第25話「願い事」 

 

 

~前回のあらすじ~

バトルの後、ボールの中に閉じこもってしまった歌恋

どうにかして励まそうと明莉たちが奮闘するも効果はなかった。

そこで加賀美は、一つのアイデアを思いつく…。

 

 

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3日後…

 

ソルト(ライボルト)歌恋?聞こえてます?」

歌恋(チルット)「…聞こえてる」

加賀美(キルリア)「モモンのみ、一緒に食べましょう」

「…食べない」

テトラ(ヌマクロー)「過ぎたことは気にせずに俺とバトルでもしようぜ!

強くなるためには鍛錬あるのみだ…」

「………」

「うるさいか。ごめん…」

「…謝んないでよ!気まずいしっ!

とにかくもういいから今は一匹でいたいの…。

ねえ明莉、ボックスに私を送ってよ」

明莉「うん…わかった」

 

ー秘密基地(112番道路)ー

「はぁ…どうしたら歌恋はボールから出てくるのかね〜」

「私が温泉で提案された時に

もっと強く止めておけばよかったのかしら…」

「あの状況で歌恋の意見を尊重したのは

間違いでは無いと思うんだけどなぁ」

ホープ(グラエナ)「にしても本当にジムに一匹で挑むなんてね。

怪我がなくて良かったけど、次も歌恋だけで戦うのはやめよう」

「でも悪く無いバトルだったと思うぜ。

あのハイパーボイスを外してなかったら勝ててただろ」

「…僕も少しわかります、歌恋の気持ち」

「気持ち、って?」

「小さい頃に嫌ほど味わいました。

自分のなりたい理想に、今の自分がどれだけ離れてるか。

その時に思ったんです。ここで諦めたら傷つくこともないと…

歌恋もそう思ってしまったんじゃないかって…」

「諦める…歌恋が…」

「これはただの僕の憶測だから

歌恋の気持ちは歌恋しか知らないんですけどね」

「いや、多分ソルトの言う通りだろ」

「…だけど、あれだけ落ち込んでいても

心のどこかできっとまた勝ちたいと思ってるはずだよ。

いつもチルル、そして自分に対して向き合ってたんだから」

「チルル…歌恋…そうだ。明莉、みんな!

あの子がボールの外へ出てきてくれるアイデアを思いついたわ。

それは──」

 

 

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「はぁ…強く言い過ぎちゃったかなぁ

悪くないのに謝らせたし、バトルでは負けたし…。

やっぱり私なんか、チルルに勝ってる部分なんかないよ…

私自身を好きになろうとなんて…無理だよ…っ」

 

静かなボックスの中に、歌恋の涙が落ちる。

 

「…もう、声も…出ないや…」

 

 

♪〜 ♫〜〜

 

「…?」

 

 

♪〜 ♫〜 ♪〜

 

「この歌声って…」

 

 

♪〜〜

 

“負けないで“

 

「…チルル

 

“ボクの願いは、あなたが歌ってくれること“

 

「チルルっ」

 

“あなたの願いは、何?“

 

チルル!!

 

 

ボールから出てみるとルチアの相棒、チルルがいた。

チルル「やっと、出てきてくれた。

またその声を聞かせてくれて、ありがとう♪」

「私は…私の願いは…

…ずっとずっと…あなたを超えたかった!!

だけど無理でっ…届かなくて!あなただけ進化もして!

自分を好きになれたら変わると思ってた…

なのに!それすらできなかった!」

「………」

「それでバトルにも勝てないってなったら、何ができるの!?

何に勝てるの!?私は私に、チルルに、勝てない!!」

「…負けないでほしいの」

「だからっ、もう負けて──」

まだ負けてない、ってば!!

ねぇねぇ、少しだけボクにも話させてもらっていい?

歌恋が離れていった後に、言いたかったことを♪」

 

言わせてもらうけど、歌恋の歌声ってすごいんだよ。

歌恋の歌声が大好きだよ。おっきな声量が大好きだよ。

昔から上手だった歌が、明莉と一緒に戦うようになってから

今はより成長して…音程も…それに感情の乗せ方も…

 

「全部ボクに負けてなんかない、

いや!きっとボクよりも上手くなる!

だからもう二度と歌うのをやめないで、諦めないで、負けないで!!」

「そんなに言うならさ、チルル…

今までの、これからの努力は無駄じゃないって思ってもいいの?」

「その通りだよ。ほら、みんなが待ってる♪」

「…!!」

 

 

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「みんな…」

「歌恋っ!」

「わっ、加賀美先輩、そんな急に抱きつかないで…!」

「加賀美でいいって…。もう本当に心配したんだから…!」

「おかえり。出てきてくれて嬉しいよ」

「ボックスの外からも聞こえてましたよ、歌恋の声」

「嘘でしょ!?恥ずかしっ…!」

「とても素敵な歌声になってました。ね、テトラ?」

「おう!良いデュエットだったな」

「こんな遅くに急に呼んでごめんね、ルチア

ルチア「ううん、全然ダイジョーブ!」

「あっ、ルチア!みてみてっ⭐︎

この子がボクの言ってた幼馴染の歌恋!」

「めちゃ可愛い子だねー!」

「ありがとう…!」

(なんだか、今まで勘違いしてたみたい…。

比べるのは悪いことじゃない。

でもそれで私の全てを否定するのは違う。

私は私が大好きって、ちゃんと思いたい!

勝ちたい、絶対に諦めないって…思いたい!)

「よく言った、偉いわね〜!」

「テレパシー使わないで!照れる!」

「歌恋。これからもボクの幼馴染で、仲良しでいてね」

「もちろん♪」

「そだ!明莉!せっかくだし一緒にディナーに行こうよ!

おじさまも呼んで、スペシャルパーティーみたいな感じで!」

「いいの!?今からだと結構遅い時間なんだけど…」

「だめっ?⭐︎」

「ウッ…全然大丈夫…!行こっかっ…!」

「あはははっ、メロメロ状態じゃん!」

「そりゃそうでしょ!こんな可愛いアイドル見たことないもん!

…改めて、出てきてくれてありがとう。歌恋。

もう一回アスナさんと戦って、絶対に勝とう!」

「うんっ!もう負けないよ!」

 

25話 おしまい

 

 

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次回予告

 

チルルルチアの協力により元気を取り戻した歌恋

今度はテトラ加賀美と共にアスナと戦いたいと明莉に伝える。

その勝負の裏で、加賀美は謎の違和感を覚える。

 

 

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あとがき

どうも!あまぐです

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

ポケモン30周年おめでとうございます!

新作も発表されましたね。ミオリー可愛すぎる。( ◠‿◠ )

それと花粉すごいですね。皆さんもお気をつけください。

 

「そういやチルルって男の子だったんだね」

「意外と知らない人が多いよね〜。かっこいいでしょ⭐︎」

「確かによく見ると可愛いと言うよりかはイケメンね…」