東京芸術劇場で公演中のミュージカルパレードを観賞してきました
しかも2回も!!アメリカで実際起きた冤罪事件「レオ・フランク事件」を題材にしたミュージカルの日本初演。
1回目に観たときは、この作品の背景(南北戦争とか、人種差別とか…)を何も知らない自分の無知さゆえに理解が追いつかず、濁流に飲まれていくかのような展開にただただ圧倒されてしまいました。
中2日の間に少し調べ(といっても、ウキペディアにレオ・フランク事件の記述がありました!)つつ、理解しきれなくてもこんなに素晴らしいキャスト・オーケストラをただ楽しもう!と気持ちも切り替え臨んだ2回目。
しかも80分ある1幕でものすごく消耗することも身をもってわかっていたので…羊羹持参で(笑)幕間にほっこりを補給。
1回では理解できなかったこと、
1回ではぴんと来なかった曲たち、
不思議と2回目ではすっとお腹に入ってきて、
たったの中2日でも、
一体感が増し進化しているお芝居に、
疲れの見え隠れする喉。
改めて舞台は生ものなのだと実感。
全体を通して、とりにくいリズム、転調の多い難解な音程、和訳した歌詞の独特の譜わり…歌と伴奏がバラバラに動くように感じる箇所もあちこちに。
難しすぎて鼻歌なんかでは歌えない曲ばかりで耳に残らないな…なんて思った1回目。
お席の関係もあって歌詞もよく聞き取れた2回目では、すっかり楽曲のファンに。
いつか機会があれば、全力で「正義の鉄槌誰が下す!」と歌ってみたい(笑)
歌詞と言えば、
舞台の上には印象的な大木が1本。
この木、たった1シーンでしか使われません。
(木影から人が出てきたりはしますが)
それなのに、グッズのTシャツもトートバッグも(そのシーンの)この木のモチーフ。
なんとも物悲しいし、
勿体無いような気がしていたのですが…2日目で急に納得。
堀内敬子さん演じる主人公の妻が一幕で歌う詩にもあるのですが、
どんな状況に追い込まれようとぶれることなくそ居続けた、大きな木のように揺るぎのない主人公レオの姿だったのかと。
他には、全編を通して舞い続けるパレードの紙吹雪に、八百屋舞台。回転するステージとストップモーションはとても素敵。
正直に言って、観終わった後に気持ちの良い作品ではありません。
でも、観られて良かったと思える作品。
今、この日本で観られて良かった。本当に。
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登場人物が多すぎて、少し理解するのに苦しんだこの作品ですが…カーテンコールで数えてみるとキャストは全部で22名。1番人数の多い?シーンではステージ上に19名!
主人公夫妻を演じたお2人以外は、名もなき一市民から物語の鍵を握る人物まで1人2役も3役もされているそうで、目や耳が慣れてくるとそれを見つけるのもひとつの楽しみに
そんな時、ふと脳裏に浮かんだミュージカル作品。
子供の頃、学校単位で招待されて観に行った劇団四季の『ジョン万次郎の夢』
この作品が私が初めてちゃんと観たミュージカル。
子供心にわぁー♡っと思って、
劇中歌を教室でそれっぽく歌うほど(笑)
友人たちは私ほどははまらなかったらしいことと(祖母が高知の出身なのでジョン万次郎さんに馴染みがあったこともあると思うけれど)、
クラスメイトたちが私が一回観ただけのミュージカルの劇中歌を歌えることを不思議がったり、褒めてくれたり。
その曲をみんなの中心で歌い上げる主人公 ジョン万(劇中での彼の愛称)の声、歌う時の体の使い方、癖…はっきりとは覚えていないけれど、ぼんやりと浮かんできたそれは、なんだか今観ている光景に重なるような気がして、調べてみたら
もしかしたら、私、
25年前にこの石丸万次郎さんを観ていたのかもしれません。
♪
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この地球を支えてる