天覧競馬となった秋の天皇賞は衝撃の1分55秒2というタイムでした。
まさに歴史的な結果となりましたが……。
障害レースファンには、その翌日に発表された「熊沢重文騎手、引退」という
報せも驚きを隠せませんでした。

平地と障害の二刀流、有馬記念と中山大障害をどちらも勝つ騎手は
今後、しばらくは現れないかもしれません……。

先週の障害レースですが、土日にそれぞれ行われた未勝利戦を取り上げます。


・10月28日(土)新潟1レース 芝2850m
(美浦)
クリノエイブラハム
→13人気/13着
イサチルアルマーレ
→11人気/11着
クリノユキツバキ
→14人気/12着
(栗東)
アメリカンピース
→12人気/6着
ファーストリッキー
→10人気/9着
スワヤンブナート
→4人気/2着
タケルラスティ
→7人気/10着

勝ちタイム:3分07秒6(雨・芝:やや重)

土曜日の未勝利戦は初障害馬が大挙、7頭が出走しました。

勝ったのは1番人気のプンタアレナスでした。
4戦連続で2着が続いていましたが、ついに初勝利を挙げました。
障害転向以降、成績は(1.5.2.0)と全てで馬券対象になっています。
スタートこそ外にヨレましたが、飛越は危なげなし。
早めに先頭に立って押し切りました。

初障害のスワヤンブナートが2着。
もともとデビューの時から去勢されており、気性の悪さが気になりますが
入障初戦から結果を出しました。前走比プラス18キロでした。
太くは見えませんでしたが、使った次は体調面の上積みも期待できそうです。

5番人気スマートルミエールが3着でした。
これで5戦続けて掲示板を確保しましたが、連対圏内までは入れず。
自在性があるのは強みですが、勝ち切るまでのパンチ力が足らない印象です。
大崩れはしないと思いますが、3連複の3列目で抑える程度で良いと思います。

ランドオブリバティは鼻出血で競走中止。
ケガではないのは不幸中の幸いでしたが、馬によってはクセになってしまうことも。
再発しないことを願うばかりです。


・10月29日(日)新潟4レース 芝2850m
(美浦)
シゲルヒラトリ
→8人気/6着
ピンポイントドロー
→11人気/9着
ゴーストレート
→9人気/11着
(栗東)
フォイアーロート
→6人気/1着
レベランス
→4人気/10着

勝ちタイム:3分10秒5(小雨・芝:重)

公式発表は「小雨」でしたが、映像で見る限り、雨量は多かったように見えました。

勝ったのは初障害のフォイアーロートでした。
好発から逃げ馬を先に行かせて脚を巧く溜めていました。
飛越は外に逃げながら飛ぶ場面もありました。
まだ上達する余地が残っているように見えました。
平地では短距離ばかり使われていましたが、こういう馬でも初戦から
勝ってしまうのが、障害レースの面白さだと思います。

2着は2番人気のリメンバーメモリーでした。
番手でしっかり折り合えていましたし、ロスのないコース取り、飛越でした。
勝ちパターンにも見えましたが、勝ち馬に最後差されたのは
重馬場の巧拙の差もあったかもしれません。
勝ち馬は平地の重馬場で勝利がありましたが、こちらは着外2回。
ただ、未勝利なら近いうちに勝ち上がれそうです。

ハナを切ったゼンカイテンが3着に粘りました。
スタートして最初の障害を飛越した際にアブミが外れるアクシデント。
そこの直後で制御が効かなくなる場面もありました。
井上敏樹騎手は上手く入れなおして立て直したのはお見事でした。
最後はバテましたが、4着以降は7馬身離しました。
スムーズなレース運びなら、次はもっと少差に持ち込めそうです。

1番人気のタイセイコマンドは3.6秒差の8着に終わりました。
テン乗りとなった石神深一騎手でしたが、手が合わなかったようです。
固定障害の中山も、置き障害の新潟でも好走歴がある馬、
力はあると思うので、立て直しに期待したいです。