2月28日(水)
法律図書館の見学
ハワイ大学のLaw Schoolには法律図書館(Law Library)という、一般のとは異なる図書館がある。この法律図書館という存在は、アメリカ独自のものであり、日本ではこのような図書館はあまり見られない。図書館司書の方の話によると、各ロースクールは独自の法律図書館を持っていて、基本的にロースクール生が利用するそうだ。また、法律図書館に勤める司書は法律学も履修しているため、学生のために法律の情報調査の協力も行っており、法律司書のための部屋も図書館内にある。実際に図書館を見学してみて、図書館に入ってすぐ目の前に広がるのはハワイ州の法律や判例が載った資料等であり、図書館にある資料はほとんど全てが法律関係の資料であった。奥には、ロースクール生が司法試験の勉強をするスペースが設けられており、また図書館には6つの教室があり授業が行われることもある。さらに、様々な国の言語で書かれた法律関係の資料があり、誰もが利用しやすいように整えられた環境があった。

講義では、法令検索の方法を教えていただいたが、アメリカではオンラインデータベースを利用することが主要な手段となっている。今回はWest Lawデータベースの利用方法を中心に説明を受けた。進行中の事件等は、オンラインデータベースでしか見れないことや、本には載っていない補助的情報も載せられていることから、重要な検索手段であるそうだ。

アメリカと日本では、判例の表記方法も異なっていた。記載する事項は似ているが、その表記や記号が何を表しているのか理解することが必要だ。連邦法や、州法では記載されている本が異なるため、図書館のどのコーナーにその資料があるのか、また、自分が必要な情報がどの本に記載されているのか探せる力が必要だ。私たちも実際に、指示された判例を図書館の資料を使って調べることを体験したが、すぐには見つけることができなかった。ロースクールに入学したら、まずはこうした検索方法をしっかり身につける必要があることを知った。法律図書館という存在は、法律学を学ぶ上でとても重要な存在であることを知り、また日本においてもこうした図書館の存在が求められるのではないかと感じた。
(文責:法学専攻2年次・桃原若菜)