追憶ライムライト | 魔法の秘密基地。

追憶ライムライト

先月、小谷美紗子さんのライブに行った。

南青山のお洒落なお店。雨が灯りをあたたかく包むように降っていて、小さい頃に観た海外の喜劇映画を思い出す。

遥か遠い記憶を貪るような、そんな夜だった。

“街灯の下”から始まった。ここ最近ずっと聴いていた曲だった。

化粧室から戻ってくると、上司がジンジャーエールを溢していた。
周りのお客さんに謝っていた。誤魔化し笑いもせず、真剣に落ち込んでいた。笑ってしまった。


悲しみを 蔑みを うらぎりをありがとう
私をうたわせて 生かしてくれてありがとう

照れるような光を 愛しい気持ちをありがとう
あなたが救ってくれた私の過去にありがとう
(小谷美紗子)

ジンジャーエールの泡はやがて消えてなくなる。
私は小さい頃人魚姫に憧れた。今もあんな愛し方が出来ればと思う。
あの人魚姫でさえ、泡になって消えゆくのだ。

思い出は泡だ。
潰さないように、日常に溶けてなくなってしまわないように“ありがとう”を呟き続けよう。

夢のような夜の泡のお話です。