動画や写真を共有できるInstagramは、SNSの中でも多くの利用者がいます。
世界中に10億人以上の利用者が存在していることから、気軽に外国人との交流を深められるアプリとして親しまれています。
そんなInstagramですが、近年国際ロマンス詐欺によって危険な一面が見えています。
ここでは、Instagramで詐欺が増えているかどうかに加えて、国際ロマンス詐欺の手口や対処法などもご紹介します。
被害に遭った場合の相談窓口などについても解説していくので、気になる方は参考にしてみてください。
■人気のInstagramで詐欺が増えている？
Instagramは、一般ユーザーが気軽に写真や動画を投稿できるアプリです。
芸能人やインフルエンサーなども多く利用していて、気軽に相手と繋がれる感覚が人気となっています。
そんなInstagramのユーザーは日本だけではありません。
世界の人々がInstagramを通じて交流する機会も多く、流行の発信となることもあります。
Instagramの特徴は、世界中のユーザーとシェアすることができる点です。
写真、動画、ダンス、ファッション、音楽、イラスト、ペットなど様々なジャンルがあり、無料で気軽に投稿できるのも大きな特徴となります。
これだけのユーザー数を誇っていることから様々な投稿スタイルもあり、24時間しか視聴できないストーリーズをチェックするために、頻繁に見ている方もいるでしょう。
それだけ、多くの人にとってInstagramが日常の一部になっていること、そして他人と簡単に繋がれるハードルの低さから、詐欺と気が付かずに交流している可能性があります。
特にInstagramの利用に慣れているユーザーは日々多くのメッセージやDMを受け取っているため、異性と交流することに抵抗がありません。
このようなことも詐欺が増えている理由の1つとなります。
■国際ロマンス詐欺とはどんなもの？
手軽にできるSNSの発展により、インターネット上では様々な詐欺が起こっています。
そこで、近年増えているのが国際ロマンス詐欺というものです。
国際ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリなどを通じて相手に恋愛感情を持たせて金銭を搾取する特殊詐欺です。
外国人であるケースもあれば、外国人になりすましているケースもあります。
架空の人物を装い、メッセージなどで継続的に交流し、恋愛や結婚をほのめかす甘い言葉をささやいてくる手口です。
あたかも恋愛しているような気分にさせてくる所から始まり、数ヶ月という期間をかけて交流をより深めていきます。
その後、一定の信頼関係を築けたら、次第に生活や環境が変わったり、事故に遭ったりなどのアクシデントを理由に金銭の援助ができないかなどと要求してくるのです。
ここで既に恋愛感情を抱いてしまっている場合は、金銭を送金してしまい、次第に要求する金額が大きくなっていきます。
そして、詐欺かも？と思った時点で、相手の連絡先がわからなくなるなど、取られたものを取り返すことができなくなるのです。
これが、国際ロマンス詐欺ということです。
■国際ロマンス詐欺の手口
国際ロマンス詐欺は、いくつかの手口や流れがあります。
ここでは、頻繫に使用されている国際ロマンス詐欺の手口についてご紹介します。
・InstagramなどSNSを通じて連絡してくる
国際ロマンス詐欺の手口で最も多いのは、InstagramなどSNSを通じて連絡を取ってくることです。
もちろん、SNSを通じて交流してくる人全てを詐欺だと言っているのではありません。
詐欺である可能性に関しては、プロフィール欄などから疑わしい相手かどうかを読み取ることはできます。
プロフィールに記載されている内容がイケメン、もしくは美人などの写真であれば、国際ロマンス詐欺である可能性が高いです。
国際ロマンス詐欺の場合、第三者の写真を無断使用していることがほとんどで、相手に好印象を与えて信じ込ませる手口です。
InstagramなどSNSを通じて連絡してくる場合は、相手のプロフィール欄に行って確認するのが良いでしょう。
他にも、プロフィールに軍事、医師、弁護士、投資家などと記載されている場合も要注意です。
相手を信頼させるために、書いている可能性があるからです。
これらの職業は社会的に信頼できるものであり、経済的な余裕があるように見えることから相手を信用させるために書いている可能性が考えられます。
・熱烈なアピールをしてくる
国際ロマンス詐欺の場合、一度でも返信をしてしまうと毎日のように相手から連絡が来ることが多いです。
最初は世間話程度ですが、徐々に「あなたを愛している」「あなたが好きだから一緒にいたい」など、日本人はあまり言わないようなストレートな言葉で好意を伝えてきます。
この熱烈なアピールが刺激的に感じるかもしれませんが、これは恋愛感情を抱かせて金銭をスムーズに手に入れるための手口です。
今まで経験のないようなアピールに戸惑うでしょうが、これをきっかけに国際ロマンス詐欺に引っかかってしまうことが多いです。
短期間で甘い言葉をささやくようになる場合もあれば、1年以上という時間をかけて関係を築いていくケースもあります。
また、このような詐欺に引っかかるのは独身の人だけでなく、既婚者がターゲットになることもあります。
自分自身が既婚者だからと安心していると、気が付かないうちに狙われてしまう場合もありますが、異性とのやりとりに罪悪感がないことが相手を信じてしまうきっかけになるケースもあるのです。
既婚者の場合、周囲に知られたくない気持ちから、詐欺被害に気付けないこともあります。
・投資やお金の要求をしてくる
国際ロマンス詐欺の犯人は、恋愛感情を持たせた後に何かしらの理由をつけて金銭の要求をしてきます。
その内容は様々ですが、よくあるパターンは「荷物が税関を通らなかったのでお金が必要」「投資に失敗して生活が苦しくなってしまった」「退役したいが費用がない」などです。
また、「投資を始めたら配当金が多く手に入ったから一緒に始めよう」「友人からいい投資を紹介してもらったけど、人気があるから限定された人しか紹介できないから君にだけ教えてあげよう」など、投資に誘ってくる場合もあります。
他にも「結婚したいから将来の資金を貯めていこう」「今から日本に行きたい、荷物を送るから送料を先に支払って欲しい」などの理由で金銭を求めることもあります。
このように、相手の恋愛感情を利用してくるケースが多いのですが、さらに同情を誘って金銭を要求するパターンもあるので気を付けてください。
例えば「日本で一緒に生活したいが母親が入院していて費用が不安だ」「家族が難病に指定されていて治療中なので生活が苦しくて退院せざるを得ない」など、相手が助けたいと思わせるような話をすることもあります。
本人だけでなく、周囲の人が他の誰かを名乗って手の込んだ演技をして信用させてくるケースもあり、大がかりなものでは信用してしまうこともあるでしょう。
■国際ロマンス詐欺の対処法
「もしかして国際ロマンス詐欺かも？」と思った場合、そのまま相手に伝えるべきか、勝手に連絡を切っていいのか、どんな対処が正しいのか悩むかもしれません。
ここでは、国際ロマンス詐欺の対処法についてご紹介していきましょう。
・「怪しい」と思った時点で連絡しない
国際ロマンス詐欺に遭わないためには、InstagramなどSNSを通じてDMなどのやりとりをしないことです。
しかし、気が付かないうちに親しくなってしまい、途中で相手が怪しいことに気が付くケースもあるでしょう。
そのような場合は、怪しいと思った時に連絡することをやめましょう。
そうでない場合は、知らない相手からのDMには応じない、知らない外国人との交流、投資家、実業家などを名乗る人物から連絡はしないと決めておくと安心です。
・アプリの運営に連絡する
国際ロマンス詐欺の可能性や疑わしい場合には、アプリの運営に連絡をしましょう。
運営側でも詐欺の可能性があるアカウントだと判断した場合は、停止や抹消をしてくれます。
運営側の対応によって、詐欺師からの接触を防げる有効な手段です。
・個人情報は教えない
国際ロマンス詐欺に限らず、むやみに他人に個人情報を教えないようにしましょう。
SNSなどのネット上では、個人情報を相手に教えることがないように徹底し、名前や電話番号などを聞かれても答えないでください。
特に国際ロマンス詐欺で被害に遭った場合、この被害額を回収するのはとても難しいです。
できることなら、巻き込まれないように意識する必要があります。
・お金は渡さない
相手が弁護士、実業家などと名乗ってもお金は絶対に渡さないようにしましょう。
自分が騙されているかどうかが心配になった場合は、国際ロマンス詐欺などに詳しい法律事務所や警察に相談するのも一つの方法です。
このケースが過去の事例に該当するかどうかも含めて判断してくれます。
もし、お金を渡してしまっている場合はそれ以上渡さないように、何を言われても「持っていない」「渡せるお金はない」と言い切る勇気を持ちましょう。
■困った時はどうすべき？相談できるところはどこ？
国際ロマンス詐欺の可能性があったり、既に金銭のやりとりがあったりした場合、不安な気持ちになるでしょう。
このように、困ったことがある場合には以下の機関に相談できます。
不安な時はそのままにせず、相談してみましょう。
・法律事務所
国際ロマンス詐欺に遭った可能性があったり、金銭を要求されたりした場合は、法律事務所に相談してみましょう。
法律事務所でも、近年増えている国際ロマンス詐欺などに力を入れている所も多く、自身の代わりに返金請求をしてくれます。
詐欺被害の返金はできるだけ早めに行動するのがポイントです。
何かおかしいと気が付いた時点で、一度法律事務所で相談してみるのも良いでしょう。
・警察
金銭などを相手に渡してしまった後で、国際ロマンス詐欺に遭ったことに気が付いた場合、最寄りの警察署に被害届を提出しましょう。
相手が外国人だからと諦めてしまうかもしれませんが、外国に住んでいるとは限りません。
また、日本人が外国人に装っているケースもあります。
この場合、国内では事件として取り扱ってもらえます。
相談後、被害届の提出などが必要なので、相手のことがわかる内容も一緒に持って相談にいきましょう。
ネット上で起こった犯罪に関しては、サイバー犯罪相談窓口でも相談可能です。
■まとめ
国際ロマンス詐欺は、年々手口が巧妙になっていき、その手口も変わってきています。
自分は騙されないと思っていても、気が付いたら送金してしまったケースも少なくありません。
特に国際ロマンス詐欺は、外国から日本人をターゲットにしていることもあり、相手を特定するための時間を要する場合もあります。
できるだけSNSで個人情報を相手に教えない、怪しいと感じた時点で連絡を控えるなどの対応をしましょう。
それでも困ったことがあれば、警察もしくは法律事務所へ相談してみてください。