3月1日(木)
State Supreme Court Justice Sabrina Mackenna

3月1日私たちはハワイ州最高裁判所へ見学へ行きました。ハワイ州最高裁判所は「アリイオラニ・ハレ」と呼ばれており、ハワイ語で「天の王様たちの家」の意味を持っています。カメハメ5世が計画し、元々は宮殿として建造させていたが、完成の前に亡くなってしまったため宮殿として使われることはなかったそうです。1847年に完成し、州と国の歴史的建造物として指定されています。実際に使われている法廷は2階のみであり、一階はハワイ歴史博物館として、司法歴史センターを設けています。
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(サブリナ判事と僕たち)

私たちはその一階の法廷でハワイ州最高裁判所判事のサブリナ・シズエマッケナさんのお話を聞くことができました。サブリナさんは東京育ちで、母親は日本人、父親はアメリカ人です。サブリナさんの父は東京都の福生市内にあるアメリカ軍飛行場横田基地に所属していました。その時サブリナさんは9歳でした。父はサブリナさんが9歳の頃心臓発作で亡くなってしまい、母と子2人だけになってしまいました。母はシングルマザーとして働くことになったのですが、社会が人を地位によって差別し、いえ待遇が異なってしまうということを経験したそうです。そのような経験からサブリナさんは人を差別しないような社会にしたいという意識が強くなりました。サブリナさんは横田米軍基地内の高校を卒業後にハワイ大学へ進学しました。その時ちょうど教育機関での性差別を禁止する法律がアメリカで制定され、そのおかげで奨学金をもらい大学へ行くことができたそうです。そしてロースクールを卒業し、ハワイでもトップの法律事務所に入ることができました。サブリナさんは民事訴訟、民事事件を扱い、日本企業の弁護も行なっています。サブリナさんはまた、自分がレズビアンであることも私たちに話してくれました。シングルマザーとしてサブリナさんを育ててきた母はいつも、「自分に正直に生きなさい」と言っていたそうで、その言葉がサブリナさんを強い人間にしてくれたそうです。そして、母にも自分のことを打ち明けてみたそうですが、母にはレズビアンという事実を受け入れてもらえず、その時の精神的ショックは甚大なものでした。しかしサブリナさんは、その母に強く育ててもらったおかげでそんな母も受け入れることができたそうです。ですがサブリナさんは、「この経験から自分にも社会にも正直になれることで、これまで背負ってきた荷物を下すことができた」、と述べていました。現在はアメリカで判事をしながら、同性婚に対する理解を広めようとシンポジウムを行なっています。
(文責:法学専攻2年次・鈴木哲斗)