昨日、国立競技場 代々木体育館に浜田省吾のコンサートを観に行ってきました。
ヤフーオークションで多少プレミアは付きましたが、意外にあっさりチケットを入手出来たので
「さすがのハマショーもそろそろ落ち目か?」とか思っていたらトンデモナーイ!
チケットを入手出来たのは奇跡的な偶然だと後で知りました。

原宿駅からコンサート会場である代々木体育館まで長蛇の列。普段なら徒歩5分もかからない距
離を人にもみくちゃにされながら約30分かかって辿り着きました。

3階席まで立錐の余地も無く超満員のスタンドはコンサートが始まると何と1曲目から全員総立
ち!1万人の地鳴りのような歓声が続く中、周りを見渡すとほとんどがおじさん、おばさん!

「この団塊の世代のパワーがあったらからこそ、戦後の日本の急速な復興があっんだろう。今の
草食系の若い人たちに日本を託して大丈夫かな?」

と妙な感心と心配をしたのもつかの間、私もこの大きなうねりと同化して上質の映画を見るよう
な浜田省吾の独特なロマン溢れる楽曲に、それを聞いていた青春時代の甘酸っぱい記憶を重ね合
わせ、感涙にむせびなら聞き入りました。

それにしてもメディアを一切利用せず、レコード制作とコンサート活動のみでトップシーンに登
りつめ、デビューから35年経った現在も絶大な人気を維持し続けている浜田省吾は稀有な、
特異な存在です。

マスコミ出演を一切せず、たたき上げの実力だけで不遇の時代から這い上がってきた彼の曲の
「ホンモノの凄味」が多くの人の胸を打つのでしょう。

ところでコンサート会場入り口にようやく辿り着いたとき、懐かしい声が聞こえてきました。
低くよく通るダミ声で「チケットあるよ~」「ハマショーあるよ~」いわゆる「ダフ屋」です。

この時私の脳裏には浜田省吾のコンサートと人気の無かった時代のプロ野球、パリーグの試合が
一瞬重なりました。

もう時効だと思いますのでカミングアウトしますが若い頃よく「ダフ屋」に世話になりました。

当時、近鉄バッファローズの熱狂的なファンだった私は、近鉄が関東地区で試合を行うときは余
程の事が無い限り、必ず球場に足を運んでいました。

浜田省吾のコンサートと違い近鉄の試合はいつもガラガラ。特に川崎球場のロッテ対近鉄戦など
は観客数を目視で数えられる程閑散としていました。

翌日の新聞には一応 観衆3000人とかサバ読んで記載されていますが、どう見ても100人程度しか
観客がいない試合が数多くありました。

そんな試合にどうして「ダフ屋」がいるのか?不思議に思われるでしょうが、「ダフ屋」はチケ
ットを高く売るだけではなく実は逆に定価より安く売ることもあるのです。

例えば窓口で買うと¥2,000のチケットがダフ屋から買うと¥1,500だったりします。但し、ダフ
屋のチケットは新聞社や後援会等がバラまく「無料招待券」です。ダフ屋にとってはタダで仕入
れたチケットが¥1,500で売れ、客にとっては定価よりも安く買えるということで利害が一致する
のです。

若く貧しかった私は、球場に着くとまずダフ屋の「ワリビキあるよ~」という声を探しました。

それでも数年に1試合くらい、優勝がかかった天下分け目の大一番となるといかに近鉄の試合と
いえども満員になることもありました。

そんな時ダフ屋は当然、今度はチケットを高く売るんですが「おお~!今日は定価より高い!
近鉄も全国区になったもんだ!」と妙に嬉しくなったのを思い出します。

そんな誰からも注目されないパリーグでは、アマチュア時代の実績など全く関係なく、頼れるの
は自分のウデひとつ。

巨人軍に鳴り物入りで入団した選手の多くは2軍にいるだけでもスター扱いされ、本人も勘違い
してせっかくの才能を散らしてゆきます。

 近年、一昨年の新人王松本外野手や貴重なリリーフ左腕山口投手など巨人にも生え抜きの若手
成長株が出てきましたが、いずれもアマ時代は全く無名。しかも給料はサラリーマンより安い育
成選手上がりです。

多くの有名選手を押しのけ、彼らが這い上がって来れたのは人一倍のハングリー精神の賜物では
ないでしょうか!?
また、無名であるからこそ周りに干渉されず、野球に打ち込めたのが良かったのかも知れません


松本外野手や山口投手は巨人にいながらパリーグの選手と同じような境遇だったのが彼らにとっ
て幸いしたのだと思います。

このあたりにパリーグがセリーグよりも強くなるポイントが隠されていると思います。


つまりパリーグは例えアマチュア時代大スターだったとしても、入団すればただの一選手。
2軍に落ちようものならどんな大スターでも早々に忘れ去られます。
西武に入団した菊池雄星をみると良くわかります。

 巨人や阪神、中日といったセリーグの人気球団では例え2軍であっても追っかけの女性ファン
も数多く、またいわゆる「タニマチ」と呼ばれる後援者も存在します。20歳そこそこの若者が
カン違いして本業の野球を知らず知らずおろそかにするのも無理もありません。

一方のパリーグはどうか?ずいぶん縮まったとはいえ現在でもセに比べれば不人気のパリーグは
、周囲に干渉されず野球だけに集中出来る環境、言い代えれば20歳そこそこの若者がカン違い
しない環境が整っているのではないでしょうか?

パリーグの一軍で活躍している選手の多くは旺盛なハングリー精神で不遇の境遇から這い上がっ
た、それこそ浜田省吾のように実力でスターダムを獲得した「タタキ上げ」の選手がセよりも多
く存在するのではないでしょうか?

そんなことに思いを馳せながら浜田省吾のコンサート会場を後にしました。