養子を受け入れるための書類。
提出期限が迫ってきている。
戸籍は無事に入手できた。
準備した書類をチェックしながら不安になった。
健診結果、これで落とされたりしないかな。
精神疾患があると審査に通過できない可能性があると言われている。
健診の備考欄に【動悸・不眠・不安感・イライラ・憂鬱】と、しっかり書かれている。
これは完全にバレバレだ。
病名こそ書いていないが、誰が見ても精神疾患だと思うだろう。
健診を受けた時期が一番辛い時期だった、という言い訳は通用するだろうか。
追い込まれている。
宿題が全く進まない。
里親になるにあたり、自分の考えを記入する。
項目が多すぎて書く気にならない。
里親になりたい理由
自分の生い立ち
自分の親について
真実告知について
養育者とは
子育てについて
どんな子に育ってほしいか
児童福祉施設の担当が言っていた。
『自分たちの将来が心配だからとか
家の跡継ぎがいないからとか
そういう理由では難しいです。
子どもの将来を里親の都合で決めてはいけません』
確かに理屈はわかる。
世の中の里親希望者は、自分の欲もなく、ただ慈善の気持ちだけなのだろうか。
将来、まさおを残して先に死にたくないし、先に死なれても困る。
孤独が怖い。
家族が増えると少し安心だ。
それが本音。
考えがまとまらない。
印象が悪くならないようにしたい。
いや、それは偽善だ。
実際、少し偽善なくらいが好印象なのだろう。
悩ましい。
まさおはもう終わらせたようだ。
落ち着いて、素直に書こう。
徹夜は嫌だ。