子ども発達インストラクターの相澤陽子です。


先日リソースセンターoneの上原芳枝先生の講演を企画しました。

以前も受講したことがあり、今回も事前のやりとりから大変勉強になることが多く、与えられた機会に感謝です。


私が主催しているリトミック教室にも色々なお子様が通ってきてくださり、ありがたいのですが残念ながら他の親御さまから理解を得られない場面もあったりして悩んでいたことがあって、講演会の打ち合わせの時にスタッフの方にアドバイスをいただくことができて、役得でした^_^


そんな中で一番印象に残ったのが「特別ではない特別支援」という言葉です。

どういうことかというと、みんなと同じようにできないお子さんに対して声がけや環境整備などを配慮する必要があるのですが、それを他の子に気づかれないように上手くやるのが本当の特別支援だということです。

「あの子だけ特別」は新たな差別を生みます。

それはいつまで経っても障害者理解に繋がらないどころか、「これだから障害のある子は…」と偏見を持たれてしまう。

障害のあるなしに関わらずできないことは誰にだってあります。

でも特別な特別支援は「これだから障害のある子は」と言われてしまうのです。

それに、発達障害のお子さんは知能は高い事が多く、気持ちを読み取るのは苦手なのに(笑)状況を察するのはとても敏感で、自分だけみんなと違う対応をされていることに気づきやすいのです。

「自分だけみんなと違う」と気づいて自己肯定感を失ってしまいがちです。


困っている部分はさりげなく手を差し伸べる、でも他の子には気づかれないように。

それぞれに困り感は違うので、みんなに何かしらアシストしていて、特定の1人にだけ何か支援しているわけではないのですけれどね。


先日ちょうどこんな場面がありました。


2人いるレッスンの時にボール転がしをやりました。

Aちゃんはママと2人で上手にコロコロやっています。

Bくんはボールを投げたり走り回ったりしてちょっと危ない。

ママは「やめなさいー!」


私膝の間にBくんを触らせてガッチリホールドして、「行くよーコロコロ〜」とやったらできた!

ママにも笑顔が戻った!

手を離してしまうとまたどっかに行っちゃうのでしばらく私と一緒にやりました。

だんだんできるようになってきた!

「手のひらでボールをベタっと掴む」という感覚がおぼろげだっただけなんです。

一緒にやったら楽しかった。


それを見ていたAちゃんが「先生とやるー!」と言ってくれたので私と向かい合わせでコロコロやるのかと思いきや、膝の間に入ってきた!


「Bくんはできないから先生がお手伝いしてるんだ」ではなくて、「楽しそうだから自分もやってみたい」と思ってくれたのです。

もちろん一緒にやりました。

そして驚くべきことに、最初に一緒にやっていたBくんは1人でもちゃんとママとコロコロできるようになっていました。


誤解のないように、この話はBくんに障害があるかどうかという話では全くないです。

正直言ってそんなことはどうだっていいのです。


ただどんな子にも適正なサポートが必要で、それがその子の自己肯定感を傷つけないような、サポートが必要ではない子も一緒に楽しめるような、そんなプログラムを目指して指導案を作っています。


発達に凸凹があって生きにくい子ども達の居場所作りをしたいとずっと考えてきました。

でも、その居場所作りが《凸凹がないと思っている》(そんな人の方が少ないと本当は思っています)人たちにとって「一緒にやりたくない」と思われてしまうのは、私の願う「共生」ではない。


そんな時に出会った「特別ではない特別支援」という言葉を胸に刻んでよく噛み砕きながら自分なりに新しいやり方を開拓していくのが楽しくて仕方がない最近です。


ラトレリトミック教室は新年度の生徒さんを募集しています。

ラトレリトミック&チェロ教室

教室名は4月から変更する予定ですが^^;

お子様の居場所作り、そして個性を伸ばして無理なく集団への練習もできるリトミックへぜひ体験レッスンにいらしてみてくださいね。