
そういう主婦はほとんどの場合、常習犯である。
店に防犯ビデオなどがあって、それに写っているような場合は、商品を買い物袋に慣れた手つきで、次々に入れていくから、すぐにそうだとわかることが多い。
それでも、取調べになると、必ずと言っていいほど、「初めてでした」などと言い訳をする。そして、旦那や子供の問題でストレスを抱えていて、その上生理前でいらいらしていたので、ついやってしまったなどと涙ながらに、延々と言い訳を繰り返すわけだ。
もし刑務所に行くことになったらどうしようという不安の中で、取調べを受けている訳だから、ある意味当然なのだが、こちらも「はいそうですか」と引き下がるわけにはいかない。
そこで、何とかして、本当のことを言ってもらうようになんだかんだと相手を取り調べるのだが、1年目の身にはそれが難しく、うまくいかない。それでも、夢中になってやっているうちに、1年目で一人だけ、本当のことを言ってくれた人がいた。
もっとも、僕がそう思っているだけで、本当はもっと悪質だったのかもしれないが…(汗)。
それはともかく、修業時代も終わり、検事生活も10年近くになろうとする頃、ふと思い立って通っていた心理学教室で、思いがけないことに出くわした。
それは取調べの秘密にも通じる面白い出来事であったのだが、続きは次回に譲ろう。
(W)