do it again | ラフラフ日記

ラフラフ日記

主に音楽について書いてます。

ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2010-2011 A ~do it again~
2010年12月30日(木) 国立代々木競技場 第一体育館


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会場に入るなり、いつもと違うことがわかった。

真ん中にドーンとステージがあり、それを囲むように配置されたアリーナ席。いつもステージがあるところは幕で覆われている。これは、360度客席のセンターステージ!?
人力で少しずつドラムセットの角度を動かしていた、ビートルズの 360度客席ライヴを思い出した。

浜崎あゆみがセンターステージでライヴをするのは初。
センターステージ自体はそんなに珍しいものではないみたいだけど(宇多田ヒカルもこの前のライヴでそうだったみたい)、あゆは 10月の 7days を終えた頃からこの構成の実現を考えてたっぽい。

まずなんといっても、バンドがよく見えた。私は2階席で見下ろす形だったからで、アリーナ後方とかはどうだったのかわからないけど。ただ、Rock'n'Roll Circus ツアーのときはいまいちバンドがよく見えなくてそれがちょっと残念だったんだけど、今回はバンドがよく見えたため、バンドをより近くに体で感じることができてそれがとても良かった。

バンドは、それぞれの楽器が中央を向いていて、つまりあゆの方を向いていて、あゆもバンドの音を体で感じ、バンドも一つのところに向かっていく感じがダイレクトに伝わってきて、とてもライヴだったというかロックだったというか。

そう、今回とても「ロック」だったのだ。
ロックということでいえば、前回のカウントダウンの方が「ロック」なセットリストだったかも知れない。けれど私は、今回の方が「ロック」を感じた。より自然だったというか。

前作『Rock'n'Roll Circus』がロックだったし、最新作『Love songs』はまた違うしっとりした雰囲気なので、そういうモードでくるかと思ったら、「ロック」だった。でもやっぱり、前回とは違う。
あゆが「ロック」だということは、もはや、曲調だとかスタイルに寄るわけではないということだな。

Rock'n'Roll Circus ツアー以降、あゆの歌声は、確実に格段にパワーアップしている。
前回のカウントダウンでは苦しそうなところもあったのに。すごいわ。

曲ごとに。

01. Last angel

1曲目はこれか「Love song」かと勝手に予想していた。これは本当、じわじわとぞわぞわと盛り上がる。心の内側から盛り上がる。同じメロディ、同じ歌詞の繰り返しが、内なるエネルギーが螺旋階段を上がっていくかのよう。

02. Duty
03. is this LOVE?


「Duty」だと思い出すまでに時間がかかった。それぐらい意表を突かれた選曲。いやでも、カッコ良い。
前回書いたように『Love songs』を「クラシック」とするなら、あゆの曲で最初に「クラシック」が大きく出てきた曲じゃないだろうか。いつ聴いても、音が鳴った瞬間から並々ならぬものが伝わってくる。何かサンプリングしてるんだよね。クレジット見て調べようとしたが、ミサとかキリエとかグロリアとか出てきたところで、私にはわからなすぎて断念(汗)。
「Last angel」同様、心の内側から盛り上がる、“内なる覚悟や決意” って感じ。

「is this LOVE?」は最近よく歌う気がする(「About You」と並んで)。ペコ&プリンセスのコーラスとの掛け合い、破滅的ロックサウンド、とにかくパワフル!

04. Marionette

これまた意外な選曲だけど、『Love songs』収録の「Like a doll」にも通じる曲。あゆって、こういう “繋がり” が面白い。
にしても、あの “動き” を生でやれちゃう、あゆ&ダンサーに感服なのです。

05. Free & Easy
06. Endless sorrow


ここ、あゆ、神がかってました。ヤバかったです。
神の領域に触れても良いものかと心が震えました。

だが、なんてことはない、そこで心を震わせているのは、“人間” なのでした。

最近「Free & Easy」のこと考えたばっかだから、沁みたなぁ。
「Endless sorrow」もすごかった。

演出も効いてた。
「Endless sorrow」では、翼が片方だけ付いた輪っか(みたいの)に座り、それが宙に浮いて、くるくる回りながら歌ってた! それが光線と相まって、音楽と絶妙にシンクロして、もう、神々しい。

この素晴らしい演出さえあれば、誰でもどんな曲でもこうなると思ったら、大間違い。

あゆの “孤独” が伝わってきて、でもそれは私の “孤独” でもあって。

あんまり簡単には言いたくないけど、「孤高」の瞬間。

07. Dearest~HEAVEN~CAROLS~Together When... (メドレー)

バラード4曲メドレー。
って簡単に書いてるけどこれ、あゆの曲の人気投票やったら上位に入るような、バラードで括ったら確実に上位に入るであろう曲を、惜しげもなくっつうか、まるでダイジェストで振り返るような感じで。でも丁寧に大切に。。

これ、考えてみれば、曲の並びがニクい!

“いつか永遠の眠りにつく日まで” と歌う「Dearest」から、空に旅立った君への想いを綴った「HEAVEN」。
“白い雪が街を染める頃にも 君の側にいさせて” と歌う「CAROLS」から、別々の道を歩き出した「Together When...」。

改めて、あゆって良い曲多いなと。

さっき「孤高」と書いたけど、これは、人生のさまざまなシーンでいつも隣に寄り添ってくれるような。どちらも、あゆの歌の魅力。

メドレーではあったけど、1曲1曲割と長めに歌った。

08. Humming 7/4

ここからは、さっきまでの孤独やら感傷やらを吹き飛ばす、ロック!ロック!ロック!

なんだろね、怒涛のロック攻撃は前回のカウントダウンでもあったのだけど、今回はもっと明るいというか、何か突き抜けている! 7days を乗り越えたことも大きいと思うけど、今のあゆは何か突き抜けている! 気持ちいい~!

09. Bold & Delicious
10. Mirrorcle World


ここです。もうカッコ良すぎて、吹き出してしまい、笑ってしまったのは。一緒に行った友達とも歓喜の悲鳴をあげてしまいました。
好きな曲だったというのもあるし、やるとは思っていなかった嬉しい驚きもあったけど、もうとにかくカッコ良い。カッコ良すぎて笑っちゃう。

「Bold & Delicious」がきて「Mirrorcle World」という、この2曲を続けてきたところも最高! この流れがもう、愉快痛快豪快ですよ。

改めて、あゆって変な曲多いなと。

「良い曲」も「変な曲」もあるのが、むしろそれが同居しているのが、浜崎あゆみの魅力なんです。

「Bold & Delicious」なんて、リリース当時は戸惑いました。“ヤ!ヤ!ヤ!ヤ!ガ!ガ!ガ!ガ!” って何が起こっているのか理解できませんでした。あゆファンでも何でもない友達からも色々言われました。「あれ、あゆなの?」とか「あゆの曲とは思わなかった!」とかとか。
作曲はスウィートボックスの GEO で、スウィートボックスもセルフカヴァーしていて、ライヴでも披露し、私そのライヴに行ったんですが、うーん、これはひいき目なしで、あゆの方が圧倒的なんですよ! これ、とんでもないことが起こっているんじゃないか。。。

「Mirrorcle World」なんて、どのジャンルに属しているのか皆目検討がつきませんし、ジャンルなんてものがバカバカしくも思えてきます。行進曲風パンク的プログレ? 意味わかんない。でも、ポップなんです。歌詞なんて、ぜ~んぶ疑問形。答えなんて、何一つ用意されていません。

この2曲が、シングルですから。

ああ、ライヴの話じゃなくて、曲の話になってしまった。

すごいのは、そういう2曲を、歌うたびに更にまた自分のものにしていること。聴くたびに、以前より磨きがかかっている。

そんな2曲を立て続けにやられ、もう笑うしかなかったです。
「Mirrorcle World」のダンサーの一糸乱れぬパフォーマンスも。もう一体これは何なんだ?!と。

11. SEVEN DAYS WAR

そんなカッコ良いあとに、これですから。息ができない!って感じです。

「SEVEN DAYS WAR」をライヴで聴いたときのことは、「Rock'n'Roll Circus Tour 【感じたこと編】」で書きました。あれはやはり、7days 公演の特別なものであったから、「SEVEN DAYS WAR」はもう聴けないと思っていたけど、やった。

確か、この曲の前だったか、ここらへんで映像が流れたんだよね。だから、おそらく 31日はここらへんでカウントダウンだったんだと思う。つまり、またまた大事な箇所にこの曲を持ってきた。

そうだね。確かに、2010年を語る上で 7days を外すことはできないから、その年を締め括るライヴでも「SEVEN DAYS WAR」は外すことはできないよね。それに、7days といっても東京公演のみだったし、まだまだ生で聴けてない人がたくさんいるのだから(カウントダウンライヴも東京公演のみだけど)。

センターステージでの「SEVEN DAYS WAR」良かった。

12. evolution
13. Boys & Girls


ここまででこんなん見せられて、もうここまできたら、弾けるっきゃない! 弾けるっきゃなかったですよ。

あゆクレーンに乗りました。

そうそう、センターステージは回ったりするから、バンドメンバーも近くに来たり。

14. Dream ON

いやぁ、本編で「Humming 7/4」も「evolution」も「Boys & Girls」もやっちゃって大丈夫か?とか思ったのも束の間、「Dream ON」。浦田直也さんの映像(PVかな?)とシンクロしての歌唱。31日は浦田直也さん本人が出演したそう。

ここで本編終了。

<アンコール>
15. Love song


アンコール1曲目は「Love song」。

正直、キター!って感じだった。自分でも何故だかよくわからないけど、今日はこれを待っていた!聴きたかった!って感じだった。会場にもそういう空気があったような気がした。

新曲がそういう空気で迎えられること、新曲をそういう気持ちで聴けること、素晴らしいことだと噛み締める。

この曲、すごく、言葉が前面に出てる。今までだって「歌詞」に注目され、大事にしてきたあゆだけど、今まで以上に、今までとはちょっと違う感じで、言葉が前面に出てる。語るような。すごく力強い。

大きく歩きながら歌うあゆが、とても印象的だった。

16. Virgin Road (アコースティック)
17. MOON (アコースティック)


久しぶりな気がする、アコースティック。
いやもう、アコースティック大好きです。素晴らしいです。これだけで全部観たいくらいです。

「Virgin Road」では、言葉につまった部分も。
「MOON」が良かった! これ最大の発見。アコースティックの「MOON」、良い~!

ここで MC。
新しく入った、男性ドラマーと女性ダンサーの紹介。ドラマーがあゆと同じ名字で「はまさきさん」。

360度客席なのでどこを向いて喋ったら良いかわからないと言って、グルグル回りながら話すあゆが可笑しかった。ダンサーのジンさんとスバルも出てきて一緒になってグルグル回りながら、「うちらウザい?」と聞いたあゆが面白かった。

18. Trauma~AUDIENCE~Fly high~flower garden (メドレー)

ここでもまた、盛り上がりの定番だった曲(最近はやっていなかった)を4曲メドレー。

さっきのメドレーよりは1曲1曲が短かった。「flower garden」好きなんだよなぁ。

19. Thank U

もうすぐ最後だろうけど、最後の曲はなんだ?

最新アルバム『Love songs』から、「Thank U」。

途中、歌詞を飛ばして、「ごめん!」と謝っていた。

あゆの “ららら~” が好きだ。(あ、飛ばした箇所じゃなくて、歌詞が “ららら~” のとこね)

20. do it again (コーラス部分のみ)

これで終わりかと思いきや、何やらイントロ!

ああ、ああ、そうだ、このライヴ「do it again」とタイトルが付いていながら、「do it again」をやっていないじゃないか! そう、「do it again」という曲が、最新アルバム『Love songs』に収録されているのだ。

しかし、

“dance dance dance do it again
 sing sing sing do it again”


のコーラス部分を繰り返し歌うのみ。(ま、まさか!?)

途中、センターステージに散らばったダンサー達が動きを止め、順番にあゆが指さした人だけが踊っていくのが面白かった。そうそう、センターステージにいるあゆは、まるで「指揮者」のようでもあるのよね。

そして、降りてくる幕。(やはり)

このまま終わるつもりだ!

幕が降りてあゆは見えなくなっても、センターステージ上で歌っているあゆがスクリーンに映っている。

そして、浮かび上がる「do it again」の文字。

なんと思わせぶりな!

「to be continued」的な。

いやぁ、今回のライヴは、鳥肌立ったり、心が震えたり、胸が締めつけられたり温かくなったり、興奮したり笑ったり、胸を焦がしたり、弾けたり、感動したり、優しい気持ちや爽快な気持ちになったり、驚いたり、忙しかったなぁ。

ぶりぶりブリッ子コーナーと芝居がかったシーンがなかった。

そして、改めて思ったのが、あゆの場合、あくまでも「新曲(今)が主役」なんだと。

最近、ツイッターである方がつぶやかれていた。

とあるバンドの新作が良くて期待してライヴに行ったら、新曲はメドレーでササッとやっただけで、あとは代表曲大会でがっかりしたと。そこにバンドの限界を感じたと言っていた。(勝手に書いてしまってごめんなさい!)

あゆは逆だもんな。
代表曲をメドレーでやっちゃって、肝心なところは新曲だもん。

それでも、「Boys & Girls」も「evolution」もやる。

「do it again」という言葉が “前向き” に聞こえる。