就活は、親離れすることだと思っていると、現代の世相を見誤る。
筆者の時代(高度成長期と言っても良い)は、猫も杓子も、東京へ東京へとやって来た。大学進学の子も、都会に就職する子も親元を離れざるを得なかった。
そのお蔭で、親も子離れができたし、子も親離れができた。
しかし、今は違う。大学には父兄会があり、企業の方も新入社員の親に対し、気配りしなければならない時代になってしまっている。
社会が変わり、家族が核家族になってしまっているからだ。
親も子も相互に甘え、慣れ親しんだ関係が続くのであれば、それに越したことはない。しかし、親も子も双方共に年をとって来ると身体の自由も衰え、経済的にも弱って来る。
どこかで親離れ子離れをし、社会的な「死に支度」をも自分自身でしなければならない時代だ。世間体(今の時代にこのようなものがあるかどうか問題だが)を気にし、習慣に流されていると、精神的悩みが増す。就活生は、他人事だ、と思っている人もいるかもしれないがそうではないから要注意だ。
早く親離れをし、子離れをし、社会人という大人の仲間入りをするのが、就活生の置かれた立場だ。