第9話「憧れの存在」
~前回のあらすじ~
手紙を渡せた明莉と、ダイゴの弟子になった侑希、
2人は次の街“カイナシティ“へ向かう。
そこで明莉はとある人物と出会うことに。
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ーカイナシティー
ハギ老人「ほい!カイナに到着!
確かクスノキさんにデボンの荷物を届けるんだったな」
「ハギさん、ありがとうございました!」
「ダイゴさんへ手紙を渡すだけじゃなくて、
クスノキさんっていう人に荷物を届けなくちゃいけないのもあったの、
完全に忘れてたわね…」
「ここはカイナシティ…“人とポケモン、そして自然が行き交う港“
カイナシティにはポケモンコンテストの会場があるから
時間ができたら見に行ってみよう!」
「うぅ…船酔いが…」
加「ホープ、大丈夫?」
「とにかく泳ごうぜ!」
「ほんとだ、海だ…!うわーい、行ってきまーすっ!」
加「テトラ、ホープ、あんまり遠くに行かないようにね。
明莉とはぐれたら困るわよ…って、もう聞こえてないか」
「みんな元気だねぇ」
「テトラってば、もうキャモメたちと遊んでるわ」
明(加賀美、どこか嬉しそう…
そういえば最近はテトラと毎日近くににいる気がするな…)
「加賀美って、もしかしてテトラのこと、気になってるの?」
「テトラとは一緒にいて楽しいのよね。
いっつも遊んでると笑ってくれるし、話も合うし」
「ふーん…」
「なによその反応」
「それだとトリンとはライバルになるんじゃない?」
「いや、まだ好きってわけじゃないわよ
…でも、そうよね。テトラにはトリンがいるわ…
彼女のあんな態度、好きな相手にしかしないものじゃない」
「そんな落ち込まないで良いって。侑希が
『トリンは誰にでもツンデレ』って言ってたから大丈夫よ」
「誰にでもツンデレって何…?」
「とにかく、心配しないでもいいんだよ、恋愛なんか」
「明莉、そんなアドバイスしてくれるなんて、もしかして恋愛経験豊富なの?
私はこういう感情が、恋した記憶がないからわからないわ…」
「アンマリ恋愛シタコトナイデスネー」
「ふふっ。そういえば、明莉だって好きな人がいるわよね」
「ミクリさんのこと?
ミクリさんは、ファンとして好きなのもあるけど、なんていうか…
そういうのじゃなくて、本当に好きなんだ。
あの強さも、パフォーマンスも、美しさも、全部私の憧れだよ」
「でもテトラが私に振り向いてくれる事なんてあるのかしら」
「実際に聞いてみたら?どう思ってるのって」
「そんなの怖いわよ…」
テ「おーい、加賀美!明莉!一緒に泳ごうぜ」
「私は海には入らないけど、加賀美、行ってきたら?」
「そうね…私も水遊びは好きだし、泳いでくるわ」
「溺れないようにねー!」
「は〜い」
「…みんな行っちゃった。
とりあえずこのビーチパラソルの中に入って暑さを凌ごう」
入ろうとすると、パラソルに隠れてよく見えなかったが下にはすでに人がいた。
?「おや、君も入るかい?」
(びっくりした…先客がいたのね)
「失礼します」
?「ああ、どうぞ」
ゆっくり休憩していると、どちらが早く泳げるかテトラたちが競走しているのが見えた。
?「君はあのポケモンたちのトレーナーなのか?」
「はい、そうです!」
?「みんな元気らしくていいね」
「ありがとうございます。あなたのポケモンはどこにいるんですか?」
?「今は海の奥底に潜ってゆっくりしているかな」
「海の底?」
?「ちょうど今頃くらいに戻ってくるよ」
その途端、海から大きな飛沫が上がって、ポケモンが飛び上がった。
そのポケモンというのはミロカロスだった。
「うわぁ…綺麗…!」
?「ふふ、ヴィーナス…ゆっくり休めたんだね」
「すごい美しいポケモンですね!って、あなたは…
ミクリさん!?」
ミクリ「どうしたんだい、急に慌て出して」
なんと、明莉の隣に座っていたのはルネシティのジムリーダー、ミクリだった。
「どうしてカイナシティに…!?」
「ジムを改装している間に少しコンサートを見に来たんだ。
そういう君の名前は明莉、だったかな」
「なんで私の名前を…あ、お父さんからか…」
「センリさんの娘の君と、まさかこんなところで出会えるとは偶然だ」
「それはこっちのセリフです
…それとヴィーナスって、ミロカロスの名前なんですね」
「ああ。私の大切な相棒だ。心も力も、全て美しいからそう名付けたんだ」
「そうなんですね。私もテトラっていうヌマクローがいるんですよ」
「テトラか…響きの良い神秘的な名前だね」
ミ(…ジムリーダーの娘…
いや…“この子とポケモン“はどれほどの才能を持つ…?)
「そうだ、明莉。私と一緒にコンテスト会場までついてきてくれ」
「えっ、なんでですか?」
「少し君と、君のポケモンの魅せる力を知りたくなったんだ。
どうか一度ステージに立ってみてほしい」
明(えぇ〜〜!?コンテストなんて初めてだし、
ミクリさんみたいに上手くできるかわかんないけど…とにかくやってみよう!)
「わ、わかりました!ポケモンたちを呼んできます」
ーコンサート開場前(カイナシティ)ー
「──ということでみんな、コンテストの準備はいい?」
ホ「ちょっと待って、明莉、ミクリさん」
「…ホープ?」
「この街のどこかにアクア団の香りがする…」
「そうみたいだね。ヴィーナスも気配を感じていたようだ」
ヴィーナス(ミロカロス)「…居場所は…科学博物館…」
テ「うおっ、喋った!」
「ふむ…科学博物館はあっちの方向だ。
明莉、手間をかけさせてすまないが、ともに手を組んでアクア団を追い払おう」
「はい…!」
ー科学博物館ー
従業員「いらっしゃいませ。入場料50円になります、見学して行かれますか?」
ミ「2人分の代金です。それと…、どこかお怪我はありませんか?」
従業員「ア、イエ、アリマセン…」
「緊張しすぎてカタコトになってるぞ!?」
ホ(ミクリさん、こういう気遣いできるところも人気の理由なんだろうな…)
ヴ「…上の階、気をつけて…」
「明莉、先を急ごう。このままでは何か大きな被害が出るかもしれない」
「わかりました、ミクリさん!」
ー科学博物館・2階ー
「ここにはアクア団はいなさそう…あっ、あそこにいるのは、クスノキさん!」
クスノキ「はい?クスノキは私だが…?」
「この荷物を渡しにきました」
クスノキ「おお、それはデボンのツワブキさんに頼んでおいたパーツだね!
いやー、どうもご苦労様!おかげで私の船が出発できそうだ…」
アクア団したっぱ「へへへ…キバニア、噛みつけ!」
ミ「っ!明莉、危ない!
ヴィーナス、神秘の守り!!」
「きゃっ!」
ガブッ!
ミクリが明莉とクスノキを庇った。
ミ「2人とも、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!」
明(さすがジムリーダーの相棒、技のスピードが全然違う…)
ヴ「…明莉、ミクリ、戦いましょう…」
「ヴィーナス…!うん、わかった!テトラ、行くよ!」
テ「かかってこいや!」
したっぱ1「はっ、何がホウエン最強のジムリーダーだよ?」
したっぱ2「そのデボンのパーツ、俺様達がいただくぜ!」
「アクア団、お前たちの愚行はここで終わらせてもらう」
✩明莉&ミクリVSアクア団したっぱ×2
「Let‘s Go!テトラ!」
「ゆけ、ヴィーナス!」
「行けっ、キバニア!」
「出てこい!ズバット!」
「ヴィーナス、水の波動で相手の動きを制限するんだ」
「キバニア、避けろ!」
ヴ「止めてあげるわ…」
シュウン…
「くっ、ズバット、精一杯もがけ!」
「明莉、任せたよ。君の戦いを魅せてくれ」
「はい!テトラ、キバニアに何発もマッドショット!」
「はあっ!」
バシャーッ
「お、俺のポケモンが一撃で…!?」
キバニアは倒れた!
(ミクリさんのサポートで、技が急所に当たるようになってる…!)
「…そこまで気づくなんて、面白い…」
「ふふっ、もう少しだけ君とポケモンの戦い方を見ているとしよう
その強さなら、私が出るまでもなさそうだしね」
「あと1体!よし、Let‘s Go!加賀美!」
「ズバット、もう動けるか!体当たりっ!」
「念力で跳ね返して!」
「ていやっ!」
シュンッ
「ちっ、ゴリ押しだズバット!怪しい光!」
ピピピピピ…
「させないよ。ヴィーナス、神秘の守り」
加「ありがとう!助かるわ、ヴィーナス!」
「…どういたしまして…」
「加賀美、テトラ!水の波動と念力を合わせて攻撃!!」
「はっ!」
「とうっ!」
バァンッ!!
「す、すげぇ綺麗な技だ…」
ズバットは倒れた!
✬アクア団したっぱとの勝負に勝った!
したっぱ2「アクア団で27番目に強いしたっぱの俺様が負けてしまった…
こんな美しい敗北を味わったの、初めてだ…」
したっぱ1「おい、何落ち込んでんだよ!
パーツを奪えないとまずくないか!?」
したっぱ2「うむ…俺様、本当はアクア団なんかじゃなくて、
ポケモンと一緒にコンテストで輝きたかったんだよ…
だからポケモンを傷つけるのとかもできなかったし!!」
ホ(アクア団にも、珍しく優しい人はいるのか…)
したっぱ1「だ、だめだこいつ、話が通じねぇ〜!」
ヴ「今からでも…変われるはずよ…」
「そうだ。美しさを求めているなら、私の戦い方を参考にするがいい
それと…明莉。先ほどのバトル、お見事だったよ」
「ありがとうございます!ミクリさんとヴィーナスのサポートのおかげです」
したっぱ2「俺様もお前たちみたいに、もう一度、輝けるかな…?」
ホ「うん、アクア団にこんなこと言うのも変だけど、僕は応援するよ」
ミ「明莉にはきっと、パフォーマンスを見た人の
心を変えさせる何か特別な力があるのだろう」
「…私もそう思う…」
したっぱ2「わかった!俺様、決心したよ!
これからはアクア団を抜けて、コンテストスターを目指して…」
?「やれやれ…
パーツ1つ奪うのにいつまでかかっているのかと思えば、
こんなガキンチョに手こずったあげく、変に感化されやがってたのか…」
したっぱ1「!!」
ミ「お前は…」
?「おッ、あの有名なミクリさんもいるじゃねえか。
にしてもこいつ、ガキンチョのくせして、なかなかいい面構えをしていやがる」
「あなたは…?」
アオギリ「俺の名前はアオギリ。そこの野郎どもみてぇな奴らと
アクア団ってチームで活動してるモンだ」
ホ「お前が…僕の平和を奪ったアクア団のリーダーなのか…!」
ミ「どうしてお前たちはこんな悪行ばかりするんだ?」
ア「お前達は知っているか?
ポケモンも人も全ての命は海から生まれたってことを。
海は全ての生き物にとってかけがえのない大切な場所なのさ
だがそれをエゴで潰そうとする者が多くいる…だから俺は決めた。
人間の愚かな行動も、破壊された海も自然も
全てを始まりに帰す…とな!
そのためならなんだってやるさ…って、語りすぎたな。
お前ら、今日のところは引き返すぞ」
したっぱ達「「はい…アオギリ様…」」
アクア団は去っていった。
クスノキ「とにかく、明莉ちゃんとミクリさん、ありがとう。このご恩は忘れないよ」
「いえ、私もクスノキさんに荷物が渡せて良かったです」
クスノキ「私は海底調査があるからそろそろ行くよ。またな!」
ヴ「…無事に…アクア団はいなくなったわね…」
「ミクリさんも、本当にありがとうございました…!」
ミ「すまないね。私がコンテストに誘ったせいで、
アクア団と戦うことになってしまって…お詫びにポケモンを回復しよう」
ポケモンを回復してもらった!
明「大丈夫です。アクア団にも隠れた良い人がいるのが知れましたし」
ホ「僕の家族についての情報は得れなかったけど…
あんな優しい人がアクア団にもいるんだね。少し驚いたよ」
「それでは明莉、今度こそコンテストに向かおうか」
「緊張するけど…頑張ります」
「…明莉、ファイト…」
第9話 おしまい
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次回予告
なんと明莉が出会ったのはホウエン最強と言われるジムリーダーのミクリ。
2人でデボンのパーツを狙うアクア団を追い払い、
コンテスト会場に向かうと人だかりができていて…。
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あとがき
どうも!あるいです
ここまでお読みいただきありがとうございました!
~お知らせ~
次回は本編とは少し違った
【ポケモンαs】1人のアクア団の過去[番外編]を10月1日の18時に投稿します!
そして来週の更新はお休みとなります…(( _ _ ))
10話は10月11日の金曜18時に上がります!どちらもお楽しみに。
今回はかなり恋愛要素を詰め込みました
加賀美はテトラが好きなのか、気になるだけなのか…
そしてテトラは加賀美のことをどう思っているんでしょうか。
「いつかはトリンに、テトラのことが気になってるって言わないとよね」
「恋愛って本当に難しいよね。加賀美の恋が上手くいくように祈っとこうかな」
「いや、私だけじゃなくてトリンのことも祈ってあげて。
まだ私は好きなわけじゃないから…」