里親登録の審査結果が出るまで、まだしばらく時間がある。
もし審査に通ったら、どうしよう。
焦る気持ちを落ち着かせるために、研修で学んだことを復習することにした。
テキストや資料を読み返した。
養子を受け入れて一番の難関は、やはり真実告知。
伝え方やタイミングは、家庭によって様々だ。
養子斡旋団体の職員の話では、小学校の入学前後くらいが望ましいそうだ。
5歳から7歳くらい。
そのくらいがベストだと、私も思う。
うまくいかなければ、傷付けてしまうかもしれない。
心を閉ざされてしまうかもしれない。
私たちにできるだろうか。
『大丈夫だよ。
なんとかなると思うよ』
まさおはポジティブなので、私だけが過剰にビビっている。
配慮のない学校もまだまだ多いようで、名前の由来や、自分の出生について調べるという課題が出ることもあるそうだ。
そういえば、私たちの時代はそんなこと当たり前だった。
その時はわからなかった。
もしかしたら、苦しんでいた子が周りにいたかもしれない。
名前の由来や産まれた時のことを聞かれる日が来る前に、告知をしておきたい。
最近では、真実告知用の絵本があるそうだ。
便利なツールは是非活用したい。
もしこうだったら。
ついつい色々妄想してしまう。
まだ里親になれると決まった訳ではないのに。
私も少しずつ楽しみになってきているのかもしれない。
不安と恐怖の方がまだまだ勝っているが。
『しっぽちゃんと子どもは、お揃いの洋服を着るんだろうね』
子ども用のハロウィンのコスチュームを見ながら、まさおがうれしそうだった。