総量規制の借入制限対象となる場合の対処法の続きです。
なお，予め述べておきますが，対処法としては，昨日書いた債務整理がまず第一であるべきと思っています。
以下は，むしろ問題点の指摘になるかもしれません(^^ゞ
２ 対象となっていない借入れを行う
総量規制の対象は，貸金業者となっており，例えば銀行はその対象となっていません。
このため，銀行は，一応，総量規制に関係なく貸し出すことができます。
そこで，これまでの貸金業者からの借入れと同じ額を銀行から借りて，貸金業者には一括で返済してしまう，という方法が考えられます。
すでに一部の銀行では，この方法による借換えの勧誘が行われており，実際に多くの方がこの方法を試みようとするのではないかと思っています。
しかし，もともと銀行は貸金業業者より審査基準が厳しいので，「総量規制に引っ掛かったので借換えをしたい。」という方にどこまで融資をしてもらえるか疑問です。
また，このいわゆる「おまとめローン」は，今まで貸金業者に支払ってきた法定利率を超える部分の利息まで含めて返済し，それと同額の借入金を，今後はその全額に対する利息を付けて支払っていく，という点でも問題です。
すなわち，貸金業者に対しては，今までの払い過ぎの利息について，本来支払う必要がなかったものとして引き直した計算を行って，借入金残高の減額を求めることができるのですが，新たな債権者（銀行）から同額を借り直した場合には，その新たな債権者に対しては引直し計算を求めることができないのです。
もちろん，その場合でも，完済した貸金業者に対して，払い過ぎた利息の分を返してもらうことはできます（いわゆる過払金）。
しかし，一方で新たな債権者に対しては，今後その借り換えた金額全額について利息がかかっていくことになり，少なくとも新たな債権者に支払う利息には，借換えをしなければ支払わずに済んだ分が含まれることになります。
このように，銀行での借換えは，現実的でないし良い方法ともいえません。
書き始めると，ついつい長くなってしまいます。他の方法は，また追って掲載します(^^ゞ