児童養護施設での里親研修。

実習1日目。


朝から晴天。

暑そうだ。

行きたくない。


起きてすぐ、コロナとインフルエンザの抗原検査をした。

検査キットをそのまま提出しないといけない。

陽性だったら休める。

初めて陽性を願った。

結局、予想通り陰性だった。

渋々支度を始めた。

口数少なめで出発した。


施設の入口で気持ちと顔を外面モードに切り替えた。

『おはようございます。
よろしくお願いいたします』

オリエンテーションのために、部屋に通された。

現在は使用していない古い建物。

『時間まで少しお待ちください』

部屋の半分は荷物が積み重ねられていた。

埃っぽい。

エアコンは黄色く変色し、ガタガタと音がしていた。

かろうじて涼しくて安心した。


私は極度のアレルギー体質。

すぐに症状が出始めた。

目、耳、鼻、喉が痒くなってきた。

鼻水、咳。


まさお『大丈夫?
ここやばいね、場所を変えてもらう?』

しっぽ『少しだけだから大丈夫。
オリエンテーションは30分だし』


オリエンテーションが終わり、子ども達が生活をしている施設へ案内された。

平日なのでほとんどの子ども達は幼稚園や学校へ行っていた。


『こんにちは』

2歳の子が2人いた。

少し警戒して、こちらをじーっと見ていた。

大人に慣れているのか、すぐに近寄って来てくれた。


外遊びをすることになり、手を繋いで公園に向かった。

2人とも、見えるところに傷があった。

この施設の8〜9割は虐待を受けていたと聞いていたので、苦しかった。


『はい、どうぞ』

葉っぱや石ころ、木の実をたくさん拾って持ってきてくれる。

『ありがとう』

ニコニコしながら、何度も何度も。


少しでも楽しんでくれていたらうれしい。

せっかくの貴重な時間、私も楽しもう。