こんにちは
さて。。皆様ご存知の通り、他の癌腫と比較して、すい臓がんには有効な抗がん剤の数が少ないです。これもすい臓がんの予後が悪い一要因になっていると思います。
少ない中、保険認可されておりながら、現場ではあまり使われていないタルセバについて、調べてみようと思いました。
タルセバとジェムザール(ゲムシタビン)の併用について検査データを見つけたので、まとめてみました。
①術後補助化学療法として使用の場合
②一次治療として使用した場合
①術後補助化学療法として使用の場合
手術の結果、R0切除を達成した人が、補助化学療法として「ジェムザール」に「タルセバ」の上乗せを選択しても、無病生存期間の延長は期待しにくい。
試験では、R0切除を達成した人の術後補助療法として「タルセバ+ジェムザール」併用療法の無病生存期間を「ジェムザール」単独療法と比較。54ヵ月の追跡後、「ジェムザール」単独療法を受けた人も、「タルセバ+ジェムザール」併用療法を受けた人も無病生存期間は11.4ヵ月であり、治療間に差はなかった。
主要評価項目ではないが、生存期間は「タルセバ+ジェムザール」併用療法を受けた人で24.5ヵ月であったのに対し、「ジェムザール」単独療法を受けた人で26.5ヵ月であり、治療間に差はなかった。
【発表】2017年8月17日
【試験名】CONKO-005(Phase 3)
②一次治療として使用した場合
ステージⅢの人が初めての化学療法(導入療法+維持療法)を考える場合、「ジェムザール」治療に「タルセバ」の追加併用を選択しても生存期間の延長は期待しにくい。 試験では「ジェムザール」単独治療を受けた人は13.6ヵ月、「タルセバ+ジェムザール」併用治療を受けた人は11.9ヵ月であった。
無増悪生存期間についても延長は期待しにくい。試験では「ジェムザール」単独治療を受けた人は7.8ヵ月、「タルセバ+ジェムザール」併用治療を受けた人は6.5ヵ月であった。
【発表】2016年5月3日
【試験名】LAP07(Phase 3)〔NCT00634725〕
以上、
①術後補助化学療法として使用の場合
②一次治療として使用した場合
でした。
残念ながらタルセバの効果につき期待できるデータを見つけることができませんでした
その上、タルセバは副作用の間質性肺炎の発生率が問題視されており、特に膵がん患者の発生率(8.3%)は他の癌腫より多いようです。
抗がん剤の副作用の中でも間質性肺炎は特に気をつけなくてはなりません。
(イリノテカンや5-FU、アブラキサン、ゲムシタビンにも間質性肺炎の症例がありました。)
「息切れ」「咳」「呼吸困難」「発熱」などの症状を見落とさないよう。そのような症状がでたら、すぐに病院に連絡してください。
(↓↓主な副作用とその対策 より)
タルセバの優位性を示すデータがほしいですね。。このようなデータしか見つからず残念でした。。タルセバはなぜ保険認可されたのか。。
すい臓がん患者の切実な想い。
保険認可されている抗がん剤が少なすぎます❗️
まだまだ元気なのに「次に使える抗がん剤がもうない」となった場合、保険診療ではあとは緩和治療しかないのです。
そのツラさは同じ病で闘っている者にしかわかりません。
これまでも先人たちの姿を悲しいくらい見てきたし、実際、私自身もそう遠くない時間の先には同じ道を歩むことになります。
結局のところ、
残された時間をどのように過ごすか。。
行き着くところは
「今を生きる」
しかないのです。
現実の理不尽さと葛藤しながら、
少しでも心を安らかに保って
寿命まで生ききる
それしかない。。
元気だった頃の私。。
ラテンのイベント。
ほんの3年前。
お腹に傷もない頃。。
正直、抗がん剤による見た目の変化が大きすぎて、現実と向き合えないときもあるよ。。
2016 膵癌ガイドライン
「神よ、願わくばわたくしに
変えることのできない物事を
受け入れる落ち着きと
変えることのできる物事を
変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とを
さずけたまえ」
by ニーバの祈り
今に生きる❣️
Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree.