法律・ひつじがお仕えします

法律・ひつじがお仕えします

ブログの説明を入力します。

Amebaでブログを始めよう!



好評連載中の「元検事のこぼれ話」に、社員Yがするどく!

斬りこんじゃいます


Y「こんにちは!元検事さん」


W「お手柔らかにお願いします(苦笑)」


Y「まずは、皆さんに自己紹介ということで、検事というお仕事はどれくらい勤められたんでしょうか?」


W「10年ちょっとです」


Y「その経験から、元検事のこぼれ話を書いていただいているわけなんですが、主婦や高齢者の万引きが多いみたいですね。ニュース番組などで特集を組んでいるのを見ますし、ドラマなんかでも、万引きGメンが活躍!っていうのがありますよね」


W「やはり、女性が多いですね。スーパーなどでは、若い独身女性が万引きするというケースは少なかったと思います」


Y「なるほど、取調べの回数も主婦の方が多かったと・・・ふんふん」


W「僕は、この話を書くにあたって、まずは身近なテーマがいいかなと考えたんです」


Y「それでは、読んでいて疑問があるので、早速、ぶつけちゃいますが、そんなに品数の多い万引きだったんですか?。 万引きというと、1~2点、どんなに頑張っても、私に想像できるのは5点までくらいじゃないかな?それも、高級ステーキ肉とか、値段の高いものを万引きするんじゃないかなと思いますケド・・・・」


W「今回(3)の場合だと、スーパーの一番大きなレジ袋いっぱい位と想像していただければ、わかるでしょうか」


Y「えええーーーーー、満杯ですか!!もしかして、食パンなんかもあったりして」


W「もちろん、入ってましたよ」


Y「高いものばかりじゃないんですか?」


W「そのコーナーのなかでは、値の張るものを瞬間的に選んでいるみたいですが、かさばるとか、そういうことは考えないみたいですね」


Y「ほーーーー、やっぱり、お肉のコーナーでは高級ステーキ肉あたりなんですね」


W「いやに、ステーキ肉にこだわりますねえ(笑)」


Y「これはないでしょ!トイレットペーパー!!」


W「いや、よくありましたよ」法律・ひつじがお仕えします-スーパー


Y「がーん、ほんとにスゴイんですねえ。香り付きの高級トイレットペーパーだったのかも」


W「彼女たちは、ある意味、病んでいるんだと思います。本来ならどうしてもお金のかかる生活必需品を、ただで手に入れられることに、異常に快感とスリルを感じるみたいなんですね。そういう意味では、職業的な泥棒とは違います。職業的な泥棒は、あなたの言うとおり、かさばらずに高価なもの、例えば宝石のようなものや現金をねらいますが、彼女たちにはそういう感覚はないような気がします。」


Y「今日は、ありがとうございました。また、次回もいろいろ、お聞かせ下さい」


W「職業的な慣れって、怖いものですね。僕にとっては常識の部類のことで、こんなに驚かれるとは、思いませんでした。次回もよろしくお願いします」


いやあ、ビックリしました。そういえば、トイレットペーパー買って帰らなくちゃ。いつもの12ロール、再生紙の特売品を抱えて帰る、Yでした。



修業時代の取調べの様子は、こんな調子だった(Pが僕、Aが万引き主婦)。



P:「あなたは、初めてだと言い張るけど、初めての人が、あんなにたくさん、しかも短時間のうちに次々と自分のバッグに入れていけるわけないじゃないか?」


A:「どきどきしていて、よく覚えていないんです。」


P:「どきどきしている人が、そんなにどんどん入れることができると思う?。一つ盗んだだけで、いっぱいいっぱいになるのが普通でしょう?」


A:「自分としては、そんなにたくさん盗ったつもりはありませんでした。気づいたら、店の人に捕まって、その場で品物を確認したら、自分でもびっくりする程多くて…(泣)。それでそのことも店の人に言って、品物は全部きちんと返すからと言っても、全部買い取るからと言っても許してくれなくて、、、警察にだけは連絡しないで欲しいという私の必死のお願いも聞いてくれなかったんです。」


P:「そんなこと当たり前でしょ。返せばいいとか、買い取ればいいとかそういう問題じゃないでしょ。」


A:「とにかく、つい魔が差してやってしまったことなので、許して欲しいんです。」


P:「許すか許さないかは、事件の内容やあなたの態度をみて私が決める。今の貴方の態度は、とてもじゃないが、信用できないし、反省しているとも思えない。」


A:「反省していますよ~(泣)。許してください(嗚咽)。」


P:「そんなことを聞いているんじゃない!。万引きをしたのは初めてだというのは嘘でしょ?」


A:(泣き続けながら、しかしはっきりと。以下同じ…笑)「いえ、本当です。魔が差したんです。信じてください。」


P:「そんなわけないでしょ?。初めての人があんな取り方できるはずがないでしょ?」


A:「本当なんです。信じてください。」


P:「信じられるわけないでしょ?。いい加減に本当のことを言いなさい。」


A:「・・・」


例えば、こんな調子で、僕がいくら理詰めで問いつめても、「魔が差した」とか「出来心でついついやってしまった」とかとひたすら泣きながら繰り返すだけで、話が堂々巡り。そして最後は、相手が黙ってしまうというのが、1年目のパターンであった。


前々回に書いたように一人だけ、常習的に万引きをしていましたと本当のことを言ってくれたのだが、そのときどんな取り調べをしたか、残念なことによく覚えていないのである。


覚えているのは、担当した万引主婦の事件の中では最後の事件だったことと、それまでの万引主婦がなかなか本当のことを言ってくれないので、最後の時には、どうせ本当のことは言わないだろうなという半分投げやりな気持ちで取り調べをしたことくらいである。


もっとも、それが肩の力が抜けた取り調べになって、怪我の功名で、うまくいったのかもしれないのだが…。


結局、その秘密が明らかになるまでに、10年かかった。



次回は10年後の、取調べ劇の再現VTRを読んでいただいて、今回との違いから、いよいよその秘密に迫ってみたい。

(W)