公共の危険罪(公共危險罪)は台湾の刑法の一部で、様々な社会的法益を侵害する行為を規範しています。例えば、放火、飲酒運転、暴走行為などがあり、行為の重大性により異なる刑罰基準が設けられています。

 

公共の危険罪の成立要件 

 

公共の危険罪が成立するかどうかを判断する際、行為を「実害犯」と「危険犯」の二つに分けることが一般的です。

「実害犯」はその行為が既に具体的で目に見える傷害または損害を引き起こしていることを指します。例えば、ある人が放火してビルが燃え、中にあった物が焼失したり、住民が火傷を負ったり、生命の危険にさらされる場合などがこれに当たります。これは実害犯の例であり、その行為が実際的で取り返しのつかない損害を引き起こしているからです。

一方、「危険犯」はその行為がまだ実際的な傷害を引き起こしていないが、公衆の恐怖感や不安を引き起こし、危険が存在すると感じさせていることを指します。例えば、公共の場所で爆弾の脅威を振りまいている人がいて、実際に爆弾を設置していなくても、その行為は公衆の恐怖感を引き起こし、人々が安全でないと感じるため、これは危険犯と考えられます。

実害犯でも危険犯でも、どちらも公共の危険罪を構成する可能性があります。しかし、裁判で判断する際、法廷はこれら二つの状況の違いを考慮します。実害犯は実際の傷害を引き起こしているため、より重い刑罰を受ける可能性があります。一方、危険犯は実際の傷害を引き起こしていないため、軽い刑罰を受ける可能性があります。しかし、具体的な判決は事件の具体的な状況に基づいて決定されます。