浜崎あゆみ COUNTDOWN LIVE 2013-2014 A | ラフラフ日記

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ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2013-2014 A
2013年12月30日(月) 国立代々木競技場第一体育館




やっと、昨年最後のライブまで来ましたよ。はたして、覚えているかな?
これ、多少そのときにメモしたことはあるけど、基本的には下書き保存しておいて書くとかじゃなくて本当に「今」書いてるから、「記憶」だけで書いてることになっちゃうんだよね。やっぱり、なるべく早く書くのがいいんだろうなぁ。後からわかることもあるけど、それはあくまで後からわかることだからね。

それでも、このライブがすごくよかったことはよく覚えてる。
ポール・マッカートニーの後に観るライブ。そして、この後には、エレファントカシマシ デビュー25周年記念 SPECIAL LIVE という、とんでもない位置に挟まれてしまったにも関わらず、そのせいで埋もれてしまうにはあまりにもったいなく、いやむしろ他のライブだったら前後が強烈すぎてかき消されてしまったに違いない中で、しっかりと「光」をくれるライブだった。


まず、これが今回の「ロゴ」。



ロゴなんてあまり気にしたことないのだが、今回ばかりは立ち止まらずにはいられなかった。
「これは、どこからどこまでがロゴ!? てか、これはもはやロゴ!? ロゴって何!?」

いつもはあるタイトルも今回はない。もっとも、ライブに特定のタイトルが付くようになったのは、カウントダウンライブだと 2009年末の “Future Classics”、ツアーだと 2005年の “MY STORY” くらいからか。

CD 買ったら、LPサイズのカードもらえた♪ ロゴとのギャップ。



ライブは、ここ最近のあゆのライブで一番よかった。

一曲目の新曲「Feel the love」からいきなり、私がこんなことを考えてる間にあゆは次の次の次くらいのフェーズに行ってるんじゃないかと思い、一気に時計の針が進んだ。いや、進んだというより、現在になったのか。

今流行りの “EDM” を取り入れたという新曲がそうさせるのか、今までは、新しいことにどんどん挑戦していっても埋もれないあゆのメロディだとか、あるいは、古さの中に新しさを見つけようとするとか、新しさと古さがせめぎ合ってるところがあったけど、今は、古さにも新しさにも振り切れてる感じがする。同じ曲の中でね。

そして、私はアリーナ後方だからよく見えなかったんだけど、ステージセットが何やら凄いことになっていた。よくわからないところから開いたり、すべり台状になったりしていたらしいし、そこに映し出される炎やら光線やらとあいまって、私は 1月に観たミューズのライブを思い出した。あの動くピラミッドを観たとき、やっぱり凄いな、邦楽のライブではここまで感じることはなかったと思ったのだけど、ありましたここに。
城を作るとか船を作るとかではなくて、一枚の巨大な岩がいろいろ変化して表現していくというような、原初的な感じ。

と同時に、やはりこれも感じてしまった。世間との「ズレ」。ズレというか、ここでは凄いことが起こってるのに、それがちっとも世間に伝わってないんじゃないかという「もどかしさ」。会場を一歩外に出れば、誰もこれを知らないんじゃないか。
あゆは売れてるじゃないか、代々木体育館で三日間もライブできてるじゃないかと人は言うかも知れないが、一体誰がこれを知っているのか。

こういう「もどかしさ」を感じるアーティストって、なかなかいない。それは浜崎あゆみが「現役」であるということだと私は思っているのだけど、そういえば、ここ最近のライブではこういう「もどかしさ」を感じなかったかも。


もうひとつ感じたのが、あゆの「歌」への思いと「歌」という存在。
中盤の聴かせどころで「Love song」を歌い、アンコールでは久しぶりに「Curtain Call」を歌い、歌にかける情熱とこれまで常に隣にあった歌という存在を感じた。

「Love song」、ほんとうに良くて。
私はこの歌ほんとに不思議で、哀愁もあって情緒もあって古くさくなってもいいはずなのに、緊張感が途切れずピンと張りつめてる。というか、あゆの歌はいつもそうだ。
あゆの歌声は、「張りつめた弓」だ。ピンと張りつめてて美しく、そのくせしなやかで、弦は繊細にふるえる。だから、古くもならないし新しくもならない。あゆの凄さはこういうところにあるのかなって思う。歌が上手い歌手、声量が凄い歌手、色々いるけど。

それと、最後が「Bold & Delicious」だったからより一層思ったんだけど、あゆのボーカルって「ファンキー」だと思う。「Bold & Delicious」みたいにファンキーな曲じゃなくても、ロックでもバラードでも何でも、あゆの歌声が本来持ってる「ファンキーさ」ってあると思うのよね。ファンクとか R&B を標榜しているアーティストみたいなファンクではないけど、ほのかに潜むファンクというか。それがあゆの歌に「こし」を与えていると思うの。だからこそ、あゆのロックは気持ちいい。

浜崎あゆみの音楽って、ルーツがわかりづらいかも知れない。けれど、ルーツから解き放たれた自由な音楽という感じもしない。
不思議だけど、そういう色々な要素が複雑に絡み合ってそうなっているんじゃないかな。
最近、槇原敬之がアイリッシュ音楽好きだと知った。そういえば、「世界に一つだけの花」にはバクパイプとかバンジョーとかアイリッシュの要素があった。ということで、槇原敬之作曲の浜崎あゆみ「Sweet Season」を聴いてみたら、ありました、“マンドリン” が。
あゆはなんだかんだで、その曲のルーツや本質に触れる。それでから、ぐにゃっとわからなくなる。破壊と創造。


「CAROLS」がすごく良かった。
昔のあゆが、私が好きになる前の 2000年とかそのへんのあゆが目の前で歌っているように見えて、一瞬混乱した(「CAROLS」は 2004年の曲だけど)。ああ、私は昔からあゆが好きだったんだなぁ。
今度は一気に時計の針を昔に戻したりして、どうしてこんなことができるんかなぁ。

私が行ったのは 30日だけど、年が明けて最初の曲は新曲「Merry-go-round」だったという。
始まりのようにも終わりのようにも聴こえるこの曲。終わっては始まって、始まっては終わって、でもまた始まって、繰り返していくという無限ループ。m-flo によるトラックとラップもそうだけど、どこが始まりでどこが終わりかわからない、今までにない感じ。あ、31日は m-flo の二人が登場したらしいです。DJ Hello Kitty も。
「解けない呪文を教えてください」「夢なら今すぐに目覚めさせてください」を同じメロディに重ねるセンスが好きだ。

やっぱり新曲は、「Feel the love」も含めて、新境地を切り開いたと思います。ボーカル的にも。裏声とか。
にしても、

“「ほらね」だなんて言わないけど
 もうそろそろ見る目養ってもいいんじゃない
 なんてよく耳にするけど実際
 正しい恋愛ってなに

 迷走してない人なんている?
 過去を落とし込むメモリーはまだあるから”


って、世間の目を思いっきり気にしてるあゆが好きです(笑)。
でも、これが “笑える” からいいんだよね。

次の曲がり角をまがったら、どんな景色が見えるのだろう。

なんというかですね、新曲には “日常” とか “普段着” といったキーワードが浮かんだんですよ。


MC も復活して、あゆたくさん喋ってました。前回のカウントダウンライブでは挨拶以外一言も喋らなかったからね。面白いあゆが復活してて、私は嬉しかったです。
紅白でも、面白いあゆが復活してたしね。

エレカシ 25周年記念ライブで、宮本のこの笑顔が見たかったんだと、ずっと宮本に笑って欲しかったんだと、それを会場にいた 14000人が待ちわびていたんだと、そういう感想を読んで、ああそうだなぁと思った。

世間との「ズレ」、あゆには「もどかしさ」があるといったけど、あゆに対しても同じかもなぁ。私は、あゆの笑顔が見たくて、あゆに笑って欲しくてライブに足を運んでいるのかも知れない。「あゆと浜崎あゆみと…ミッシングリンク」で書いた、報われる日というのを待ち望んでいるのかも知れない。

もちろん、エレカシだってあゆだって、今まで一度も、もどかしさから解放された瞬間や笑顔がなかったとは言わないよ。まったく、涙のテロリストは手に負えないです。笑顔の未来へ行こう!


【セットリスト】

01. Feel the love
02. WE WISH
03. Free & Easy
04. Because of You
05. CAROLS
06. momentum
07. is this LOVE?
08. Love song
09. Merry-go-round
10. You & Me
11. SURREAL ~ evolution ~ SURREAL

12. part of Me
13. Curtain call
14. Boys & Gilrs
15. Humming 7/4
16. Bold & Delicious


ところで、開演前にアヴィーチー「ウェイク・ミー・アップ」がかかってました。この曲、マムフォード&サンズみたいなフォークでいい感じだなぁと思っていたらなんと EDM に?って、気になってたんです。そしたら、あゆのライブ前にかかって。あゆ自身、最近 EDM を聴いてるというから、この曲好きなんだろうね。アメリカで流行ってるみたいだし。それで新曲で EDM なんだろうし。やっぱり、ちゃんとルーツはつながってるんですね。


http://youtu.be/IcrbM1l_BoI