PET後の診察は予想通り午後予約患者の最後だった。
待ってるのが辛くて待ち合いの椅子で転げ廻っていたので時間は良く分からないが16時は回っていたはずだ。
挨拶して診察室に入ると最近ずっと担当していただいている四谷センセは既にPET画像をPCで開いていた。
「大変お待たせしました。えりあさんの先日のPETの結果なんですけどー。」
PETの画像は全身が映る。
寝て撮影する為なのか宇宙服を着ているようなモコモコなアウトライン。
こんなに太ってんだ➰!
PCのどこかをクリックすると部分の拡大になりくるくるとマウスを回すと画像も上下する。
問題の胸部になるとあちらこちらが光り始め右鎖骨の一番左端(つまり首付け根のほぼ真ん中)で光る富士山のような不思議なものが映っていた。
「やっぱりねー、問題のここは……」
「スッゴい光っちゃってますね!がんってことですよね?」
「んんー……そうですね……こことこのリンパ節は光っているけどまあまあ大丈夫なのかとただここは……」
「縦隔リンパ節ですか!」
「それとこの腫瘍の側の骨は一部光っちゃてますね。」
「骨転移……と。」
センセは転移とかリンパ節肥大とかがん転移とか再発などの刺激的な単語は一切言わない。
「今回は心配していた肺とかの内臓転移はなかったしリンパ節もほぼ大丈夫と言うことで……前回の超音波だとねもっとリンパ節がすごいことになっちゃってるかなあと思ったんですけどリンパ節の腫れも落ち着いてきたしこれからはね……がんと生きるってことを考えていってほしいんですね。抗がん剤を使用しても一度は良くなるかもしれない。でも必ず再発します。そしてまた抗がん剤とかでよくなるかもしれない。でもまた再発します、というように終わりがないんですね。」
「はあ……」
「抗がん剤を勧めるってことになると思うんだけど……今度は終わりがないのね。長いトンネルに入っちゃったみたいに。」
「終わりがない……」正直ピンと来なかった。
「抗がん剤も術後はFECとかタキサン系でも強い薬を使うんですが正直、いつまでで終わりと言うのが……ない……のね。だからあんまり強い薬を使うと副作用で息切れしてきちゃうの。」
ああ……そういうことね。効いている限り腫瘍がほとんどなくなるまで抗がん剤を打ち続ける……
「だからもっとマイルドな抗がん剤を勧めるのね、コレとかコレ、コレ」
「でもやっぱり髪の毛が抜けるんですよね?」
「うーんそうね、コレとコレはどうしてもねえ……あっTS1は抜けません。あとホルモン剤ね。」
「センセ、勇気を持って無治療にするが定期的に検査はここで受けさせていただく、とういうのはありですか?」
「そりゃ定期的に検査はあるし医療機関と縁を切れる訳じゃないですが……腫瘍のタイプを調べて遺伝子の型を変異があるかどうか調べてホルモン感受性がまだあればいままでとは違うホルモン剤の投与から考えても良いと思います。」
「タモキシフェン効かなかったんですもんね……もう飲まなくてもいいんですか。効かないのに副作用が20もあってどんどん体調が悪くなるんでやめさせて貰おうかなって考えてたとこなんです。」
「そうなんですね!まあMRIと腫瘍の生検。あと血液検査をやって……えりあさんは最終月桂はいつきましたか?んーそれだと本当に閉経しているか分かりませんね。血液……血液検査をやってホルモン値の値を調べます。生検はあ……これ外来で取れるかなあ」センセは振り替えっていつもの馴染みの看護士に聞いてる。
「表面だしイケ……る・かなあ。」
お馴染みの看護士、山川さん、患部を覗き込み首を傾げてる。
「ここの生検は整形外科でやるのね。筋肉組織なので整形外科になります。それで整形外科の診察を受けて外来で取れるか入院しなくちゃいけないかが決まるのね。とりあえず整形外科の予約を入れておくので、後 MRIとと血液検査ね。まず順番は血液検査からで次に整形外科にかかってMRI。最後に午前中に乳腺外科に帰ってきてください。その後精神腫瘍内科も入れておきますね。いつがいいですか~?」
な~んか「抗がん剤をやる・やらない」がうまく誤魔化されたような……
次はMRIの予約や私の仕事の都合もあり7月の10日の検査診察となった。
最近、ハンギング始めました。
なかなか難しい!
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