本日の新聞に、私の評伝小説『蒼天の星――里見天海評伝』につきまして、新潟県長岡市の河井継之助記念館 館長・中田仁司様より、新潟日報のコラム「新潟の一冊」において、丁寧な書評をお寄せいただきました。
中田館長が顕彰されている「河井継之助」は、戊辰戦争における悲劇の主人公として、司馬遼太郎の小説『峠』をはじめ、NHK大河ドラマ『花神』、近年では役所広司氏主演の映画『峠 最後のサムライ』のモチーフとなった人物です。
そのような歴史的人物を顕彰する記念館の館長という立場の方に、本書を取り上げていただいたことは、著者としてこの上ない光栄であり、感謝するばかりです。
拙小説の主人公である「星見天海」は、明治期の政府の宗教政策によって宗門内に発生した分離騒動に際し、内務大臣・井上馨から仲裁役を命じられ、奇跡とも言える手法によって事態を収束へと導いた人物です。
その任務はきわめて過酷なものであり、
一つ目は、結果の如何を問わず、宗門内いずれかの派から遺恨を受ける「捨身行義」の覚悟が求められる役であったこと。
二つ目は、好悪や是非といった二元論を超える「無私正断」の視座が必要であったこと。
三つ目は、名利を捨て、公のために私を滅する「為公滅私」の精神が求められる役割であったこと。
すなわち、自身にとって何一つ得にも名誉にもならない過酷な役割でした。
主人公はその過酷な役割を果たしたのち、大本山のトップに立つ道を固辞し、郷里の小さな寺院に身を寄せ、静かにその生涯を閉じました。偉業を成しながらも、やがて郷里はもとより宗門からさえも忘れ去られていったこの人物を、一人でも多くの方に知っていただけたなら、作者としてこれに勝る喜びはありません。
中田館長様には、そうした私の思いを的確に汲み取っていただき、歴史的文脈の中で本作を位置づける書評を賜りましたことに、あらためて感謝申し上げたいと思います。また、本書を取り上げてくださった新潟日報編集部様にも、心より御礼申し上げます。
なお、本作は来年、公募小説への応募したいと思っています。歴史の中に埋もれ、忘れられていく人物をこれからも顕彰していきたいと思います。
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