問題の内容は、次の弁護士のうち誰に依頼するかということでした。
A弁護士 20代後半
B弁護士 30代前半
C弁護士 40代半ば
上記A~Cの弁護士のプロフィールは次のとおりでした。弁護士経験年数の順番は、B弁護士>A弁護士>>>>>C弁護士だったのです。
A弁護士
京都大学出身(現役合格) 29歳
21歳 司法試験に一発合格
2年間の研修を受ける
23歳から大阪の名門法律事務所で働く
弁護士経験6年
B弁護士
東京大学、東京大学大学院出身(現役合格) 33歳
24歳 司法試験に一発合格
1年半の研修を受ける。
26歳から四大法律事務所で働き、去年から独立
弁護士経験7年
C弁護士
地方の三流大学卒業(一浪、一留) 45歳
大学卒業後10年間司法試験に落ち続ける
その後、5年間フリーターとして働く
法科大学院制度が始まったことで再度司法試験チャレンジを決意
定員割れの法科大学院に39歳の時に再入学
司法試験に3回目ギリギリで合格
1年の研修を受ける。
弁護士事務所に就職できず、即独立
弁護士経験1年
いかがでしょうか。
詳しくプロフィールを見た後では、ほとんどの人がA弁護士かB弁護士に依頼しようと考えるのではないでしょうか。C弁護士は、司法試験に落ち続けたせいで、年を取っただけの偽ベテラン弁護士だったのです!!!
C弁護士の断定系の口調も、司法試験にようやく受かったプライドの裏返しという印象になってしまいます。
かなり大袈裟な事例ではありますが、実は、似たような事例が散見されます。弁護士は、サービス業であるにもかかわらず特権階級のような振る舞いをする人もおり、これは現代の科挙と呼ばれる司法試験に長年落ち続けた後に、ようやく合格したことで、いわば自分が選ばれた人間であるかのように勘違いする人が多いからです。
当然ですが、司法試験に一発合格した弁護士と、10年かかって司法試験に合格した弁護士では、年齢だけを比べると、後者の弁護士の方が10歳年上であるとしても前者の弁護士の方がはるかに優秀です。
弁護士を選ぶ場合は、弁護士の年齢だけで経験豊富かどうかは判断できません。数年間にわたって司法試験に合格できなかったため年齢だけが高い偽ベテラン弁護士も存在します。そして、中年弁護士層は、司法試験制度の過渡期であったこともあるため、皆さんが思っているよりも非常に高い確率で偽ベテラン弁護士は存在するのです。
次回は、「弁護士アポ」 という弁護士検索サービスを取り上げて、偽ベテラン弁護士に引っかからないようにするためのチェックポイントを解説します!