■友達10人削除でハンバーガー1個--「WHOPPER SACRIFICE」成功の裏側
サンフランシスコ発--「この会場にいる皆さんのうちどれだけ多くの方が実際に犠牲になったのかは分からないが、お悔やみ申し上げたい」。広告代理店Crispin Porter + Bogusky(CP+B)のインタラクションデザイン部門責任者であるMatt Walsh氏は米国時間4月3日、Web 2.0 Expoでの講演で聴衆を見渡しながらこう述べた。
提供:Burger King 結局のところ、CP+Bこそが、FacebookでのBurger Kingの広告キャンペーン「WHOPPER SACRIFICE」(ワッパーの犠牲者)現象を生み出した企業なのだ。WHOPPER SACRIFICEキャンペーンとは、Facebookの友達リストから友達を10人削除した参加者は、ハンバーガー1個と無料で交換できるクーポンをもらえるというもの。このキャンペーンは大成功を収めた。このFacebookアプリケーションは数日間で6万回近くインストールされ、発送されたWHOPPERクーポンは2万枚に迫り、20万人を優に上回るFacebook上の友達が削除された。Facebookメンバーは、メンバー同士が互いをいったん友達として追加した上でWHOPPER SACRIFICEのために削除することを申し出る非公式のグループまで作成した。
しかしWHOPPER SACRIFICEでは、友達が削除されると、その友達に通知が送られたことから、Facebookは、ユーザーのプライバシーの侵害にあたるとして、10日後にこのキャンペーンを無効にした。Walsh氏は「(それは)Facebookのコンセプト自体に挑戦を仕掛けるもので、WHOPPER SACRIFICEの方が犠牲になった」と語った。皮肉なことに、このことによってキャンペーンの話題性はいっそう高まる結果となった。
Walsh氏はWeb 2.0 Expoで壇上に立ち、WHOPPER SACRIFICEの成功の背後にあった秘密のソース(うまい例えだ)と同氏が考えるものについて語った。同氏はこれを「deceptive simplicity」(見せかけの単純さ)と呼ぶ。
「そのアイデアはごくごく単純なものだ。ユーザーにとって、極めて簡単に伝達できるメッセージだ。友達を10人犠牲にすれば、無料のハンバーガーを1個もらえる。究極の『エレベーターピッチ』と言ってもいい」(Walsh氏)
しかし、キャンペーンの背後にあった意思決定プロセスはもっと理論的で、ほとんど人類学的ともいえるものだった。Walsh氏によると、WHOPPER SACRIFICEが人気を博したことのもう1つの中核的な要素は、それがデジタル文化において現実の「緊張」を利用したことだという。つまり、ソーシャルネットワーキングによって、人々が考える「友達であること」の意味がどのように変わったかということだ。
「長い間、社会的な空間において友達を持つということは、社会における一種の通貨のようなものだった」とWalsh氏は説明している。ソーシャルネットワークの「システム全体が、ある意味で、ユーザーがネットワーク内にできる限り多くの友達を集め、できる限り早く友達を増やすことに依存しているといえる。しかし結局、あらゆるものが目新しく感じる黎明期にはすべてが素晴らしく思えるが、ソーシャルネットワーキングの世界に入ってずいぶん時間がたった今、果たしてWeb 2.0の世界における友達とは何か、という疑問が生まれてくる」(Walsh氏)
そのような挑発的な姿勢を、単純で考える必要のないキャンペーンと組み合わせたことが、成功の要因だとWalsh氏は言う。
Walsh氏は、聴衆の中のマーケティング担当者たちに対して、次のように提案した。「多くの疑問に直面し、多くの仮説に直面し、多くの追加要素に直面することだろう。WHOPPER SACRIFICEは、ほとんどゼロに近いメディア予算で、ウイルスのような急速な広まりを見せた。われわれはFacebook自体に小さなバナーをいくつか掲載したが、そのほかにはプレスリリースを行っただけだ。大成功したのは、人々の強い共感を呼ぶものだったからだ」
反響は必ずしも肯定的なものばかりではなかったこともWalsh氏は認めた。
「通知が送られたため、少々残酷だと考える人もいた。友達リストから削除された人は、自分はWHOPPER 1個の10分の1ほども価値がないというメッセージを受け取ることになった」(Walsh氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。
出典:CNETjapan
先日お伝えした
記事 の続編です!
