ライブとして良かったのはThe Strypes
面白かったのはMALA IN CUBA Live!
とは言っても、そこは朝霧JAM。生活の中に音楽を、という感じで全てのライブを観られているわけではなかったので悪しからず!
The Strypesに関しては、ライブの最中に自分自身が少し距離を取って彼らを観ていることに気がついた。
カバーの多かったEP、そこから初めての来日公演の時には期待と興奮を持って、ファーストアルバムリリース時には「どれどれ、オリジナル曲はどんなかな」と来日時より少し冷静さを帯びて、今回の来日は周囲の熱狂も意識しながら。(メディアにもバンバン出てましたしね)
そんな距離感で観た彼らのステージも素晴らしかった。
前回のライブからたった半年で、表現力とギターの演奏力、安定感も増して、若さ故の勢いを超えた光るものがあった。
「Mystery man」から始まって、「She's So Fine」など、オリジナルとカバー曲をミックスさせながらどんどん熱を上げて行く。
すごい、すごいぞ。10代とは思えない渋さと、10代の男の子らしい眩しさ、真っ直ぐさ。以前より増したスター性でお客さんを釘付けにしていた。
寒さの中で音楽に乗って身体を動かす中で、ふと気づいた。
私が心動かされる曲は、ほとんどがストライプス仕様になったカバー曲だった。You Can't Judge a Book by the CoverやRollin' and Tumblin'など。周りにいた外国人の皆さんを観察しても、同じようだった。(私はなぜか外国人のお客さんで囲まれていた)
演奏に彼らのエッセンスが加えられているけれど、なんだろう、この「カバー曲を完璧に披露する若者バンドを観て盛り上がっている」感覚。
もしかしたら、冒頭に書いた少し距離を置いた冷静さはここから来ているのかもしれない。
誰もが知っている曲で、湧く人数が増えるのは当然。
もちろんライブ全体的にお客さんの熱が高かったけれど、日本における彼らの注目のされ方と海外におけるそれと、もしかしたら少し違うのではないか?
つまり、海外ではスタンダードとして広く知られている曲が、もしかしたら日本では(日本の、特に邦楽を好んでよく聴く方も多く来ている朝霧で)カバーではなくて、新しい音楽として聴かれているのでは?
だとしたら、彼らの戦略は成功していることになる。
彼らは初回のインタビュー時、番組の質問に対して
「僕たちが往年のクラシックロックをカバーする理由」を語っていた。
自分たちが演奏することで、もう一度その素晴らしい楽曲に注目してほしい。
最近のインタビューでは「本当にオリジナルな音楽を作るなんて、今の時代は無理!」
なんてことも語ってました。
そういう見方をすると、彼らの「作戦」は日本で遂行しやすいのかもしれない。
その年齢と音楽のギャップという面白さを入り口に、「カバー曲」という先入観なく聴ける人に対しても、単純にかっこいいものとして邦楽好きにも広げやすいように思う。
もっと言えば、どこを入り口にしたらいいのか・・と、とっかかりの難しい(と思われがちな)洋楽を聴くきっかけになるかもしれない。
実際にTwitterなどで見ていると、
「THE BAWDIESみたい!」「THEE MICHELLE GUN ELEPHANTみたいだから、ミッシェル好きなら気に入るはず!」という書き込みも見かけた。
うむ、確かに・・いや、逆って言うか順番って言うか色々違和感もあるけれど。川の本流は同じ、その支流と考えたらその辺りが好きな方にもお薦めしやすいかもね。
バンドはまだ若いのにその啓蒙の姿勢、橋渡しの姿勢は立派だなぁと思う。
カバーが悪いと言いたいわけでは絶対にないですよ。
私自身も、ストライプスから教えてもらった素晴らしい音楽がいくつもあるし。
ただ、彼らのオリジナルももっと聴きたいという純粋な気持ち。
彼らにはもっと「自分たちなりの3コードの可能性」でワクワクさせてほしい。
彼らの、3コードの名曲をもっと聴きたいと思ったの。
3コードに拘るならその中でまた新しい歴史を、と望むのはバンドに期待を寄せすぎ?
The BeatlesやThe Rolling Stonesのような歴史的なバンドに、とそれだけ高く見積もってしまうから、カバー曲でスタートしたバンドが新しい蝶になる姿を見たいと期待してしまう。そんな勝手な想いは迷惑かも、なんて思いながら。
それに付けても彼らのスタートは十分華々しいですよね。
歴史をなぞりながらも、彼ら自身の名前もロックの教科書に刻んでほしいと強く思うライブだった。
彼らにはもっと「自分たちなりの3コードの可能性」でワクワクさせてほしい。
彼らの、3コードの名曲をもっと聴きたいと思ったの。
3コードに拘るならその中でまた新しい歴史を、と望むのはバンドに期待を寄せすぎ?
The BeatlesやThe Rolling Stonesのような歴史的なバンドに、とそれだけ高く見積もってしまうから、カバー曲でスタートしたバンドが新しい蝶になる姿を見たいと期待してしまう。そんな勝手な想いは迷惑かも、なんて思いながら。
それに付けても彼らのスタートは十分華々しいですよね。
歴史をなぞりながらも、彼ら自身の名前もロックの教科書に刻んでほしいと強く思うライブだった。
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とか何とか数日前に書いて保存しておいたんだけど、この数日改めてストライプス聴き直してたら、そんなことどうでも良くなっちゃった笑
そしたらなかなか更新出来なかった!
かっこよければ良いじゃない!
かっこよくリズム&ブルース、ブルースロック鳴らしてくれてたら、それでいっか!
更に言ったらジャンルももう何だっていっか!
なんてことも思う。
この若い時のキラキラを見守れるのは今です。存分に味わっておきましょう。
同じ時代を生きる私たちが、孫たちに自慢出来るように!
これからのロックシーンがストライプス以前、ストライプス後で語られる日を夢見て!
そんでもって、 MALA IN CUBA では面白いものを見せてもらった。
マーラはダブステップのオリジネーター。
デジタルミスティックというユニットの人です。
James Blakeも彼の曲をライブでカバーをしたりしてます。
そのマーラがキューバの音楽に興味を持ち、今回はMALA IN CUBA LIVE!となった訳です。
ちょっとイメージしにくいですがダブステップmeetsサルサ、という感じ。
ダブステップって名前が出回り始めた時は、あんなに謎が多かったのに最近ではダブステップの要素が入っていると「あ、ここはダブステップだね」とピンとくるようになり、いち音楽ジャンルとしてすっかり定着したように思います。
そんなダブステップは今までもハードロックと一緒になってみたりダンスミュージックとして色んな料理のされ方をしてきたけど、キューバのルーツミュージックのようなビートものと混ざることはある意味当然な気がした。
ビートを追求して音楽の起源に行き着くって、そりゃそうだよなー。
オーセンティックであり、革新的!
新しいものを耳にしたような。
ライブハウスでもしっかり観たかったなーとちょっと後悔。(実は同じ週にUNITでやってたみたい)
そんな感じで、今年の朝霧JAMでは新しい収穫もあり楽しかったですよ。
ADFも良かったですし。ベス・オートンのアコースティックセットも味わい深かった。ちょこちょこ間違えてましたけどね、そこでチャーミングな人柄も見えたりして。
やっぱりキャンプ生活も肌に合うようです(二日程度だから言えることよね笑)
さて、長くなっちゃいました。
更新を迷っていたのはルー・リードの訃報もあったためです。
先に気持ちを書くべきか、と。
私の中でルー・リードは何にも例えられない人物です。
ルー・リードのような人は他にいないし、これからも出てこないと思う。
インタビューを読んだりして、変わった人だという話も入ってきて私の中でルー・リードという想像が膨らんでいました。
それはやはり人間的で、才能溢れる天才だからでしょう。
それだけエピソードがあるということ。
残念ながら、私はお会いすることは出来ませんでした。
それに私自身が未熟過ぎて、もしご健在でもまだ自ら進んで「インタビューしたいです」なんて言えない。(チャンスがあったわけではありませんが)
全てを見透かされそうだから。
そういう人物に、会いたい!話したい!と思えるくらいになろうと、目標にしてきた部分もあります。
その中でルー・リードが亡くなったことはショックでした。
また私が会えない人が出てしまった。
バンドやソロでルー・リードが貫いてきたクールなロックンロール精神を、私もずっと伝えて行けるように頑張らなくては。
改めて、ご冥福をお祈りいたします。
明日のDIGの放送でもルー・リードの音楽を皆で聴こうと思います。
是非、ご一緒に。
DIG THE ROCKSはBayFMで金曜日の深夜三時からです。