遊ぶチカラと類似のチカラとして、

笑いのチカラがあります。


笑いのチカラは、相手を笑わせるとか、

そういった能力ではなく、事実を笑いに変換するチカラです。



何事も遊びに変えられないか?

と、思っていると、出てくることは全て遊びの道場になるのですが、


笑いも同様で、なんでも笑いに変換する道場になります。


遊びが、つまんない、退屈、興味ない界隈で、

使えるのに対して、

笑いの強いところは、悲しみとか、弱さの近くで、

変換することが出来るところかなと思ってます。



しょぼいってやっぱり笑えるんですよね。

落語とかでも、人間の愚かさを笑ってるわけです。

バカにする笑いというのもありますが、

バカだよねーっていう笑いですね。



出川哲郎さんの横浜アリーナの還暦祝いのイベントが

半日で完売してしまったというニュースを目にしましたが、



みんな、出川さんのすごいところ、かっこいいところを見たくて行くわけじゃないですよね。

願わくば、しょぼいところたくさん見せてもらって、大いに笑いたいと思うんですよね。ちゃんと喋らないとか。



僕はもうおじさんなので、出川さんが、

嫌いなタレント1位だった時期をよく覚えています。

当時の自分も出川さん嫌いでした。笑



この、数十年でここまで変化して、

人気者になるなんて、90年代には想像もつきませんでした。



僕の勘違いでなければ、当時の出川さんはどこか、

自分で計算して笑いをとる、いわゆるダウンタウン松本さん的な笑いを目指していた様に思います。


やってることは、リアクション芸だけど、

なんとなくそういうものを感じていました。



しかし、人気が出始めたあたりの出川さんは、

すでにキレ者芸は諦めて、リアクション芸人であることに誇りを持ってやっていて、


実際、巻き起こる奇跡みたいな展開の笑いや、

上手く喋れないとか、失敗するとか、



普通の人が落ち込むことが、どんどん笑いになって、

今や、国民的なお笑い芸人になりました。

全世代の統計だと、1番人気あるんじゃないかな。



それは、みんなが安心して人間のダサさを笑えるからなのでは?と、思ったりします。



それと同じ様に自分に起きたこれまでの悲しい出来事やら、明らかに欠点としか言えないしょぼい部分というのは、実は笑いに変換できます。



俯瞰してみると、笑えるのです。



よく芸人さんが何か時間が起きないと笑いにならん。悲しい出来事が、ネタになる!とか言ってますが、

そうやって、俯瞰でものをとらえて笑いに変換しているんです。



深刻脳になっていると、ちょっとした悲しいのことでも、落ち込んでしまう。落ち込んでもいいんですが、毎回しんどいですね。



でも、ちょっとした失敗とかも、

実は笑えるのではないか?

という時点で見てみる。


他人の失敗談として聞いたら、笑ってない?

と、問いかけてみるのです。



そうやって、自分に起きている出来事をイチイチ笑えないか?と捉えてると、脳が笑いに変換する力を作っていきます。



僕の卒論のテーマはユーモアの心理学だったのですが、物事を笑いで捉えられる人は、抑うつ傾向が弱まる統計データがでました。まあ、しょぼい卒論なんで、優位差と言っていいのか?って感じです。



笑ってしょぼさにすごく優しいです。


その優しさについて思い出すエピソードがあります。



笑いと言えば、バンとすぐ思い浮かぶのが明石家さんまさん。


さんまさんがすごいなあって思うところも、

いろんな人のしょぼいところを引き出して、ちゃんと笑いに変えていくところです。


さんまさんが上手くいじらなければ、ただの悲しかったり、欠点の話が笑いになっていく。



その象徴的なエピソードが、

中川家の剛さんが、パニック障害で苦しんでる時に

さんまさんと一緒に仕事をすることになり、


ほぼ初対面だった状況でさんまさんの第一声は、


「パニックマン!」


パニックのPを額に書いて、困ってる人を助けに来たけど、手が震えて助けられないというコントをやったらどうや!と、アドバイスしたそう。



ほとんど頭おかしいのか?だと、思わせる話で、

剛さんも、「なんちゅうこと言うんや、、」となったそうですが、



その誰もが深刻に気を遣ってしまう状況で、

パニックマンの笑いの変換が、さんまさんが明るく笑いに変えたことで、周り空気もほぐれて、なにより、

剛さんが楽になったそうです。



さんまさんのフォローは続いて、

緊張してしまう剛さんをそれはそれで面白んだから、

自分が責任とってなんとかする


と、言ってくれたそうな。



この、エピソードはテレビで見たのですが、

めっちゃ泣きましたね。

感動的な映画では泣かないのにこのエピソードは泣きました。


芸人同士だから成立するこで、

さんまさんだから出来ることではあるので、

一般的にこの方法で笑いに変換するのは危ないのですが、さんまさんのおかげで剛さんは楽になったそうです。



めっちゃ優しいなーと。



ダメだと思っていたパニック障害の症状や、

緊張してしまうことなど、



笑いに変換してくれることで、許されるような、

別にパニック障害でもいいじゃん

という感覚が生まれたのではないかと。



これ、重めのトラウマや、どうしても落ち込んでしまう欠点にはいきなり使えないですが、



ちょっとした悲しいことや欠点と思える部分、

自分がダメだと思ってることを、



一歩引いて、笑いにしてやることで、

結構自分自身が楽になると思います。


あれ?おもろいやん。



が、出たら、こっちのものですね。

自分がOKなら、そのしょぼいエピソードを

他人に話してみてもいいかもしれません。



おすすめはプチ悲しい出来事を、

人ごとの様に見て笑ってみることですね。



あー、悲しいね、でもその悲しい感じ笑えるね。



って。



悲しいが面白いに変わったら儲けもの。