両親がまだ元気な頃 よくフランスに遊びに来てくれた。
旅行好きな母に付き合わされ 出不精な父も同行した。
『娘に会いに行く』という名目(?)の元、
ほとんど母のゴリ押しであった。
ある年、4月末にやって来た両親。
セーヌ川沿いを散策していると 季節外れの粉雪がちらついて来た。
美術館に入館して暖をとることにする。
ひと通り鑑賞し 出口に向かおうとすると
母が ある一枚の少女像を「もう一度観ておきたい」と言い出した。
帰る気満々だった父は不満気である。
父をその場に残し、母とその絵の元へ急いだ。
「この子 あたしの子供の頃みたいなのよ〜」
母と少女像を一緒に写真に収めた。
先日逝去された 山田五郎さん曰く¨元祖へたうま画家¨
アンリ・ルソー 人形を抱く少女像 1905年ごろ
子供時代は知らないが、実際に母は 割とふくよかだった。
こうやって観ると少女の抱く人形が父にも見えてくる・・
そんな父に手厚く介助され 数年前 夏の盛りに亡くなった。
母の命日が近い。
