概要
日本発TRPGで最大級のプレイヤー人口を誇るソード・ワールド2.5を最近始めた、またはこれから始めたい方向けにキャラクター作成の指針について解説します。
今回は、奈落で稀に生まれる人間の変異種アビスボーンについて解説します。
※作成中
目次
1 アビスボーンについて
2 アビスボーンの能力値(期待値)
3 アビスボーンの種族特性
4 アビスボーンの技能適性(戦士系技能)
5 アビスボーンの技能適性(魔法使い系技能)
6 アビスボーンの技能適性(その他系技能)
7 アビスボーンのビルド例
1 アビスボーンについて
奈落の魔域で妊娠し、出産することで稀に生まれる変異種です。人間から生まれてくるようです。
身体の一部である皮膚や目が暗い紫色に変化しているため、魔神を想起させることからナイトメアと並んで差別を受けがちな種族となっているようです。
なお、データ的なペナルティはありません。
敏捷度がやや低く、筋力が高くなります。
能力値は生まれによって変化するため、戦士系・魔法使い系技能全般に適性があります。
個人的な感想としては、アビスボーンの能力値は筋力が高く、種族特性が全般的に戦士系技能向けであることから、できれば戦士系(または魔法戦士)を選びたいところです。
アビスボーンのキャラクターは、初期作成で地方語の会話と読文を習得しています。
アビスボーンの寿命は人間と同じで、約100年です。
特筆すべきは、アビスボーンには種族特性が3種類あり、その中から1つ選んで決めることです。
種族特性は、作成時に決定します。
また、アビスボーンは生まれつき「アビスカース」を持ちます。3回無作為に決定して、その中から1つを選びます。
2 アビスボーンの能力値(期待値)
91.5(高い)
※ルールブック収録種族は最高97(グラスランナー、ティエンス)、最低81.5(タビット)
1d+6:筋力
2d:器用度、生命力、知力
1d:敏捷度、精神力
器:普通
敏:やや低い
筋:かなり高い
生:普通
知:普通
精:やや低い
種族特性[奈落の落とし子/アビストアーム]
種族特性[巨人化]は、敏捷度を-6、筋力・生命力を+12するというものです。
巨人化すると、筋力・生命力が高くなるため、戦士系技能(ファイター等)に高い適性があります。
一方で、精神力があまり高くないため、魔法使い系技能への適性はあまり高くありません。
※低レベル帯の話です。中~高レベル帯は魔晶石でなんとかしましょう。
通常時の能力値の合計は高くありませんが、巨人化するとアビスボーンの能力値の合計は非常に高くなります。
3 アビスボーンの種族特性
[暗視]レベル1
→暗闇によるペナルティを受けない
[巨人化]レベル1
→主動作で巨人化し、巨人形態となることができる。1日2回まで。
[巨人化]レベル6
→1日3回まで、10分が経過していなくても自らの意思で元の姿に戻ることができるようになる。
[巨人化]レベル11
→[巨人化]および元の姿に戻る動作を、戦闘準備・補助動作で行うことができるようになる。
[巨人化]は、自身の敏捷度を-6、筋力・生命力を+12するものです。
筋力・生命力が大幅に上昇するため、タンクとしても、ダメージディーラーとしても活躍しやすくなります。
巨人形態となる時間は、60ラウンド(10分間)です。その後、自動的に元の姿に戻ります。
[巨人化]は補助動作で使用可能となるレベル11以上で、非常に強力かつどんな場面でも使える固有の種族特性となります。
筆者の個人的な意見ですが、単発セッションでスプリガンを使うなら冒険者レベル11以上が理想です。
レベル10以下の場合、卓の環境に左右される傾向があります。
アビスボーンが活躍しやすくなる要素は、2つあると考えています。
1つは、所持金が十分にあることです。
アビスボーンは、変身時に鎧を交換する必要があります。これは強制です。
武器や盾、その他の手に持っている装備品も交換することができます。ただし、こちらは強制ではなく任意です。
筋力が12も上がるため、武器や防具の性能面からいえば大きな差であるといえます。
したがって、通常時と巨人形態の両方に合わせて適切な武器や防具を用意できるのであれば、アビスボーンを活躍させやすいと考えられます。
筆者の経験からいえば、キャンペーン卓は同レベル帯の単発卓と比較して資金に余裕があることが多く、スプリガンを活躍させやすいといえるかもしれません。
また、ソロ攻略対応シナリオは1人で開始する場合に所持金が増える等のボーナスを選べることもあるため、スプリガンが活躍しやすい可能性があります。
もう1つは、戦闘が長期戦になりやすいことです。
主動作で[巨人化]をして1ラウンドを過ごすため、極端な短期決戦は不向きであるといえます。
高火力なパーティの場合、戦闘のラウンド数は減ることが多いです。
あまり火力が高くなく、回復力が十分に確保されているパーティの場合は、ラウンド数が長くなる傾向があります。
主動作で[巨人化]をして十分に元が取れるのは、少なくとも3ラウンド以上(理想をいえば5ラウンド以上)続く戦闘です。
その他、戦闘前に巨人化する余裕がある卓も種族特性を活かしやすくなると考えられます。
アビスボーンの通常時の能力値の合計は84(期待値)で、人間と同じです。決して高くはありません。
アビスボーンの強みを活かすために、巨人化をうまく使えるような卓環境(またはレベル帯)かどうかを見極めることが重要です。
卓環境の影響を考慮しないのであれば、なるべく冒険者レベル11以上の卓で使うことをお勧めします。
なお、筆者の参加してきた卓でスプリガンを使う人はキャラクターシートを2枚用意することも多い印象です。管理するデータが増えるため、どちらかといえば経験者向けの種族と言えるでしょう。
4 アビスボーンの技能適性(戦士系技能)
アビスボーンの通常時の能力値は決して高くありませんが、種族特性を考慮すると、筋力・生命力が非常に高く、一方で敏捷度や精神力が低いステータスになります。
[巨人化]によって敏捷度が下がることを考慮すると、防護点が低く、回避力が重要なグラップラーやフェンサーよりも、防護点を上げやすいファイターの方が相対的に使いやすい印象です。
物理ダメージへの耐久力は高く、前衛の適性は高いです。また、高い筋力を活かすことができ、敏捷度の低さがデメリットになりにくい点で、シューターにも適性があるといえます。
ただし、精神力が低く、魔法に抵抗しづらい点には注意が必要です。
予算の制約が厳しい低レベル帯は割り切るしかありませんが、中~高レベル帯なら魔法への対策(正しき信念のリングや月光の魔符の購入、レンジャー5レベル以上の習得等)も意識したいところです。
戦士系技能の例
ファイター(お勧め)
戦士系技能全般
5 アビスボーンの技能特性(魔法使い系技能)
「アーケインレリック」に記載されている生まれ表では、アビスボーンに用意されている魔法使い系技能の「生まれ」はプリースト技能のみです。
もともと前衛適性の高いアビスボーンは神官戦士に適性がありますが、後衛の魔法使い系技能に適性がないわけではありません。
もっとも「心」が高くなる「生まれ」では、知力が「9+2d」、精神力が「9+1d」です。
したがって、成長回数が0回の初期作成時点でも、無理なく知力ボーナスを3にすることができます。
ただ、精神力は決して高くないため、MP切れを考慮すると魔晶石を購入する余裕がある中~高レベル帯が望ましいでしょう。
なお、後衛の場合は[巨人化]によって生命力が上がる恩恵は受けられるものの、筋力が上がるメリットが薄いことに留意しましょう。
魔法使い系技能の例
神官戦士
魔法使い系技能全般(中~高レベル帯推奨)
6 アビスボーンの技能適性(その他系技能)
スカウト、レンジャー、セージ
能力値からいえば、
器用度が高ければレンジャー
敏捷度が高ければスカウト
知力が高ければセージ
を担当するのが理想です。
※最終的にはパーティ内で相談です
※かつて筆者が参加した3人卓では、他2人がレンジャーで泣く泣く一人でスカウト&セージを担当しました。このような悲劇を絶対に繰り返してはいけません!
戦士系技能への適性が高く、器用度や敏捷度を伸ばすとシナジーが期待できることを考えると、スカウト、レンジャーと相性がいいです。
ただし、知力も低いわけではないので、魔法使い系技能を習得する場合はセージの適性もあります。
注意点として、冒険者レベル11以上になると、巨人形態への変化を補助動作・戦闘準備で行うことができますが、先制判定は戦闘準備よりも後に来ることが挙げられます。
(戦闘準備で巨人化すると敏捷度が下がってしまいます。戦闘開始後に補助動作で行うなら、先制に成功すればデメリットはありませんが、失敗すると通常形態のまま敵の攻撃を受けることに注意が必要です)
上記以外
概ね適性があります。
7 アビスボーンのビルド例
スプリガンのビルド例を紹介します。
ファイター(作成レベル4-5)
ファイター5
レンジャー3
エンハンサー1
01《武器習熟A/メイス》
03《薙ぎ払いⅠ》
05《頑強》
※【マッスルベアー】
アビスボーンの戦士です。
アビスボーンは、冒険者レベルの上昇による種族特性の強化(6レベル、11レベル)がありません。
その代わりに、3つ選べる種族特性は、どれも強力なものとなっています。
そのため、低レベル帯は特に種族特性の恩恵が大きいです。
今回は武器習熟型のファイターを考察しました。
筋力が高く、敏捷度がやや低いため、素直に作るとファイターが使いやすいと考えられます。
ただし、他の戦士系技能にも適性はあります。
この構成は、Aランクの武器〈ポールメイス〉が候補となります。
命中力修正+1、威力43の武器で、必筋23、1220Gです。安価ながら強力です。
鎧については、必筋21の〈プレートアーマー〉などが候補として考えられます。
回避力修正-2、防護点7の鎧で、必筋21、1200Gです。Bランクながら防護点は高く、予算を圧迫しません。
なお、精神力は高いといえるほどではないですが、魔法に抵抗できなかったとしても〈頑強〉で強化したHPで、ある程度は受けることも可能です。
お金に余裕があれば、魔法対策として〈月光の魔符〉や〈消魔の守護石〉等の消耗品の購入を検討するのも手です。
主要な(高額な)装備の合計代金を大まかにチェックします。
レベル10-11作成の場合、所持金は12万Gです。ハイペリオン級の報酬の前借り上限の目安は1万Gなので、最大で13万Gまで購入する余裕があります。
所持金にあまり余裕がないとき、全身を〈スマルティエの組み紐〉や〈スマルティエのリボン〉で固めるのは、よくある構成です。
最大8部位に装備することで、生命力が6上昇します。
中には全身を〈スマルティエのピアス〉で固める派閥も存在するという話もあります。
特に〈頑強〉を習得しない場合など、全身をスマルティエシリーズで固めると安定します。
神官戦士(作成レベル10-11)
ファイター7
プリースト11
セージ9
アルケミスト1
01《防具習熟A/非金属鎧》
03《魔法拡大/数》
05《防具習熟S/非金属鎧》
07《頑強》《タフネス》
09《超頑強》
11《防具の達人》《ルーンマスター》
※【バークメイル】
アビスボーンの神官戦士です。
ファイターを7レべル習得すると自動習得できる《タフネス》の効果と、選択習得の常時特技《頑強》《超頑強》を合わせることで、最大HPを+45しています。
《防具の達人》を習得し、SSランクの〈ディバインスキン〉を装備すると、精神抵抗力に+2することができます。
これは鎧に〈正しき信念のリング〉の効果がついてくるようなもので、非常に強力です。
〈ディバインスキン〉は、アビスボーンの弱点である低い精神抵抗力を補うのに役立ちます。
セージを9レベル習得することで《マナセーブ》の効果が付属してきます。
これは、すべてのMP消費を1軽減するものです。宣言特技《魔法拡大/数》を宣言する機会が多いプリーストにとって、有用な効果であるといえるでしょう。
防護点は、賦術【バークメイル】の効果と合わせて20点を超えます。
物理耐性は十分なので、魔法を意識することが重要であるといえるでしょう。
筆者のお勧めはキルヒア信仰です。
10レベルで習得する特殊神聖魔法【プレコグ】は、効果時間中、あらゆる行為判定の出目を振った後で「8」に変更することができます。
補助動作で行使でき、敵の魔法への抵抗力判定に安定して成功できるようになります。
精神力が低いアビスボーンですが〈ディバインスキン〉【プレコグ】を合わせれば魔法も怖くありません。
また、セージ担当が1人しかいない場合も、安心してセージ知識判定に臨むことができます。
冒険者の皆さま、あなたもキルヒア様を信仰しませんか??
なお、この構成はSSランクの鎧と盾を装備するため、実は金欠気味です。
【参考用】
◆武器
(なし)
◆防具
〈ディバインスキン〉52000G
〈エターナルロード〉65000G
計117000G
(報酬の前借り前提で残り13000G)
そんな時、お勧めのアイテムがあります。全身〈ラル=ヴェイネのリボン〉です。
1つ501G(色付きは503G)で、8つ購入しても4008G(4024G)です。
たったの4008Gで、精神力を+6することができ、精神抵抗力も上昇します。
アビスボーンは普段の大きさが人間の10歳の子どもと同じくらいなので、リボンをつけた姿はきっと可愛いはずです。
……可愛くて強いのでお勧めです。
次回
(時期未定:ハイマン)