午後からは子ども達と室内で遊んだ。

おもちゃで遊んだり、絵本を読んだり。

まだ字は読めないのに、一生懸命読み聞かせをしてくれた。

何度も読んでもらっているのだろう。


おやつの時間になった。

2人の子どもを、私達夫婦がそれぞれお世話をした。

『おいしいね』

『おいしいね』

ニコニコ、うれしそうにプリンを食べていた。


おやつが終わったら座学の時間。

朝のオリエンテーションの古い建物へ移動することになった。


『バイバイ、またね』

『また遊ぼうね』

たった数時間だったのに。

また会いたくなった。

苦しかった。


座学はアレルギー症状で、あまり集中できなかった。

埃っぽい部屋。

目、耳、鼻、喉が痒い。

座学をしている職員も咳き込んでいた。


座学が終わり、資料を読み直してレポートを書いた。

子ども基本法。
子どもの人権。
施設の子どもの特性。
虐待について。
発達のこと。
児相や施設の人員不足で十分な養育ができないこと。
子どもたちのスマホやSNS問題。
真実告知。

何度か受講した研修でも聞いた内容だったが、改めて考えさせられた。

最近では働き方が変わり、施設の職員と子どもの関係が昔に比べて希薄になってきているそうだ。

そういうことも里親制度を推進している理由の1つだと言っていた。


レポートを提出して帰宅した。

帰りの車内で反省会になった。

感情が昂っていた。

しっぽ『もし体力があったら、何人か受け入れたくなった』
まさお『1人育ててみてから考えよう』

まさおは冷静だった。

しっぽ『こっそり連絡先を教える人がいるって、なんとなく気持ちがわかるよね』
まさお『確かに。
どうにかしてあげたいと思うよね』

もちろん、連絡先を教えるのは禁止。
里子においでと誘うのも禁止。

実際にやってしまった人がいるらしいが、気持ちは理解できる。


子ども達が愛情に飢えていることくらい、素人の私にでもわかる。

しんどい1日だった。

でも、充実した貴重な時間だった。

次の実習でも、またあの子達に会えるかな。

楽しみ。