米国公認会計士協会と英国勅許管理会計士協会が「国際公認職業会計士協会(AICPA)」設立発足! | 米国公認会計士(USCPA)のサイド・ファイア

米国公認会計士(USCPA)のサイド・ファイア

資格、キャリア、投資、英語、海外移住、会計、企業、起業、サイド・ファイアなどに関して自分なりの考え方を展開し実践しています。

飼い主様からの独立を夢想する一匹の猫の物語。つまり我輩は考える猫である。

米国公認会計士協会と英国勅許管理会計士協会が「国際公認職業会計士協会(AICPA)」設立発足!

 

タイトルにあるように、2017年、世界の会計士の組織団体にまた一つ革命的な出来事が起こりました。

 

先に、英国本土のスコットランド勅許会計士協会との相互承認に関してお知らせしたばかりですが、スコットランド(エジンバラ)勅許会計士協会創設にて、世界初の会計士制度を生み出した伝統の国、英国の牙城を米国は、完全に切り崩し始めています。

 

それは、米国公認会計士協会(AICPA)英国勅許管理会計士協会(CIMA)が「国際公認職業会計士協会」(Association of International Certified Professional Accountant, AICPA)を新たに設立発足したことです。

 

また、これに伴い、新たな会計資格であるCGMA(Certified Global Management Accountant)が誕生し、CPAと合わせて、世界179か国、650,000人の会員を誇る国際会計士団体として、会員会計士の利便性の向上と公衆の利益を代表するためのサービスを会員に提供し、職業会計士の組織としての目標を達成していくことがその設立趣旨であるそうです。

 

すでに、米国公認会計士はグローバル資格ですが、それを各国との個別相互承認を結ぶだけでなく、具体的な形で変革・進化させ、連携する機関を増大させ、組織を巨大化することによって、その中心核を押さえながら、全地上をその勢力範囲として面を取っていこうとする米国公認会計士協会の取り組みには当に目を見張るものがあります。

 

英国の勅許管理会計士協会(CIMA)の資格は、主に企業内の管理会計に特化して付与される会計士資格ですが、英国のその他の勅許会計士同様に、監査権限もあるそうです。CIMAのウェブサイトを訪問してみると、既に米国公認会計士協会と同じブランドロゴを使用していることが見て取れます。CIMAは世界最大の管理会計士団体であり、2016年の段階で世界に106,095人の会員数を誇っております。

<CIMA is the largest management accounting body in the world with 106,095 members in 2016.>

 

この国際公認職業会計士協会の発足に合わせて創設された新しい管理会計士資格であるCGMAは、これまでの勅許管理会計士(CIMA)の上位資格として位置づけられ、CIMAとUSCPAのライセンスホルダーであることを条件に、実務経験要件を含め、管理会計の豊富な知識と経験が要求され、取得には相当な困難が伴うようです。

 

具体的な、CGMA資格について、今回は触れることはありませんが、このように現在、USCPAの資格の相互承認国をただ単に増やしていくだけでなく、実際に英国及び勅許会計士資格が付与されている旧英連邦諸国等の国際会計士団体を取り込み、融合し或いは、連合することにより、さらに国際社会に於けるUSCPAの会計士資格としてのステータス向上を図る取り組みが加速度的に進められております。

 

一方の日本国の公認会計士協会はどうでしょうか。僅かな国際会計士団体との緩い繋がりのみで、全く広がりを感じないローカル資格のままであり、急速な人口減少により、その存在意義が資格の難易度に反比例する形で小さくなっているように感じます。

 

会計資格に於ける国際的な地位と名声は、米国公認会計士とは比較が難しいほど差が開いております。USCPAは相互承認国や他の国際会計士団体との融合や2011年から日本を含めて始まった世界の多数の国々での受験が可能な点を含め、CGMAなどの新たな国際会計資格の設置などを通じて、本来の意味での会計士の国際統一資格に完全に近づきつつあると言ってよいでしょう。

 

既に、資格として十分な国際的な証明力は得ておりますが、引き続き、更にその権威が一段と強化され、全世界で通用する資格となることは、最早間違いないと思われます。

 

<訂正>上記の記述中のCGMAは、正確には2012年1月に国際公認職業会計士協会の設立に先行して開始された資格であり、英国勅許管理会計士協会と米国公認会計士協会が共同設立した国際公認職業会計士協会は2017年に設立された組織です。お詫びして訂正させて頂きます。失礼いたしました。