3月2日(金)
Marriage equality in U.S.

 この授業はアメリカ合衆国における連邦憲法と州憲法の関係から同性婚について考えるという授業内容だった。まずは憲法史についての話であった。アメリカでは、イギリスから独立した後も憲法がなく、州同士の契約だけだったが、1789年、フィラデルフィアで行われた憲法会議でアメリカ合衆国憲法が制定された。その後20回の改正が行われている。アメリカ合衆国憲法を一言で表すと古いものと表せる。文章も古く、20世紀、21世紀の考え方は入っていないため、世界中で一番古い憲法と言えるらしい。一方、日本は1889年に大日本帝国憲法、1946年に日本国憲法が制定され、今までに改正は一回もない。日本の憲法を一言で表すと、アメリカに比べて近代化されたものであると言える。そしてハワイは、ハワイ州になる前はハワイ王国だったため、1840年に王国憲法を制定、その後共和国となり、1894年に共和国憲法を制定、1898年にはアメリカと併合し、1959年ハワイ州となりハワイ州憲法を制定している。ハワイの憲法を一言で表すと、アメリカ、日本と比べると比較的新しいものと表せる。ハワイ州憲法の内容として、憲法改正をするかどうかは10年ごとの市民投票によって決まる。
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(Mark A.Levin 先生はとても熱心に日本語で授業をしてくれた。)

 連邦と州の違憲審査制には、「相当かつ独立の州法上の根拠」法理がある。これは州最高裁は州憲法の解釈を最終的に行うところであるという連邦主義から成っている。この連邦主義は同性婚の話をするときに重要になってくる。
 もともとアメリカでは、同性婚を認めていなかった。しかし1993年にハワイで、ハワイ州憲法による平等権で初めて同性婚を認めた。これは州憲法の最終判断は州最高裁であるという連邦主義であるからできたことであった。この判決は世界中に知らされ、みんなの意識が変わっていった。しかし、この判決はあくまで州レベルのことであり、アメリカ全体が認めたわけではなかった。だが、同性婚を認めるという新しい発想は生み出せた。その後2013年に合衆国裁判所は同性婚を認めないことについて一部の違憲性を認めた。ここでは第五修正による国の責任であり、国が同性婚を認めるべきであると解釈された。この判決の後、一年の間に多くの州が同性婚を認めた。この動きはとても速かったらしい。これによって決して同性婚カップルの天国になったわけではないそうで、問題はたくさんある。しかしこの現象はアメリカだけではなく他の国でも同性婚を認める動きがあるらしい。日本はいつになるのか。先生曰く、若者の努力が大事である。
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(同性婚についての授業の全体の様子)

 この授業の結論として、ハワイ州憲法は大切で面白く、「相当かつ独立の州法上の根拠」法理の役割は米国の人権保護に大切である。そして婚姻平等がその重要な事例であるが、アメリカでもこれについての検討が不十分である。
 私はこの授業を受けてみて、アメリカの憲法は日本とは違い憲法改正が多く行われていて、とても興味深いと感じた。またハワイで初めて同性婚を認めた判決をしたと初めて知り、とてもすばらしいと思ったし、これから日本でも認められるべきだと思った。授業は得るものが多くとても楽しい授業だった。
(文責:法学専攻2年次・宮城知佳)