映画「ふがいない僕は空を見た」
やっと観られました。
原作が好きで、単行本が出た時にあっという間に読み終えました。
その原作の手触りが残っている映画で、心底観て良かった。
田畑智子さんと永山絢斗さんというキャスティングもしっくり。
生や性の描写がそれはもうあけすけで(ちなみにR-18です) 人間の汚い部分もたくさん見えますが、映画が進むうちに私の心にピュアなものが満たされつつあるのに気付いて、途中から泣くつもりなんてないのに溢れてました。
最近の私は、自分で話をややこしくして考えた気になっていた。
物語の始めはいつだって真っ直ぐなのにね。
劇中に何度か、黒バックに白文字で音声の無い「心の声」が映し出されるのですが、そのある一文が喉に刺さった魚の骨みたいに引っかかって痛みになっています。
あの一言を、私も素直に言えたらよかったのかな。
小骨はドーナツを食べたって取れませんでした。
そんなヒリヒリした中にも、大切なものは少し見えたりして
母は、私の幸せを願ってくれているのだろうって。
重なってみえました。色んなお母さんの姿。
ああ、幸せにならなくちゃ。
私の大切な場面は、いつだってドーナツと一緒です。
昔から必ず食べるこれ。
母が、藤沢のイトーヨーカ堂の隣のドーナツやさんに連れて行ってくれたのを思い出す。
店内がやけに古いんだよな。
5、60年代のアメリカのダイナーみたいだった。
トイレの扉が開くたびにギシギシいうの。
まだあるのかなー、あそこ。