

 

部屋の中を探索(目標値15/19/23、非自然環境)すれば、以下のアイテムを入手します。

15以上:人数分の月光の魔符(+1)を見つける

19以上:さらに、人数分の月光の魔符(+2)を見つける

23以上:さらに、人数分の月光の魔符(+3)を見つける

 

 

 

2-3 落とし穴

 

先頭を歩く冒険者。

 

彼の足が、何かを踏む。

一瞬、乾いた音がした。

 

石の床が、崩れ始める。

 

○GM向け記載事項

罠回避判定(目標値11、非自然環境)を行います。判定の結果は、個別に判断します。

成功:あなたはとっさに躱すことができた。危機一髪だ。

失敗:あなたは宙に浮く。そのまま、暗闇に落ちていく。

落下したら、45点の落下ダメージを受けます。受け身判定が可能です。

以下は、誰か1人でも失敗した時の描写です。魔晶石は、落ちた人数分だけあります。

「神に会うのはまだ早いわ。大丈夫、ロープを下してあげるから」

上からアウローラの声が聞こえる。

痛みに耐えながら、立ち上がる。幸い、骨は折れていない。

周りを見渡すと、穴の底には魔晶石(3点)が落ちている。

罠の仕掛け人が、隠していたのか。

それとも、以前の犠牲者の遺品か。

ともかく、役に立つだろう。

「大丈夫?次は気をつけてね」

罠に嵌まった者をロープで引き上げると、一行は再び進む。

 

2-4 落石

 

坑道を進む。

 

やがて――

前方に、異様な光景。

 

天井が崩落している。

 

巨大な岩が、坑道を完全に塞いでいる。

人間の背丈の倍以上はある。

 

粉塵がまだ宙に漂っている。

 

アウローラが、岩に近づく。

 

「とにかく、岩をなんとかしないと」

 

○GM向け記載事項

腕力判定(目標値23)を行います。

成功:粉塵が舞い上がる。坑道を完全に塞いでいた岩が、ゆっくりと横にずれていく。

すべてのPCは、自身の判定を放棄して任意のキャラクターを「手伝う」ことを選択できます。

「手伝う」対象のキャラクターは、達成値に+2のボーナス修正を得ます。

練技【タイタンフット】を習得しているキャラクターは、判定不要で成功します。

妖精魔法【トンネル】も解決策の1つです。

立往生を防ぐため、失敗したら「時間をかけて再挑戦」(→「Ⅱ」44頁) します。プレイヤーから岩を動かすための案を募って、ボーナス修正を与えるのも手です。

 

向こう側を見た。

 

誰もいない。

 

空っぽの坑道が続いている。

 

アウローラの表情に、安堵と不安が入り交じる。

 

「先に進んだみたいね。出口があるかもしれないし、水と保存食なら十分に持っていたようだから、そう悲観することはないわ」

 

彼女は歩き始める。

 

「私が魔術を研究してきたのは、魔法が好きだから」

 

まるで呟くように、アウローラは話を続ける。

 

「弟子を取り始めて、他の師匠たちが弟子を厳しく指導するのは真似しない代わりに、面接で『魔法が好き』と答えた子だけを弟子として取ることにしてきた」

 

彼女は肩をすくめる。

 

「そんな感じだから、舐められているというか、神になると言っても、取り合ってくれない子が大半なのよ。まったく、神様を怒らせたらどうなるのか分かっていないのかしら」

 

アウローラの表情が、真剣になる。

 

「でも彼だけは違う。どんなときも、私の夢を笑ったことはなかった。だから、行方不明になったと聞いて、絶対に助けてあげようって思ったの」

 

2-5 石板

 

坑道を進む。石板だ。

文字が書かれている。

 

○GM向け記載事項

石板の文字は、魔法文明語です。

誰も読めなければ、アウローラが代わりに読みます。

「ここは音楽家の遺跡。音楽の間の先に貯蔵庫」

 

2-6 ボタン

 

坑道を進む。

 

○GM向け記載事項

異常感知判定(目標値11、非自然環境)を行います。

成功:壁に文字が刻まれている。また、ボタンがある。

文字は魔法文明語です。誰も読めなければ、アウローラが代わりに読んでくれます。

「金属分解光線」

→見識判定(目標値18)を行います。

成功:バグベアード(→「Ⅱ」423頁)ではないかと思う

「妖霧の身体」

→コンジャラー技能を習得しているPCはレイス(→「Ⅲ」382頁)ではないかと感じます。該当者がいなければ、アウローラが教えてくれます。

判定の成否に関わらず、アウローラは言います。

「このボタンを押すと、魔物が出てくるのかしら?」

ボタンを調べるなら、探索判定(目標値11、非自然環境)を行います。

成功:ボタンに魔法がかけられているように感じる。ボタンには宝箱のイラストが描かれている。何が起こるかは、押してみれば分かるだろう。

以下は、ボタンを押した後の描写です。

 

直後。背後に、何者かの気配を感じる。

 

振り返ると、巨大な目玉の怪物が2体。

 

さらに、その奥には空飛ぶ魔物が2体。

 

○バグベアード(→「Ⅱ」423頁)

知名度18、弱点値21

○レイス(→「Ⅲ」382頁)

知名度16、弱点値23

 

では、戦闘準備をどうぞ。

魔物知識判定(18/21、16/23)をどうぞ。

先制判定(目標値25)をどうぞ。

 

○GM向け記載事項

魔物の先制値は25と非常に高く、先制に失敗する可能性も高いです。

しかし、魔物は高火力とは言えず、継戦能力の高いパーティであれば、先制に失敗しても勝機はあるでしょう。

レイスの「妖霧の身体」は、受ける魔法ダメージを常に半減します。したがって、多くの同レベル帯の魔物よりも耐久力が高く、倒すのに時間がかかる可能性が高いです。

ボタンを押す前に魔法を行使し、戦闘に備えることもできるでしょう。

 

魔法生物とアンデッドを倒した。

 

目の前に、輝く何かが出てくる。

 

○GM向け記載事項

宝物鑑定判定(目標値15)を行います。

成功:インゴッド(金塊)だ。売却すれば30000Gの価値がありそうだ。

 

アウローラが興味深そうに言う。

 

「召喚された魔物を倒せば、お宝が出てくる仕掛けだったのね。でも1回きりみたいね、残念」

 

2-7 下層へ

 

分岐を右に進むと、階段が見える。

ここから下りることができそうだ。

 

3 遺跡(下層)

 

3-1 見取り図

 

○GM向け記載事項

以下はPL向けマップです。壁に書かれています。

 

(準備中)

 

以下はGM向けマップです。

ノアの足跡を追跡(目標値19)できます。区画を移動するたびに判定が必要です。彼は「倉庫」と「宝物庫」を経由し、最短で「貯蔵庫」を目指しています。

 

(準備中)

 

3-2 野営地

 

坑道が右に曲がっている。

焚き火ができそうな場所がある。

 

○GM向け記載事項

探索(目標値15、非自然環境)を行うことができます。

成功:薬草を使った痕跡がある

探索に成功すれば、アウローラが言います。

「そうそう、ノアはレンジャーなのよ。私はスカウトだから、彼がいてくれると助かるの」

 

3-3 倉庫

 

石造りの建物がある。

扉はない。中に入ることができる。

 

○GM向け記載事項

探索(目標値11/15、非自然環境)を行うことができます。

11以上:誰かが滞在していた痕跡がある。アウローラが言う。

「ここを通ったのかしら?先に進んでいるかもしれないわね」

15以上:トカゲの絵が描かれている。アウローラが目を丸くしている。

「この遺跡にあるのかしら?なんとしても手に入れたいの、ここにあるのなら、必ず手に入れるわ!これは〈始まりの剣〉に到達するのに必要なのよ」

 

隣で、アウローラが不敵な笑みを浮かべている。

 

「誰か、ノアに変装したい人はいない?もし彼を騙すことに成功したら、いいものをあげるわ!」

 

○GM向け記載事項

PCの誰か1人は、化粧や服装を変えてノアに成りすますことができます。提案に乗るなら、誰か1人に対して変装判定を行い、達成値を記録します。

アウローラの企み通りノアを騙すことができたら、変装した本人にプレゼントがあるようです。対象を変装させるのはアウローラでなくとも構いませんが、本人以外のキャラクターを変装させるなら、達成値に-4のペナルティ修正を受けます。

アウローラは〈マジックコスメ〉(→ET133頁)を持っています。使用すると、変装判定の達成値に+2のボーナス修正を得ます。

アウローラが誰かを変装させるなら、基準値は11です。2dの出目が7なら達成値は16です。

変装することができる種族は人間、エルフ、リカント、ナイトメア、ティエンスなどです。

 

3-4 炎の床

 

坑道を進む。

 

足元に、微かな熱気。

 

次の瞬間――

炎が噴き上がる。

 

○GM向け記載事項

危険感知判定(目標値19)を行います。

成功:とっさに躱すことができた

失敗:あなたは炎の直撃を受ける

失敗したキャラクターは「威力50」の炎属性の確定ダメージを受けます。ドワーフのキャラクターはダメージを受けません。

 

3-5 宝物庫

 

坑道を進んでいく。

建物が見えてきた。扉がある。

 

○GM向け記載事項

扉を探索(目標値11、非自然環境)することができます。

成功:魔法の鍵で施錠されている。危険はなさそうだ。

解除判定(目標値19)が可能です。ただし〈アンロックキー〉が必要です。

真語魔法【アンロック】や魔動機術【ノッカー・ボム】で代用することもできます。

以下は、解錠または破壊に成功した後の描写です。

 

部屋は散らかっている。

がらくたの山。

それを、アウローラが興味深そうに見ている。

 

「入念に探せば、何か見つかるかも」

 

○GM向け記載事項

部屋の中を探索(目標値15/19/23、非自然環境)すれば、以下のアイテムを入手します。

15以上:人数分の月光の魔符(+1)を見つける

19以上:さらに、人数分の月光の魔符(+2)を見つける

23以上:さらに、人数分の月光の魔符(+3)を見つける

 

3-6 音楽の間

 

やがて、大きな扉が見えてくる。

他の扉とは、異なる装飾だ。

 

○GM向け記載事項

扉を探索(目標値11、非自然環境)することができます。

成功:魔法の鍵で施錠されているが、鍵穴は見当たらない。破壊することも困難に感じるが、誰かが入った痕跡があることに気付く。

扉には、魔法文明語で「永遠のアリア」と書かれています。

誰も読めなければ、アウローラが代わりに読みます。

また、聞き耳(目標値7)を立てることができます。

成功:中から音楽が聞こえてくる

成功したキャラクターは、見識判定(目標値11/15/19)を行うことができます。

11以上:弦楽器の奏でる音ではないかと思う。優雅で、物悲しい旋律。

15以上:魔法文明時代の曲ではないかと思う。まるで時間が止まったかのような、完璧な演奏。

19以上:ある伝承を思い出す。音楽への未練を捨てきれない演奏家が不死者になった言い伝え。

合言葉(永遠のアリア)を唱えると、扉が開きます。以下は、唱えた後の描写です。

 

扉が、ゆっくりと内側に開いていく。

 

隙間から、光が漏れ出す。

 

そして、音楽がはっきりと聞こえてくる。

 

高い天井。

数千年の時を感じさせる、壮麗な空間が広がる。

 

円形の大広間。

 

壁には、色褪せたタペストリー。

床には、精緻なモザイク。

 

かつて、貴族たちが音楽を楽しんだ場所だったのだろうか。

 

左には、開け放たれた扉。

 

正面に、一体の人影。

 

古代の貴族のような、華美な衣装。

しかし、その肌は蝋のように白い。

 

弦楽器を抱え、演奏を続けている。

 

楽器を弾く手。

完璧な動き。

しかし、その指は、骨と皮。

 

演奏家の周囲には、3人の人影。

 

古代の戦士の鎧。

錆びた剣。

 

そして、大盾を構えている。

まるで、石像のように。

 

演奏が止まる。

 

一瞬、静寂に包まれる。

 

演奏家の首がゆっくりと動く。

 

虚ろな目が、開かれる。

 

○GM向け記載事項

古代の戦士は、魔法文明語で言います。

「侵入者、探知。排除、開始」

誰も魔法文明語の会話を習得していなければ、アウローラが教えてくれます。

 

3人の護衛兵が、一斉に武器を構える。

 

○大盾を持つ重装護衛兵(ハイレブナント)(オリジナルモンスター)×3

知名度12、弱点値17

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=t4K0zR

○カースドアーティスト(→「Ⅲ」381頁)

知名度19、弱点値22

※〈剣のかけら〉を各部位に6個ずつ追加する

 

では、戦闘準備をどうぞ。

魔物知識判定(12/17、18/22)をどうぞ。

先制判定(目標値18)をどうぞ。

 

○GM向け記載事項

個々の戦力はともかく、厄介なのは護衛兵の《ブロッキング》です。

敵の前衛3体を食い止めるには、味方の前衛が3人も必要です。

先攻1ラウンドで敵の前衛を1体も倒せなければ、ハイレブナントが後衛を襲います。対処法の1つは操霊魔法【バインド・オペレーション】で移動を封じることです。

妖精魔法【ストーンウォール】も敵の移動力を削いで後衛を守るのに役立つでしょう。

なお、左に見える開け放たれた扉を目指せば、戦闘を回避できます。ノアは、この方法で戦闘を回避して奥に進んでいます。

この場合は「冒険者レベル+敏捷度ボーナス」を基準値として、目標値19で判定を行います。

判定に成功すればダメージを受けることなく逃亡に成功します。

判定に失敗すれば「12+威力20(C10)」点の確定ダメージを受けつつも逃亡に成功します。ただし、HPが0になったキャラクターは追撃を受けて死亡します。

 

古の音楽家とその護衛兵を倒した。

 

部屋に残された痕跡を調べていたアウローラが、何かを確信している。

 

「ノアは奥に進んだはずよ」

 

3-7 貯蔵庫

 

坑道を曲がって、進んだ先。

石造りの建物だ。

扉がある。

 

○GM向け記載事項

扉を探索(目標値11、非自然環境)することができます。

成功:施錠されている。内側から施錠できる構造のようだ。また、誰かが入った痕跡がある。

解除判定(目標値11、非自然環境)が可能です。ノックして中に誰かいないか確かめることもできるでしょう。

また、聞き耳(目標値19)を立てることができます。

成功:中から誰かの寝息が聞こえる

以下は、解錠して中に入った時の描写です。

 

部屋を開けると、1人の冒険者が寝袋で眠っていた。

 

その顔に見覚えがある。似顔絵の男性だ。

 

「ノア!」

 

アウローラは、冒険者の元に駆け寄る。

 

ローブが舞い、ブロンドの髪が揺れる。

 

眠っていた男性は、目をこすりながら彼女を見る。

 

「師匠、なのか。助けに来てくれたんだな。アンデッドはいなさそうだが」

 

○GM向け記載事項

アウローラの企みに乗って誰かが変装していれば、達成値の比べあいを行います。ノアは真偽判定を基準値11(18)で行います。受動側は変装判定です。ノアは言います。

看破成功:「俺に生き別れの兄弟がいたのかと思ったが、よく見ると変装だな?師匠、イタズラしようとしても無駄だぞ?」

看破失敗:「おい、どうなっているんだ。これは魔法による幻覚か?それとも、実は生き別れの双子の兄がいた、とでもいうのか??」

アウローラが笑っている。まるで子どものように。

変装失敗:「残念、ドッキリ失敗ね。でも楽しかったでしょ?」

変装成功:「ドッキリ成功!まんまと騙されたわね、ノア。変装してくれたあなたにお礼よ」

ノアは、呆れたような、でも嬉しそうな表情をしている。

いずれにせよ、変装していたPCは消魔の守護石(5点)を受け取る。

 

男性はノアだ。彼は改めて感謝の意を述べる。

 

「俺は無事だ。助けに来てくれてありがとう。師匠が迷惑をかけなかったか?」

 

アンデッドについて、ノアはこう話している。

 

「この地方には、数千年前に音楽への執着を捨てきれない貴族の演奏家が亡くなった数名の護衛兵とともにアンデッドになって今も演奏を続けている、という伝承がある。あのアンデッドがその音楽家だったのだろう」

 

ここは貯蔵庫だ。

 

埃一つない空間。

 

貯蔵庫にかけられた魔法が、大量のワインを劣化から守っている。

 

魔法文明語の文字が書かれたラベル。

 

3000年前の日付。

 

アウローラが、ワインを眺めている。

 

「私は魔法にしか興味がないけど、中にあるものは好事家に高く売れそうね」

 

○GM向け記載事項

宝物鑑定判定(目標値15)を行うことができます。

成功:数千年間熟成されたワインだ。売却価格は全部で30000Gであると分かる。

 

4 終章

 

遺跡の外に出る。

 

日が傾いている。

 

世界が、金色に染まる時間。

 

森の木々が、夕日を浴びて輝く。

 

アウローラは、満足そうな表情をしている。

 

「ギルドに帰るまでが、冒険よ」

 

ノアが荷物から何かを取り出す。

 

布に包まれた、小さな物体。

 

指先で、布をほどいていく。

 

中から現れたのは――

虹色に輝く、トカゲの像。

 

夕日を浴びて、七色に輝いている。

 

アウローラが、息を呑んでいる。

 

「そういえば、師匠が探していた『聖杯』って、これじゃないのか?」

 

アウローラの手が、震えている。

 

「そう」

 

彼女の声も震えている。

 

「私が、全財産を注ぎ込んで探しているものよ」

 

彼は続ける。

 

「アンデッドから逃げる中で、たまたま見つけたんだ」

 

次の瞬間――

アウローラが、ノアの元に駆け寄る。

 

ローブが風になびく。

 

彼女は、ノアの目の前で止まる。

 

息を切らしている。

 

青い瞳が、トカゲの像に釘付けになっている。

 

「よくやったわ、ノア!」

 

彼女は、トカゲの像に手を伸ばす――

 

だが、触れる直前で止まる。

 

彼女の手が、震えている。

 

まるで、触れることをためらっているかのように。

 

「私に、くれるのよね?」

 

彼女の声に、期待が満ちている。

 

「欲しいものを何でもあげるわ」

 

ノアは、少し考えるような仕草をする。

 

視線を、少しだけ逸らす。

 

そして、彼の表情が真剣になる。

 

「師匠、本当に『何でも』なんだな?」

 

アウローラはトカゲから目を離せない。

 

「渡せそうな物なら、何でもいいわよ」

 

ノアは、深呼吸する。

 

「魔法が大好きなことも」

 

夕日が、二人を包む。

 

「弾けるようなその笑顔も」

 

風が吹き、木々が揺れる。

 

「神になるという野望も」

 

アウローラの手が震える。

 

「その全てが――」

 

ノアの目が、まっすぐにアウローラを見つめる。

 

「師匠のことが、好きだ」

 

アウローラの瞳が揺れる。

 

彼女は、下を向く。

 

被っている帽子が、表情を隠す。

 

やがて、アウローラは話し出す。

 

「いつか、私が神になるのなら」

 

ブロンドの長い髪が風になびく。

 

「私たちの子どもは、神の眷属ということよね」

 

夕日が彼女の口元を照らし出す。

 

「集めるべきは、使徒ではなかった」

 

アウローラの口元が緩む。

 

「私たちには6人の息子と6人の娘――合わせて12人の子どもがいる。ふふ、その日が楽しみね」

 

○報酬

2000経験点(基礎)+1500経験点(条件:バグベアード&レイスを撃破)

1成長(基礎)+1成長(条件:バグベアード&レイスを撃破)

〈剣のかけら〉22個

 

○記載事項

本シナリオは、シナリオ「秘めたる想い」のリメイク版です。

 

 

○BOOTH掲載中

 

SW2.5『旋律の迷宮』 - laytontrpg - BOOTH

 

○次回

 

(準備中)

 

『旋律の迷宮』魔物の調整について(追記)

 

本シナリオの戦闘の調整のため、4種類のサンプルキャラクターを用意しました。

 

・ドワーフの戦士

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=LQDH4w

・リカントの拳闘士

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=nh5Yzp

・タビットの魔導師

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=vJJEkI

・エルフの妖精使い

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=iwmUY0

 

上記のキャラクターの使用に必要な書籍は、以下の通りです。

 

・ルールブック「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」

・エピックトレジャリー

 

4体のキャラクターを使用して、模擬戦闘を行いました。

 

結果は、ボス戦が先攻2ラウンドで終結(勝利)でした。

 

戦闘の経過メモは、最後に記載します。

 

追加戦闘(バグベアード&レイス戦)をしない場合は、作成レベルは1つ下の9-10が適切です。

 

森の遭遇戦(蛮族)の魔物はすべて10レベル、音楽の間のボス戦(アンデッド)の魔物は12レベルです。したがって、PC側は10レベルが最適です。この場合は〈剣のかけら〉を減らすのも一考です。

 

トレジャードロップ(要:エピックトレジャリー)は、魔物を強化する手段の一つです。

 

〈剣のかけら〉との違いは、恒常的な強化ではなく、一時的な強化が中心である点です。

 

トレジャードロップを採用すると報酬が増えるため「強い敵を倒せば、報酬が増加する」という、フェアな調整が可能です。

 

戦闘が物足りない可能性があれば、活用を検討しましょう。

 

検証結果(先攻1Rのみ)を記します。

 

対アンデッド(音楽の間)

 

**魔物

5m:ハイレブナント(HP110→70→39→18→-5×)

5m:ハイレブナント(HP110→70→39→18→)

5m:ハイレブナント(HP110→70→39→18→)

0m:カースドアーティスト(演奏家)(HP145→131→100→78→51→)

0m:カースドアーティスト(楽器)(HP136→122→91→)

 

*PC

20m:戦士(112)

20m:拳闘士(89)

25m:魔導師(57)

25m:妖精使い(53)

 

*戦闘前

拳闘士[獣変貌]

魔導師【スケープ・ドール】

妖精使い【インスピレーション】

 

**戦闘前

カースドアーティスト(演奏家→コア部位)

 

**戦闘準備

カースドアーティスト(演奏家)(HP145)【ブリンク】

 

*戦闘準備

魔導師【ブリンク】

妖精使い【プレコグ】

 

*魔物知識判定(17→13/22→19)◎◎

魔導師(17/18)

妖精使い(18/インスピレーション)

 

*先制判定(18)◎◎

戦士(16→18)

拳闘士(21)

 

*順次行動

25m→28m:魔導師

【バークメイル】

《バイオレントキャストⅠ》

主【ブリザード】24◎△(40/14)

 

25m→28m:妖精使い

【プレコグ】【バークメイル】

《クリティカルキャストⅡ》

主【ファイアストーム】27◎◎(31)

 

20m→5m:戦士

【キャッツアイ】【ビートルスキン】【マッスルベアー】【ヴォーパルウェポン】

《薙ぎ払いⅡ》

主1・近接攻撃23◎(36→21)

主2・近接攻撃28◎(38→23)

 

20m→0m:拳闘士

【ガゼルフット】【キャッツアイ】【マッスルベアー】【ヴォーパルウェポン】

主1・近接攻撃20×【ブリンク】

主1・近接攻撃26◎(31→22)

主2・近接攻撃22◎(36→27)

主2・近接攻撃20×

 

(以下、省略)

 

***戦闘終了