3月5日(月)
契約法について

 まず、法源についてだが契約法の法源には、判例法、制定法、国際法がある。判例法とは判決によって示された法律のことで、将来の裁判の結果を拘束するような力がある。アメリカでイギリスと同様に。コモンローが最も強い力をもっているといえる。
 次に契約法における共通の概念をについて説明する。債務不履行に対する不変性について、契約の自由で、私人間の合意があればほとんどのルールは変えることができる。また、公序良俗に対する不変性も存在する。

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(真剣な様子で授業を聞く琉大学部生の鈴木君)

 アメリカ契約法のもとでは、「契約を破る自由」があたえられており、債務者に債務を約束通り履行するか、または、債務を免れるために債権者に十分な損害賠償をして債務の履行をしない、という二つの選択肢から選ぶことができる。この「契約を破る自由」は日本の法制度では見られない、アメリカ契約法の特徴といえるだろう。契約を破る自由が使われる典型的な場合に、第三者との競争売買があった場合や、債務履行に必要な費用が契約によって得られる利益を上回る場合などがある。このことから、契約を破る自由は経済の面から効率的に経済をまわしていく、という目的があるようだ。

 また、アメリカでは契約までの「約因」「合意」「申し込み」の要素のうち「約因」を重要視していることがわかった。契約が有効に成立するためには約因が必要になってくる。この「約因」とは、日本にはない概念であり、契約における対価のようなものである。要するに、双方の負担する義務が対等関係になっている場合に、「約因」がある、といえるのだ。

 このように、「契約を破る自由」や「約因」など、日本にはない概念がアメリカ契約法には存在しており、とても興味深い講義だった。日本とアメリカそれぞれの利点、問題点をあげて比較していくことも大切だと感じた。
(文責:法学専攻2年次・砂川陽和)