安倍晋三首相は、平成29(2017)年4月に予定していた消費税8%から10%への増税を2年半先送りした。これはどんな兆候なのだろうか?
筆者には、高級官僚、それも財務官僚が国の政策を体現していた時代が終わり、名実ともに、官僚から政治家へと政治の舵取りをする担い手が変わったことを意味しているように思われる。
一昨年、つまり、平成26(2014)年に一度、消費増税の先送りが決まり、その時期が今回だったのである。
またもや、財務省の思惑通りにならなかったわけだ。いくら、根回しとやらをしても、政治家を自分達の意思どおりにすることができない、つまり政策の決定者は政治家ということが赤裸々にあらわれたのが、今回の消費増税先送り騒動(?!)である。
いわゆる令外の制度として置かれていた高級官僚の地位が「見える化」して、高級官僚の地位が落ちて来たのだ。
人事権を握られ、権限の限られてしまった官僚は、文字通り「公僕」になればよいのである。政治家が、国民の民意を体して政策を決めて行く時代の到来なのだ。
就活生のような若い世代の人達には、もっと政治に関心を持ってもらいたい。