いやあ。なんでまたエリックジョンソンモデルなんでしょうね。それと、シンクロナイズドトレモロのセットアップですね。今回のネタは。


エリックジョンソンモデル(以下EJ)にしたのは、以下のスペックやサウンド志向にマッチしていたからです。


・ルックスは古いストラトキャスターであること。「キャスター」がつくか、だね。


・フェンダーUSAまたは同社のカスタムショップ製


・ローズ指板


・フレットは太め大きめ


・Rはフラットぎみ


・ピックアップはハイゲインではないが、枯れ枯れビンテージでないこと


・6点止めのシンクロナイズドトレモロ


・アルダーボディ


・リアピックアップのトーンは効いて欲しい





まあ、こんなところ。これね、フェンダーUSAのレギュラーラインなんですね。カスタムショップじゃないんです。後年にマスタービルダーものが出たみたいだけど、これ買ったのが多分2007?か2008くらい、丁度ローズ指板バージョンが出た直後ですね。友人の塩谷通販で買いました。値上げ直後で買値28万くらいかな。高いね。今もたまーに日本に入ってくるみたいだけど、20万くらいですね。むしろ今の方がお買い得かもしれない。僕が買った当時では、想像だけど、レギュラーラインでは最も高いのではないかな。理由はきっとネックにある。


柾目取りしているんよね。乱暴な言い方すると、ネックに限らずギターに限らず、木材はカット方法が二通りあってだな、柾目取りと板目取りがある。板目取りは木の木目(年輪)に反ってバウムクーヘンを剥く的なカットをするが、柾目取りは木目に垂直にカットするわけだな。当然板目のほうがムダなく木取りが出来る。柾目のほうが端材が多く出る。無駄が多い=コストがかかるってわけ。でも、柾目のほうが強度的には有利といわれていて、建築の世界ではけっこうな差が出るらしい。楽器に至っては、正直あんま関係ないのでは?とも想う。どうなんでしょう。まあ、わしの個体のネックは狂い出てないね。 それと、なぜかバインディングしてある。個人的には不要だし、フレット打ち替えのときにアップチャージつくんだよなあ、あーあと想ったんだが、塩谷の言う「人とは違うのが好きな吉田なんだったら気にしねーだろ」と言われ、素直に従う?ことにした。今になってみると別にいっかぁ、てなもんだ。 あとは、アーティストモデルってことで、気恥ずかしいのではないか、ということもあるんだが、エリックさんよく分かってて、後で写真見せるけど、ネックプレートにチコっとEJと刻印されているだけだから、よほどのマニアでない限りはEJとは気づかれないだろう。気づかれても、こういうギターだからね。エリック好きで買ったんだろ?とはあまり想われないでしょう。気づける人にはね。


で、スペックはもう上記の希望を完全に満たしている。特に、リアピックアップにもトーンが効く仕様というのは大きい。ストラトを弾いたことのある人なら分かると想うけど、元祖ストラトのリアはトーン回路が通ってない。だから、リアだけジャックまで直結だ。まあダイレクト感が強いといえば聞こえはいいが、その実アタッキーすぎて使いづらいというのが本音。トーン回路をカマせば、トーン10でもトーンポット及びコンデンサーにも通電されるわけで、そこでアタックは幾分薄れ、使いやすい音になるのだね。昔から「ストラトのリアトーン改造」というのはポピュラーだった。だから、EJを発見するまでは購入後に自分で改造せねば、と想ってた。その手間もなし。 あとは、ピックアップはエリック特注品で、これがナイスですね。店でヴィンストのシンラッカーと引き比べたんだけど、正直ヴィンストの出来が想像以上であったけど、結局のところヴィンテージすぎてペケペケなんよね。ハムバッカーのヴィンテージはまあ、セッティング次第で何とかなる場合多いけど、シングルコイルのヴィンテージは本当に枯れてるから、アンプでもペダルでもゲインアップは困難だと想う。出来ても、ノイズやフィードバックを考えるとしんどいだろう。でも、エリックさんはそこもよく分かってて、ちゃんと歪む。加えて、僕の耳にはハーモニクスが強く出るように感じた。後に塩谷のジェフベックモデルも弾いたけど、やっぱりEJの方が倍音強かった。これも決め手のひとつ。


生音は(アンプ通さない音)、個人的にはどうでもよい。アンプ使って音出すエレキギターに、なんでアンプ通さない音を重視するんだろう?アンプ通したクリーンサウンドは重要だとは想うし、クリーンこそがファイナルアンサーの決め手になるんだけどね。アンプなしの音?でもまあ、25.5スケール、いわゆるロングスケールのギターは総じて(ここでいう)生音は大きい。当然だ、弦長が長いからね。んで?生音が大きいからってアンプ通した音がデカイとは限らないよ。ピックアップが音を拾うんだから、生音サウンドがそのままアンプサウンドにはならないよ?昔から生音を強調する人が多いけど、理解に苦しむ・・・


ネック関係はね、太めのグリップですね。僕は手が大きいから、どんなに太くても大丈夫。これは親に感謝するしかない。問題はフレット形状とRだ。フレット形状はね、EJにはミディアムジャンボが打ってある。幅広、背高のもの。でもミディアムだからホドホドにデカめ。フレットは金属部品であって弦に直接触れる部分だから、その選択はサウンドを左右する。フレットがデカくなるほど倍音成分が強く、ハイ上がりになると想う。フレットが小さくなるほど、実音成分が強く、ローやミッドが強くなるように感じる。さらに重要なのは、フレット形状によってプレイアビリティも大きく異なってくる。デカくなるほど運指がラクになるしピッチ感も綺麗に出る反面、スライドする時、ポジション移動の時に指が引っかかる。小さくなるほど運指がキツくなり、粒立ちを綺麗に揃えるのも難しくなってくるが、反面、スライドやポジ移動の時スムースになる。どっちがいいかは自分が決めること。だから、一生悩み続けるポイントのひとつでしょう。時期によってやりたいプレイは変わるからね。


ペグはシャーラーあたりのロックペグとか便利かな~と想ってたんだけど、EJのペグはゴトーのものだけど、これが秀逸だった。いや、フェンダーUSAレギュラーラインには相当前から採用されていたらしいけど、ペグのポストの高さ及び弦穴の大きさが、三種類に分かれているのだね。65弦・43弦・21弦それぞれ大きさが異なる。こうすることで、ナットからペグまでのテンションを適正化しているのだね。結果として、ストリングテンショナーと呼ばれるナットとペグの間のテンション稼ぐつっかえ棒のような部品が不要になっている。さらに、EJのヘッドは普通のストラトのそれよりもちょっとだけ小さめに作られている。要するに、エリックさんはヘッドの大きさまでフェンダーに注文つけたんだね。そしてペグの選定・・EJサウンドの鍵を握る要素の一つに違いない。ということで、ロックペグは不要です。 ローズ指板は、単純にメイプル指板のストラトはサウンドが硬いような気がして苦手、ってことです。


中を開けてみてビックリでした。配線材、コンデンサも交換する必要なさそうです。20AWGくらいのクロスワイヤーと大きめのセラミックコンデンサですね。コンデンサをCRLとかダイレクトロンあたりのビンテージ品に交換するのはアリと想うけど、そもそもこのギターがモダンビンテージストラトだから、あえてこのままでいい気がします。


というわけで、無改造でパーフェクトでした。後に改造費用が不要であることを考えると、28万という値段は安いですね。始めはレリック加工してないカスタムショップ新品とか買ってゲインアップ改造ってことも考えてたんだけどね。したらあと15万は上乗せになってましたね。Rきついし。


塗装はラッカーのようですね。ここも個人的にはポリでもええです。厚塗りしてなければ。というのは、アコギになるけど、ラリビーがUV塗装(ポリだったな)なんだけど、これが薄くて色やけしなくてヨイのです。ボディ保護と色味の維持、サウンドを殺さない程度の厚みの塗装膜、ってことがクリアできていればラッカーでなくてもいいと想ってます。ただ、ラッカーの甘い匂いは大好きです。


ストラトとは?という話題は、また長くなってしまうから次回に。









のあ~のマニアな防忘ログ-柾目


のあ~のマニアな防忘ログ-指板R
のあ~のマニアな防忘ログ-内蔵
のあ~のマニアな防忘ログ-PU
のあ~のマニアな防忘ログ-ペグ



のあ~のマニアな防忘ログ-柾目