ある年の真夏の暑い日の夜
ちょうどお祭りが開催中だったので
仕事帰りにその雰囲気でも味わおうと露店を眺めながら
歩いていたら
後ろで「ヨシトっ(仮)‼︎」と叫び声
何の気なしに振り返ると3歳か4歳位の男の子が力なく地面に座り込んでる
いや、ただ座り込んでいるんじゃなくて
よく見ると手足がけいれんしている
マズイんじゃないか?と思う前に体が動いてました
『ちょっとごめんなさい』
男の子の傍にしゃがんで呼びかけてみる
『こんばんわ。お名前言えるかな?』
「…ヨシト…」
意識ははっきりしているようだが
脈をとると、脈は早かった
お母さんに
『この子は持病がありますか?』
と聞くと
「ありません」
頭の中で目の前の症状を検索してみましたが
なかなかヒットしませんでした
焦りました
その時近くにいた年配の女性のが
「熱中症かな?」
と私に言ってきたので
もう一度男の子の顔を見ると、汗をかいていない
この蒸し暑さで手も足も発汗してる感じではない
思い出したのが救命講座での熱中症の講義
『昼間は汗をかいてましたか?』
「はい。沢山汗をかいて沢山水を飲みました」
昼間から続く蒸し暑さと、今現在汗をかいていないこと、大量の水の摂取、けいれん、頻脈からこの子は熱けいれんを起こしていると予想しました
隣で大声で男の子の名前を呼んでいるお母さんを
落ち着かせて、救急車を呼び、近くにいたお兄さんにスポーツドリンクを買ってきてもらい、露店のおじさんにスプーンを借りました
その間、周りの方が団扇などで風を送ってくれたりと皆で男の子を助けようと一生懸命でした
私はスポーツドリンクをスプーンで少しずつ飲ませようとしましたが、けいれんの痛さ…筋肉が攣る痛さからか泣き止まず飲もうとしてくれません
やっぱり、知識として知っていても
実際にとなるとうまくいきません
ここでも焦りしかありませんでした
が、
先程の年配の女性が
「まずは貴方が少し落ち着きましょう」
と、小声で私に言いながら背中を柔らかく叩いてくれました
私が焦るとそれを見てるお母さんが更に動揺する
自分を落ち着かせて、少しずつ飲み始めた男の子に話しかけ続けその頃にはけいれんも収まりつつありました
そうこうしてるうちに救急車が現着
顔見知りの救急隊長さんに
「あれ?どうしたの?」
と言われましたが
挨拶を抜きにして症状と対処を報告し男の子とお母さんを
救急車に乗せてすぐに病院に向かわせました
救急車を見送ったその後私は、腰が砕けました
改めて、医師や看護師の凄さを実感しました
どんな状況でも落ち着いて対処出来るって中々出来ることではないです
私1人なら、多分パニックになっていたでしょう
いえ、正直なところパニックでした
私もまた
周りの人達に助けられた1人です
できれば経験したくないことですが
いつどういう状況に遭遇するかわかりません
その状況遭遇した時に
如何に落ち着いて対処できるかがどれだけ大事なことかを
学んだ出来事でした
そして、後日
現場に来てくれた救急隊長さんから
男の子は、点滴を打った後元気になって帰ったらしい
と話を聞き、安心しました
