来る日も、来る日も草とりが続く。

 

畑によって、植物の状態によって、道具を使い分ける。

大抵の場合、手クワと呼ばれるもの。

中腰で、作業をする。

 

植物が小さく、株同士の感覚が広い場合は、長クワを使うことがある。

それは、いつもではなく、ベテランさんの感覚で判断される。

 

手クワは、オールマイティー。

いつでも、どこでも使える道具。小回りもきく。

ほとんど作業を、これでする。

 

長クワは、期間限定。

 

ラベンダーに、つぼみができ始め、茎が伸びてくると、長クワ終了のサイン。

 

長クワは、柄が長く、どうしても振り回すかんじになる。

その時、茎にあたって傷めてしまうことがある。

それを避けるため、手クワを使うことになる。

 

長クワを使うのをやめる動機が、植物を傷めるから。

植物を、ものでなく生き物として扱っている気がして、

なんとなく、その判断の仕方が好きだった。

 

農作物を傷つけないで収穫するのはあたりまえのことだけれど、

なんとなく、その言い方やまなざしに、愛を感じた。