法学専攻では下記の通り、春期集中講義として法哲学を開講します。
受講を希望する学生はここに記載された方法により登録を行って下さい。

なお、平成30年3月末を以て卒業予定の者は受講登録できませんので注意して下さい(聴講は自由です)。

開講科目

法学特殊講義XIX(法哲学)
2単位

開講時期及び場所

平成30年2月15日(木)~16日(金)、19日(月)~21日(水)
各日2限~4限

法文学部講義棟202教室

講師

今井弘道
北海道大学名誉教授・浙江大学法学院招聘教授

講義の趣旨

講義テーマは、「マックス・ヴェーバーの法・政治思想と『儒教と道教』--またはヴェーバーと魯迅--」。
マックス・ヴェーバーの近代化の思想--特に法と政治の根底におかれている自立的人格思想--をめぐる基本問題を、
①カール・シュミットの法思想との比較に即して議論する。
②その中で、その基本問題が、政治的に受動的な態度を脱し得ない民衆の政治的主体化にあることを確認する。
③マックス・ヴェーバーのこのような観点は、まずはドイツの民衆の受動性に対する批判に向けられているが、ヴェーバーにおいては、それが、更に、アジア--とりわけ中国--の停滞(20世紀初頭までの)との関連で、深められていることを確認する。
④そのような観点から 、ヴェーバーの著作『儒教と道教』を読み解く基本的視点を確認する。
⑤この『儒教と道教』に現れているヴェーバーの儒教批判は、中国の文豪・魯迅の儒教批判/中国民衆批判の問題(魯迅の『狂人日記』、『阿Q正伝』を想起せよ)と通じ合うものがあることを確認する。
⑥以上の中で、アジアにおける人権意識の確立をめぐる基本的問題が、民衆の社会的・政治的意識の受動性の克服にあるこ17/12/18とを確認する。この問題は、現代の中国批判を含めた、アジア論に繋がっていくものである。
⑦講義はおよそ以上のような内容をもつものであるが、受講者の理解度と関心に従って、その具体的内容を取捨選択していく。受講者の長期的な思索の手掛かりを与えることが最大の目標である。活発な質問 や議論を伴った積極的受講態度を期待している。

受講登録の方法

以下のリンクから登録票をダウンロードし、必要事項を記入の上、受入担当教官・戸谷義治准教授宛にメールにて送信すること。また、登録に先立ち、シラバスを確認のこと。

講義シラバス

登録票(EXCELファイル)

メールの表題:
法哲学受講登録
(メールの見落としを防ぐため、メールの表題は必ず上記のとおりにして下さい)

登録票送付先アドレス
ytoyaアットll.u-ryukyu.ac.jp(片仮名部分を通常のアットマークに変換して送信のこと)

登録締切
平成30年1月31日(水)午後5時

受講登録票を受け取った後、2日以内(土曜日・日曜日・祝日を除く)に返信します。返信がない場合には、システムの不具合等によって、適正に登録が行われていない可能性がありますので、登録票を再送して下さい。

講師について

今井弘道(いまいひろみち)
昭和19年、中国・上海生まれ。
現在、浙江大学法学院招聘教授。
専攻は法哲学。
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(平成27年度夏期に法哲学集中講義をする今井教授)

京都大学法学部卒。同大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
京都大学法学部助手、新潟大学法文学部助教授、オーストリア政府奨学生(ザルツブルク大学在外研究)、北海道大学法学部助教授などを経て、昭和57年より北海道大学法学部教授(大学院重点化により平成15年より大学院法学研究科教授)。平成20年、同大を定年により退職し、現職。北海道大学名誉教授。
昭和60年から平成18年まで、日本法哲学会理事。
平成18年、東アジア法哲学会の結成を主導し、理事長。
主な著作として、『公共空間における個の自律』(風行社)、『発展する東アジアと法学の課題』(成文堂)、『三木清と丸山真男の間』(風行社)、『丸山真男研究序説』(風行社)、『変容するアジアの法と哲学』(有斐閣)ほか多数。