〇予告

ブルライト地方の森林地帯の奥地に、希少種の薬草が採れる水源地帯があるという。そこに自生する貴重な薬草は、高値で売れる。

水源地帯へは、現地で調査をしている植物学者が案内してくれる。

 

○人数

3-4人

※3人の場合、フェロー(クリス)を参加させる

 

○作成レギュレーション(→「Ⅲ」72頁)

冒険者レベル4-5

 

○書籍

ルールブック「Ⅰ」~「Ⅲ」

※2026年1月に開催予定のオフセッションTRPG卓シナリオです

 

以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)

〇目次

1 序章

2 学者

3 猛獣

4 探索

5 終章

 

○判定一覧

●スカウト、レンジャー技能レベル+器用度ボーナス

解除判定(レンジャー:自然環境)

 

●スカウト技能レベル+敏捷度ボーナス

先制判定

 

●スカウト、レンジャー技能レベル+知力ボーナス

異常感知判定(レンジャー:自然環境)

聞き耳判定

危険感知判定

探索判定(レンジャー:自然環境)

 

●セージ、ライダー技能レベル+知力ボーナス

魔物知識判定(ライダー:知名度)

 

●セージ、バード、アルケミスト技能レベル+知力ボーナス

見識判定

 

●冒険者レベル+知力ボーナス

真偽判定

 

1 序章

 

多くの冒険者が集う街、港湾都市ハーヴェス。

 

朝の港は、潮の香りと人々の声で満ちている。船乗りが網を引き揚げ、商人が荷を運ぶ。

 

しかし、あなた達の所属する冒険者ギルドは、閑散としていた。依頼が少ない。

 

そこに、研究者風のエルフの男性がやってくる。人探しをしているようだ。

 

 

エルフの男性、港町、船

 

○GM向け記載事項

フェローとしてクリス(エルフ/♂/38歳)を使用するなら、以下のデータを開示します。

 

 

クリス「あなた、ですか?○○さんは」

クリス「ギルドマスターから、その依頼は○○さんのパーティが適任だと…」

 

○GM向け記載事項

フェローを使用する場合は、以下の台詞が追加されます。

クリス「あれ、4人と聞いていたのですが、足りないのでは?」

クリス「…分かりました。つまり、僕も人数に数えている、ということですね」

クリス「まったく、人使いが荒いなぁ。マスターもグレゴールさんも」

 

そうだ、と答えると、クリスは自己紹介する。

 

クリス「紹介が遅れました。僕はクリスです」

クリス「ここから北にある水源地帯で、植物学者のグレゴールさんの助手をしています」

クリス「実は、元冒険者です。…その、言いづらいんですけど、座学は苦手です」

クリス「諸事情あって、危険なことは止められているんです。家族から」

クリス「依頼に来たのは、水源地帯の貴重な薬草の採集に関して、です」

 

依頼について、彼は簡単に説明する。

 

クリス「水源地帯に、希少種の薬草が採れる場所があるんです」

クリス「病気に効くから、ギルドが高値で買い取ってくれます」

 

○GM向け記載事項

・依頼人は、水源地帯で調査をしている植物学者グレゴール(人間/♂/51歳)

・依頼は、植物学者グレゴールの護衛

・水源地帯は、危険な野生動物や蛮族が生息している

・固定報酬はあまり出せない

・高価な薬草の群生する地域を教えてくれる

・乱獲を防ぐため、場所は秘密にしてほしい

・依頼主の目的は、未発見の植物の調査

・報酬は、1人あたり500G+成果報酬(薬草)

・薬草は、1本あたり500Gでギルドが買い取る

・すぐ出発すれば、目的地の研究棟に夕方到着する

・施設で宿泊可能

・他に依頼はない

 

依頼を承諾すると、マスターは言う。

 

マスター「依頼主の植物学者は多忙で、ギルドに来たのは本人ではない」

マスター「グレゴールはここ半年間、家族の元に帰っていない」

マスター「連絡は、手紙で済ませているそうだ。仕事熱心なのは、結構なことだが…」

マスター「家族も大事にした方がいい、俺はそう思う」

 

2 学者

 

○GM向け記載事項

グレゴールについては「4-4 正体看破」も併せて参照して下さい。

 

日が沈む頃、水源地帯の研究施設に着いた。クリスがカードキーをかざす。

 

クリス「今、グレゴールさんを呼びますね」

 

しばらく待つと、髭を生やした男性が出迎える。

 

グレゴール「よくぞ、来てくれた」

グレゴール「わしが植物学者、グレゴールじゃ」

グレゴール「出発は明朝。夜は、危険な動物が出るからの」

 

街から離れたこの研究棟は、守りの剣の力が不十分だ。また、蛮族やアンデッドも出没する。

 

施設には、宿泊棟がある。受付の女性に1人30Gまたは救命草1本を渡すことで宿泊できる。

 

眠りにつこうとすると、受付から会話が聞こえてくる。

 

○GM向け記載事項

聞き耳判定を行います。

10以上:2人の女性が会話している

14以上:最近、この近くで大型の蛮族が出たようだ

18以上:噂をグレゴールに話したところ、特に驚く様子はなかった

 

東の空から差し込む日の光が眩しい。植物学者が、部屋へやってくる。

 

グレゴール「出発じゃ」

 

3 猛獣

 

生い茂る森の中を、植物学者に連れられて進んでいく。

 

水源地帯に向かう途中、クリスが小声で制止する。

 

クリス「…おい、隠れろ。肉食獣だ」

 

茂みから覗くと、大きな牙を持つ肉食獣が獲物を探している。

 

また、灰色の毛皮をまとった、大柄な熊が肉食獣を威嚇している。

 

両者は睨み合ったまま、動かない。

 

クリス「困ったな。このままでは通れない」

 

先に進むには、戦いは避けられそうにない。

 

グリズリー(→「Ⅲ」358頁)

知名度12、弱点値16

 

サーベルタイガー(→「Ⅱ」397頁)

知名度14、弱点値18

 

では、戦闘準備をどうぞ。

魔物知識判定(12/16、14/18)をどうぞ。

先制判定(目標値17)をどうぞ。

 

4 探索

 

大柄な熊と肉食獣を倒すと、森を出て草原に出る。グレゴールが言う。

 

グレゴール「このあたりじゃな。薬草があるのは。探してみようかの」

 

右、左の2カ所に草むらが、奥に池がある。

 

探索マップ:茂み、池、現在地

 

右→「4-1 右の茂み」

左→「4-2 左の茂み」

奥→「4-3 池」

 

4-1 右の茂み

 

○GM向け記載事項

探索(目標値10/14)が可能です。全体で、以下の本数の薬草を見つけることができます。

10以上:薬草を「1d」本、見つけることができた

14以上:薬草を「2d」本、見つけることができた

 

クリスが何かを見つけてきた。

 

クリス「誰かの手帳、ですか?ブルライト語ですね」

 

中を開くと、半年前までの予定が書かれている。

 

○GM向け記載事項

誰も読むことができない場合は、ギルドで内容を知ることができます。

また、異常感知判定(目標値10、非自然環境)を行います。

成功:手帳に血痕がついていることに気付く

以下は、描写の一例です。

 

グレゴール「わしが落としたものじゃ、拾ってくれたのか」

 

以前ここまで来たのかと尋ねると、彼は答える。

 

グレゴール「そうじゃ。…じゃが、危ないと思って、引き返したのじゃ」

 

血痕について尋ねると、異常感知判定(目標値10、非自然環境)を行います。

成功:一瞬、彼が目を逸らすような素振りを見せた気がする

異常感知判定に成功すると、彼の発言の真偽について、真偽判定(目標値14)が可能です。

成功:彼が何かを隠していると感じる

真偽判定に成功すると、見識判定(目標値10)が可能です。

成功:人族を殺して本人になり代わる魔物の存在を思い出す

神聖魔法【バニッシュ】の行使を含む、敵対的な行動を取ると、戦闘となります。

敵対的な行動を取らなければ、戦闘になることはありません。

 

4-2 左の茂み

 

○GM向け記載事項

探索(目標値10/14)が可能です。全体で、以下のアイテムを見つけることができます。

10以上:魔香草を「1d」本、見つけることができた

14以上:魔香草を「2d」本、見つけることができた

 

4-3 池

 

草むらを分け入って進むと、池がある。また、陸地には、古びた宝箱がある。

 

○GM向け記載事項

宝箱について、開ける人を決めます。

宝箱に対して、探索判定(目標値14)を行うことができます。

成功:施錠はされていないが、なんらかの危険があることに気付く

開ける場合は、危険感知判定(目標値14)を行います。

成功:鍵が壊れて顔をめがけて破片が飛んできたが、間一髪で避けることができた。

失敗:突然、鍵が壊れ、あなたの顔に直撃する。「2d」点の確定ダメージを受ける。

探索判定に成功していれば、危険感知判定に+4のボーナス修正を得ます。

ひらめき眼鏡(→「Ⅰ」337頁、売却価格2000G)を獲得します。

水中で自在に活動できるキャラクターは、池の中で探索が可能です。

上記に該当しないキャラクターは、水中で行動に制限(→「Ⅱ」87頁)を受けます。

水没状態は「全身」です。このとき、行動判定に「-4」のペナルティ修正を受けます。

探索(目標値10/14)が可能です。全体で、以下のアイテムを見つけることができます。

10以上:魔晶石(5点)を1個、見つけることができた

14以上:魔晶石(5点)を2個、見つけることができた

 

4-4 正体看破

 

○GM向け記載事項

グレゴールに対して敵対的な行動を取ると、即座に戦闘を開始します。

蛮族ではないかと問い詰めるだけでは、戦闘は発生しません。以下は、描写の一例です。

 

あなた達は確信する。グレゴール本人ではなく、彼の心臓を食らった蛮族であることを。

 

鞘から剣を抜き、戦う意思を示すと、彼は低い声で呟く。

 

オーガ「仕方ないのう」

オーガ「戦うつもりは、なかったが」

 

研究者に化けていたオーガは、身長3mを超える筋骨隆々とした姿(→「Ⅱ」372頁)へ変化する。

 

オーガ(→「Ⅱ」377頁)

知名度12、弱点15

※〈剣のかけら〉を7個追加する

 

では、戦闘準備をどうぞ。

魔物知識判定(12/15)をどうぞ。

先制判定(目標値14)をどうぞ。

 

○GM向け記載事項

本来、野生動物に襲われた後で追い剥ぎするため、冒険者を雇っていました。

また、計画が失敗しても、彼も薬草を集めていて、赤字にならないはずでした。

群生地に着いて探索してから撃破すると、オーガは薬草12本を所持しています。

オーガを撃破した場合も、依頼は成功です。

 

オーガを撃破すると、手元には亡くなった研究者の手帳が残されている。

 

手帳には、家族の元に帰る予定が書き込まれていた。しかし、オーガの犠牲になった彼が戻ることはなかった。

 

○GM向け記載事項

エンディングまでに「手記を家族の元に届けよう」と発言したプレイヤーがいれば、遺族から感謝の手紙が届きます。このとき、報酬に500Gが追加されます。

 

5 終章

 

研究棟を後にすると、クリスがついて来る。話があるようだ。

 

クリス「研究者、向いていないみたいです。座学、苦手だし」

 

彼は、何かから解放されたような表情をしている。

 

クリス「これを機に、冒険者に戻ろうと思います」

 

彼は続ける。その眼差しには、信頼が宿っている。

 

クリス「また、一緒に依頼を受ける時があったら、よろしくお願いします」

 

1日かけて、導きの港ハーヴェスに戻ってきた。マスターが出迎えてくれる。

 

○GM向け記載事項

希少種の薬草を、1本500Gで買い取ってもらうことができます。

このシナリオは、展開によってエンディングが異なります。進行を記します。

オーガを撃破→「5-1 看破」

オーガを護衛→「5-2 護衛」

 

5-1 看破

 

○GM向け記載事項

マスターに報告する様子について、ロールプレイを行います。

 

冒険者ギルドに護衛を依頼した植物学者の正体は、その人物に成り代わったオーガだった。

 

マスターは驚きつつも、納得したような顔をしている。

 

マスター「確かに…最初から、おかしいと思うべきだったのかもな」

マスター「半年も、家族の元に戻っていなかったんだろう?」

マスター「穢れの多い蛮族が成り代わっていれば、守りの剣の影響を受けてしまう」

マスター「そもそも、帰れなかったんだ」

マスター「家族には、亡くなったことが伝わっているだろう」

 

最後にクリスが言う。

 

クリス「もし、万が一のことがあったら…」

クリス「故郷の家族に何を伝えるか、考えておくべきですね」

 

○報酬

500G(基礎)+500G(条件:手帳を遺族の元に届けている)

1200経験点

1成長

〈剣のかけら〉7個

 

5-2 護衛

 

あなた達は、ギルドに戻ってマスターに報告する。

 

希少種の薬草を1本500Gで買い取ってもらった。クリスが呟く。

 

クリス「思うことがあるんですけど」

 

もう研究者ではないから、と付け加えると彼は続ける。

 

クリス「グレゴールさん、どこか怪しいような。気のせいですか?」

 

だが、あなた達は研究者について疑問に思うことはなかった。

 

そうして依頼を待ち望みながら、再び休暇を迎えるのだった。

 

○報酬

500G

1200経験点

1成長

 

○記載事項

本シナリオは、シナリオ「研究者の手記」の改訂版です。

第2回前半「研究者の手記」(ソード・ワールド2.5TRPGキャンペーン卓) | TRPG(ソード・ワールド2.5中心)シナリオまとめ

 

○次回

(未定)