法学専攻では平成27年度夏期集中講義として下記の通り法思想史講義を開講します。
履修を希望する学生は、下記の手続きに従って登録して下さい。
講師:今井弘道(北海道大学名誉教授・浙江大学法学院招聘教授)
日時:平成27年8月14日(金)、17日(月)~20日(木)各日2限~4限
場所:法文学部講義棟202教室
この人権の問題を、本講義においては、J.S.ミル(1806-1873)、G.イェリネック(1851-1911)、M.ヴェーバー(1864-1920)を中心とする思想史的アプローチを通して論じる。
この三人は、19世紀中葉から世紀末、そして20世紀初頭に活躍した思想家である。それは、「人権」が、キリスト教という宗教的基礎を、宗教的信仰心の一般的消失という事態の中で、事実上、喪失した時期であった。しかも、近代資本主義が、さまざまな社会的矛盾を露呈しながら大きく変質し、社会主義運動などの批判を浴びはじめた時期であった。
この時期に、この三人は、キリスト教から独立した形であらためて人権の意味を考えるとともに、それを基礎として近代社会が提起する諸問題に立ち向かった。この経緯は、キリスト教的文化を背景にもたない日本やアジアにおいて「人権」を考える場合にも、大きな手がかりを提供してくれる。
本講義は、このような事情についての概略を、現代的問題を意識の中におきながら概観し、現代的人権論の基本問題を考察する。
2.市民的不服従と少数者の権利--J.ロールス『正義論』に即して--(2)
3.「人権」と「主権的個人」--G.イェリネック『人権宣言論』・『少数者権利論』--(1)
4.「人権」と「主権的個人」--G.イェリネック『人権宣言論』・『少数者権利論』--(2)
5.M.ヴェーバーによるイェリネック『人権宣言論』の継承と発展--
6.M.ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の根本にあるもの--
7.J.S.ミル『自由論』における「危害原理」と制度の問題--(1)
8.J.S.ミル『自由論』における「危害原理」と制度の問題--(2)
9.制度形成と人格の陶冶--J.S.ミルとM.ヴェーバー--
10.J.S.ミル・G.イェリネック・M.ヴェーバーにおける自由主義の問題--
11.M.ヴェーバーにおける自由主義の展開(1)--「近代資本主義」と「高度資本主義」--
12.M.ヴェーバーにおけるレンテ資本主義問題と歴史認識
13.M.ヴェーバーにおける自由主義の展開(2)--レンテ資本主義の問題--
14.M.ヴェーバーの自由主義の現代的意味とJ.スティグリッツ、Th.ピケティ--
15.法哲学・法思想史と現代の課題--講義のまとめ--
16.試験
昭和19年、中国・上海生まれ。
現在、浙江大学法学院招聘教授。
専攻は法哲学。
京都大学法学部卒。同大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
京都大学法学部助手、新潟大学法文学部助教授、オーストリア政府奨学生(ザルツブルク大学在外研究)、北海道大学法学部助教授などを経て、昭和57年より北海道大学法学部教授(大学院重点化により平成15年より大学院法学研究科教授)。平成20年、同大を定年により退職し、現職。北海道大学名誉教授。
昭和60年から平成18年まで、日本法哲学会理事。
平成18年、東アジア法哲学会の結成を主導し、理事長。
主な著作として、『公共空間における個の自律』(風行社)、『発展する東アジアと法学の課題』(成文堂)、『三木清と丸山真男の間』(風行社)、『丸山真男研究序説』(風行社)、『変容するアジアの法と哲学』(有斐閣)ほか多数。
なお、携帯電話のメールアドレスを中心に、確認メールの受信が拒否される場合が見受けられる。この場合には、登録そのものが完了しないため、下記担当教官アドレスからのメールが確実に受信できるアドレスから送信されたい。
※括弧内は受講希望者の氏名をスペースを空けずに記載。括弧その物を含めてすべて全角文字を使用のこと。
※登録受付けの確認漏れを防ぐため、必ず上記題名で(一字一句違わず)送信されたい。
氏名(フリガナ)※漢字・フリガナいずれもスペースを空けずに記載。全角文字を使用。
学籍番号※半角英数字を使用のこと。
所属学部・学科・専攻等
学年
履修を希望する学生は、下記の手続きに従って登録して下さい。
講義の概要
講義名:法学特殊講義XIV(法思想史)講師:今井弘道(北海道大学名誉教授・浙江大学法学院招聘教授)
日時:平成27年8月14日(金)、17日(月)~20日(木)各日2限~4限
場所:法文学部講義棟202教室
講義の趣旨
近代法の根幹の一つに「人権」の確立と保障ということがあることは言うまでもない。この問題は、憲法の講義の中心となる問題であるばかりか、法学の全般にわたるものであり、更には、政治学等の理解の前提になるものであることも、言を俟たない。この人権の問題は、更にまた、法哲学のいかなる考察にとっても、やはり前提となるべき最大の問題であり、この理解なくしては、法哲学の理解もまた不可能である。この人権の問題を、本講義においては、J.S.ミル(1806-1873)、G.イェリネック(1851-1911)、M.ヴェーバー(1864-1920)を中心とする思想史的アプローチを通して論じる。
この三人は、19世紀中葉から世紀末、そして20世紀初頭に活躍した思想家である。それは、「人権」が、キリスト教という宗教的基礎を、宗教的信仰心の一般的消失という事態の中で、事実上、喪失した時期であった。しかも、近代資本主義が、さまざまな社会的矛盾を露呈しながら大きく変質し、社会主義運動などの批判を浴びはじめた時期であった。
この時期に、この三人は、キリスト教から独立した形であらためて人権の意味を考えるとともに、それを基礎として近代社会が提起する諸問題に立ち向かった。この経緯は、キリスト教的文化を背景にもたない日本やアジアにおいて「人権」を考える場合にも、大きな手がかりを提供してくれる。
本講義は、このような事情についての概略を、現代的問題を意識の中におきながら概観し、現代的人権論の基本問題を考察する。
講義予定
1.市民的不服従と少数者の権利--J.ロールス『正義論』に即して--(1)2.市民的不服従と少数者の権利--J.ロールス『正義論』に即して--(2)
3.「人権」と「主権的個人」--G.イェリネック『人権宣言論』・『少数者権利論』--(1)
4.「人権」と「主権的個人」--G.イェリネック『人権宣言論』・『少数者権利論』--(2)
5.M.ヴェーバーによるイェリネック『人権宣言論』の継承と発展--
6.M.ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の根本にあるもの--
7.J.S.ミル『自由論』における「危害原理」と制度の問題--(1)
8.J.S.ミル『自由論』における「危害原理」と制度の問題--(2)
9.制度形成と人格の陶冶--J.S.ミルとM.ヴェーバー--
10.J.S.ミル・G.イェリネック・M.ヴェーバーにおける自由主義の問題--
11.M.ヴェーバーにおける自由主義の展開(1)--「近代資本主義」と「高度資本主義」--
12.M.ヴェーバーにおけるレンテ資本主義問題と歴史認識
13.M.ヴェーバーにおける自由主義の展開(2)--レンテ資本主義の問題--
14.M.ヴェーバーの自由主義の現代的意味とJ.スティグリッツ、Th.ピケティ--
15.法哲学・法思想史と現代の課題--講義のまとめ--
16.試験
講師について
今井弘道(いまいひろみち)昭和19年、中国・上海生まれ。
現在、浙江大学法学院招聘教授。
専攻は法哲学。
京都大学法学部卒。同大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
京都大学法学部助手、新潟大学法文学部助教授、オーストリア政府奨学生(ザルツブルク大学在外研究)、北海道大学法学部助教授などを経て、昭和57年より北海道大学法学部教授(大学院重点化により平成15年より大学院法学研究科教授)。平成20年、同大を定年により退職し、現職。北海道大学名誉教授。
昭和60年から平成18年まで、日本法哲学会理事。
平成18年、東アジア法哲学会の結成を主導し、理事長。
主な著作として、『公共空間における個の自律』(風行社)、『発展する東アジアと法学の課題』(成文堂)、『三木清と丸山真男の間』(風行社)、『丸山真男研究序説』(風行社)、『変容するアジアの法と哲学』(有斐閣)ほか多数。
履修登録手続きについて
受講を希望する学生は、受講を希望する旨及び以下の事項を記載したメールを受入担当教官・戸谷義治准教授まで送信すること。受講登録希望メールを受信した場合には、2日以内(土曜日、日曜日、及び祝日は算入しない)に、受信した旨の確認メールを受講希望学生宛に送信する。確認メールが送信されない場合には、システムの不具合等によって、登録が完了していない可能性があるため、再度メールを送信されたい。また、疑問がある場合にも、下記メールアドレスまで問い合わせのこと。なお、携帯電話のメールアドレスを中心に、確認メールの受信が拒否される場合が見受けられる。この場合には、登録そのものが完了しないため、下記担当教官アドレスからのメールが確実に受信できるアドレスから送信されたい。
登録受付期間:
平成27年7月14日(火)~7月31日(金)午後5時メールの題名:
法思想史集中講義登録希望(氏名)※括弧内は受講希望者の氏名をスペースを空けずに記載。括弧その物を含めてすべて全角文字を使用のこと。
※登録受付けの確認漏れを防ぐため、必ず上記題名で(一字一句違わず)送信されたい。
登録メールに記載すべき事項:
講義名称を明示した上で、受講登録を希望する旨。氏名(フリガナ)※漢字・フリガナいずれもスペースを空けずに記載。全角文字を使用。
学籍番号※半角英数字を使用のこと。
所属学部・学科・専攻等
学年