点滴と尿管、リンパ液の管がたくさん繋がっていて、寝返りも出来ず、傷の痛みよりも、腰が痛くて痛くて、ほとんど眠れなかった。

早朝、6時に、看護師さんが病室に来て、ちょうど点滴が終わったので、尿管も外してくれて、T字帯からおパンツに、そして手術着からパジャマに着替えて、動けるようにしてくれた。

そして、お水を飲んだ。喉も渇いていたし、美味しかった~。


胸は、鉄板がはさまったような重い重い感じだけど、あまり痛みはなく、リンパ液が繋がっているところの方が痛かった。

夜中も、看護師さんは、何度かリンパの廃液を計りに来た。

こんなに、身体から、廃液って出るんだと改めてびっくり。

この廃液が少なくなってきたら、この管も外れるのだと言うが、これにはまだまだかかりそう。。

トイレまでも数歩だけど歩いてみた。

人間の回復力ってすごい。もう歩けるんだ・・・。

トイレに行くと、やっぱり緑色のおしっこだ。自分で確認して、またびっくり。


担当医が病室にいらっしゃった。

先生、いつ休んでいるんだろう・・・と思うほど、いつも病院にいらっしゃる。

また、夕方きますね~と言って、去って行った。


親友Tは、お昼近くまで居てくれた。

きっとTも疲れたと思うよ・・・。ゆっくり家で休めます様にと願って、病室から送った。


この日は、またイケメン麻酔科医がやってきて、麻酔について改めて説明をしてくれ、経過を見に来てくれた。

お陰様で、麻酔から覚めても、全然気持ち悪くなく、快調でした~とお礼を言った。

昔から、メガネに弱い私。しかも、黒ぶち。

年は、えーーっと20歳近く下かもしれない(笑)

あっ、でも私の友人には、13歳年下君と結婚した女性もいるけど、この話題になると、親友Tと毒舌談義になってしまうんだった。

娘の彼氏にどう?いや、娘のタイプとは違う、違う、、などと、考えているんだから、病院も結構楽しい(笑)


会社の後輩も来てくれ、私が歩いていたから、びっくりしていた。

手術翌日とは思えない自分だった。












手術は、朝8時半からだったため、朝は5時過ぎには起き、シャワーを浴びて、準備していた。

右胸ともこれで、さよならなんだ・・・とちょっと感慨深くなったり。

娘は、哺乳瓶のゴムが嫌いで、母乳しか飲まなかった。

特に右胸は、おっぱいがいっぱい出たからね、ありがとうね・・.


部屋に居ると、親友Tとその娘ちゃんが来てくれた。

Tは結婚が早かったから、娘はもう来年成人式。

美人母子で、看護師さんには、お二人ともお子さんですか?と言われた私・・・。

それは、ないない(笑)


父と会社の役員が来てくれた。

母は、娘が学校を早退してくるので、娘と一緒に後でやってくるということになっていた。


わいわいと病室で話をしていたら、担当医が顔を出して下さり、

「では、手術室で待ってますね。」と言って下さった。


父は先生が若い女医さんなのに、執刀されることに驚いていた。

先生はタフなのだ・・。


昨日、説明を受けた、靴下(血栓症防止のためのサージカルストッキング)をはき、準備OK。

ストレッチに乗って、手術室へ。

皆から、頑張れの言葉を浴びながら。。「行ってきます~~。」


エレベーターで手術室に向かうと、そこには昨日の、イケメン麻酔科医がスタンバイしていて、

私の顔を見て、

「吐き気の少ないガスではない麻酔でやりますから安心して下さい。」と言った。

「ありがとうございます。」さすが、イケメン。


担当の先生がいらっしゃった。

なんだか、いつもの外来で会うのとは違って、かっこいい。

色々と管がつけられ、準備している間に、私がキョロキョロしていると、

「緊張してます? 大丈夫!!」

と言って、手を握ってくれた。

うううれしい~~~。すごい安心感。とても年下とは思えない。

すごいな。。。医師って。

イケメン麻酔科医、なんだか、あたふたしていて、看護師さんに怒られているところも、しっかりと目撃。

麻酔が効いてくるまで、先生と話をした。

先生「いっぱい、朝、来てくれていて良かったですね。」

私「はい。でも、娘は学校に行きたいから早退してくるそうです。中学に入ったら、勉強も頑張っていて、中間テストも、良かったみたいで、475点くらいだったそうです。」

先生「すごい!優秀!」

私「理科が嫌いみたいで。理科だけ出来なかったみたい。」

先生「じゃあ、そのマイナス点のほとんどは理科なんだ。(笑)」


そんな話をしながら、意識はなくなっていた。


そして、名前を呼ばれ「終わりましたよ。わかりますか?」と看護師さんが叫んでいた。

先生の顔が見えて、

「無事に終わりました。リンパは転移なかったから、リンパはそのままだから。お父さんがいないようなので、お友達に説明してきますね。」


父は、手術室の待合室にはおらず、親友Tが居てくれた。

手術前から、説明は聞いてほしいとお願いしてあった。


意識が戻ると、胸が痛い、痛い、痛い。。

看護師さんに、痛みはどれくらい?1から10で表すと?と言われ、

わからないけど、すごく痛いです、と言うと、お薬をすぐに入れますからね、と言ってくれた。

そして、寒くて、歯ががたがたしていたら、電気毛布を入れますからと言ってくれた。


病室に戻ると、母と、娘も到着していた。

みんなから大丈夫?と聞かれて、最初に出た言葉は、

「痛い。」だった。

なんだか、口がうまくしゃべれないんだよ~。

娘の顔を見るのが怖くて、心配しているんじゃないかと思って。

親友Tが、先生から、リンパは大丈夫だって。娘に預けた手紙を渡したよ言ってくれた。


この時の私は、顔が真っ白で、相当やばい感じだったらしく、娘もちょっと驚いた様だった。

でも、なんとか笑っていると、

私のベットの下にある緑色の袋を親友Tが見つけ、看護師さんに聞いていた。

そうそう、センチネルリンパ節生検をするために、緑色の液体を注射したのが、尿管から出ていたのだ。

そうだよね。おしっこが緑色って、驚くよね。


みんな、リンパへの転移がなかったから、とても喜んでいた。

心配していたので、本当に良かった。


みんな帰り、親友Tがもう一度夜来てくれることになった。

大丈夫だから、来なくていいって言ったのに。。有難い・・・。


母は、娘のお世話と、家に留守番している猫二匹で手いっぱいなのだ。


娘とは、大丈夫。この言葉しか交わさなかった。

ちゃんと言えなかったけど、手紙で、きっと気持ちは伝わると思った。


夕方、先生が来てくれて、

センチネルリンパ節は2本とって、二本とも陰性だったと教えてくれた。

先生、とてもタフで、私の手術の後に、もう一つ手術したんだって。


私だけで、5時間半はかかったのに、すごいな・・・。


夜遅く、親友Tが来てくれた。

色々な話をして、変な修学旅行みたいだった(笑)

熱が出た私に、氷で冷やしてくれたり、笑わしてくれたり、本当に感謝だ・・。

ありがとうね。


そして、天国のもう一人の娘と、じーちゃん、ばーちゃん、守ってくれてありがとう。

見守ってくれた家族と、応援してくれたみんなに、ありがとう。








入院二日目 

明日の手術中センチネルリンパ節生検の為の、胸への注射があった。

朝から画像センターへ行き、放射線同位元素と色素を併用した物質を注射する。

以前、乳がんの手術は、腋の下の全てのリンパ節の郭清を行っていたが、手術中に腫瘍から真っ先に転移するであろうセンチネルリンパ節のみを見つけ出し、切除する方法である。

この胸への注射が、とても痛くて朝から驚いた。


この日は部屋に戻ると、薬剤師さん、麻酔科医、手術室の担当看護士さんなどが、次々と説明にいらっしゃった。

麻酔科医は、若くてメガネのイケメン先生で、特に質問事項が多く、詳しく聞いていかれた。

出産時に緊急帝王切開で、全身麻酔を経験した際に、吐いたことを話し、気持ちが悪くなるのは嫌だと言うと、

なるべく気持ちの悪くならないような方法を考えてみますと言って下さった。

夕方、外来の診察を終えた、担当医も来て下さり、とても心強かった。


この日も、特別緊張することもなく、娘のお友達ママから頂いた、「アメトーク」のDVDを見て笑って、そして娘のバレエの先生の金平糖の踊りを見て勇気をもらった。

そして、心配してもらった友人へメールをし、娘に手紙を書いておいた。

ママは、手術で右胸を全部とることになるけれど、治るためのことだから、心配しないでと。

そして、これまで出来ていたことが、しばらくは出来なくなるかもしれないから、その時は手伝ってね、と書いた。


手術前日は、睡眠剤が処方されるが、私は薬なしで、ぐっすり眠れ、不思議なほど、リラックスしていた。










2010年5月26日 

中間テストが終わった為、学校が早く終わった娘と両親に付き添ってもらい、入院。

個室にして良かった。。。レディ‐スルームのオーシャンビュー。

海を見ているだけでも、気分がとても良い。

この設備で、12600円は高くない。都内ならば、倍以上はすると思う。

まず、バス、トイレ付、シャワー室には、アメニティグッズが用意され、ドライヤーもついている。

TVでインターネットも出来るし、食事の選択が可能。

最上階のレストランへのオーダーもでき、病室まで届けてくれる。

生活必需品もこのTVでオーダー出来る。すごい。

病室のソファーも、付き添いしてくれる人の為にベッドになるし、個室のタワーは、24時間面会がOKなのだ。

病院に居る気がしなくて、ホテルに泊まる感じ。

今まで、本当に忙しかった自分へのご褒美だな・・・。

手術前なのに、そんな気分にもなれた。


娘は、「ママ、この部屋いいなあ。」と言いながら、バレエのレッスンがあるからと、早々に両親と一緒に帰って行った。

娘の超前向きで、あっけらかんとしている性格に、私は随分救われている。


その日は、担当(外来と一緒)の先生からのお話があり、手術の方法が説明された。

夕方、病室にやってきた先生。

手術が長引いたらしく、手術着のままいらっしゃった。

再度、右胸全摘出の確認と、当日までのスケジュール確認。

先生が執刀して下さる。

若いのに、本当にすごいな。。。


夜は、娘から借りてきたDVDプレイヤーを持ち込み、購入していたが、見る機会を逃していた、「This is IT」を見た。

マイケルが初来日の時に、ライブに行った私、数十年経っても、かっこ良く踊れるマイケルに感動した。

そんな入院一日目だった。



手術予定日まで、1週間となり、病院の診察の予約が入っていた。

はっきり手術するとは決意できずにいた私。

その日も親友のTちゃんがついてきてくれて、先生に一緒に話をしてくれた。

先生に、セカンドオピニオンの結果を報告し、別の治療方法と迷っていると正直に告げると、先生は嫌な顔もせずに、本人が納得できる治療が一番なので、先進医療などの希望があれば、そちらを探してみるし、紹介状もすぐに書いて下さるとおっしゃった。

患者の意見に耳を傾けて下さる、とても良い先生。

若い女医さんだけど、とても信頼できると思い、この先生ならば任せられると思った。

仕事もそうだけど、全ての基本は信頼関係。

娘の面倒を見てくれる両親の同意も得られず、やはり、この病院で手術しようと決めた。


そして、数か月前、ガンだとわかる前に、色々悩んでいたことで、友人の紹介で一度訪れた易学の先生にも、手術の日が私にとって、とても良い日であると告げられ、怖いものはなくなった。


あとは、翌週の入院の準備を整えるだけ。

娘は、中学入学して初めての中間テストが始まり、頑張っている。

ママも、頑張るね。