「再発はほぼ間違いないですね」
四谷センセは冷静に宣言。
血液検査の結果はモニターではなくプリントアウトしてあった。
ずっとおとなしかったCEAは5.8 前回から若干怪しかったCA15-3は20.2→40.2。
信じられない、この数字!
「昨日、リンパ節と副鼻腔が痛くて耳鼻科行ったら”再発かも”と言われましたけど……まさか……」
最後の方は口の中でモゴモゴ消えていく。
激混み耳鼻科先生、ご明察。まさか「耳鼻科で乳がん再発宣言!」が正しかったなんて!!
診察はスピーディーに進んだ。
「痛みはどうですか?」
前回の恨みがある。「いやーひきつれが痛くて痛くて……今は落ち着いてるし痛みには慣れて来ちゃったんですが……そうだ胸元に不思議な盛り上がりが……」
「えりあさん……辛抱強い……」四谷センセは絶句してる。
ええっ((゚□゚;))違う~。3ヶ月前も「痛い」って報告したけど四谷センセがとんちんかんなこと言ったんじゃん!
私の「痛い」の声に4つの診察室奥ぶち抜き通路から「がん看護認定看護士」の風さんがチラリと顔を覗かせる。
あ、風さ~ん((〃´д`〃))こんにちわですー。心の中で挨拶しておく。
痛みがある患者は風さんに相談がいくのでチェックに来たのだろう。
しかしこの日は四谷センセに診てもらうにとどまり風看護士にはあいさつすら出来ず。
リンパ節が痛いと言うので触診から。先生、鎖骨リンパ節を触り腋窩リンパ節を揉む。
「痛ッー!」「そんなに痛いの?」私の大声で触診は中止。
では超音波をと横になりながら経緯を説明。
「最初は右顎が痛くてどこから来る痛みか探したら右鎖骨から響いて来ていて~これが取り残した鎖骨内側リンパ節だわ~と思いました。その後徐々に腋窩、鼠径とみんな痛くて。あとおかしな事に右腋窩もちょっと痛いんです。リンパ節は無いハズなんですがリンパ液が溜まってるんですかね。」
続けて「リンパ浮腫の先生にリンパマッサージをしなさいと言われているんですがとてもじゃないけど痛くて無理で……」とも報告しておいた。
超音波ではリンパ節と胸元の盛り上がりを中心にチェック。特にリンパ節は丹念に。
左鎖骨のところは楕円の丸い映像がポンポン映る。
リンパ節がヤバい事になってる。腫れてんなあ……
2年半前、手術前の乳房脇等転移リンパ節映像を彷彿とさせてビビる (´д`;)
いきなり「拭いて良いですよ」
研修医とちがって超音波も素早い。
「鎖骨下の盛り上がりは筋肉です。筋肉が固くなってます。いくつか検査をしていただきますがCTはえっと……以前は造影材は使いました?」
「使いました!喘息なんでその前にステロイドをがっつりぶちこんで。点滴ライン取れなくて大変でした。」
「PETをやります。PETなら全体の転移確認できるし。但しこれくらい費用かかりますけど……PETの経験は?」センセは食い気味に私の話にカブせてきた。研修医とちがって説明の要領がいい。
メモに22,000の数字。あーハイハイちょっとお高いのよね、了解ですよ。
「がんセンターで放射線治療の為、紹介された東京ベイ幕張でやりました。そこの院長先生がやっときましょうって。1年9ヶ月前です。」
「じゃあ分かりますね、あとで注意事項を看護士から聞いて下さい。今日は生査は止めて置きます。」
「生検ってリンパ節もですか?」
「そうです。今後の治療方針……又、抗がん剤を勧めると思いますけど……説明するときご家族と来てくださいね。前は家族のどなたが付き添ってくれたんでしたっけ?」
PCのモニターには2年半前に私が説明した実家の母親や兄、現在の同居家族も名前が出てる。
太陽センセの時ヒアリングされたな、懐かしいわあ。
ん、ちょっと待て、話が再発確定やん!
「ほぼ再発間違いない、と言うことですか?」
バカみたいに最初の方のセンセの言葉を繰り返した。
「この腫瘍マーカーの上昇は単なる感染症、過労、ストレスで上がるものではないんです。」
……
そうですか……ほぼじゃなくて「再発確定」なんだけど「これから転移場所を検査で探す」ってことなのか。
仕方ないか……元々、40歳代の発病でステージⅢC、乳房内に原発+転移3ヵ所。腫瘍の直径は合計11.5cm。(よく大きさ間違えてるって言われますが本当です)
リンパ節転移も3つのリンパ節で22/28個転移。研修医にも「特に鎖骨リンパ節は12/12個で……刻んだんじゃないかって数で……ヒクよね」と言わしめた病理結果である。
2年も元気に過ごせたのは望外の幸運に他ならない。
しかし、全摘、レベル3までのリンパ節郭清、放射線、抗がん剤×2種、ホルモン剤服用と効果がなかったってことになる。
「あ、ホルモン剤はとりあえずまだ飲んでてね。残りあります?」
どうせ効いてないから処方を止めたいけどまだ、絶対じゃないから飲んでてほしくてでも新しく1週間分とか処方すんのもなーと言うことらしい。
ホルモン剤止めたいって私の願いが意外なオチで叶いそうだ。
これは後で処方薬局の顔見知りの薬剤師に何故かと尋ねられたんで「あ、再発してて効かないから」と暴露しておいたがこういう処にも診察結果って現れちゃう。
「ホルモン剤は10日分位飲み残しあります。」泣きも喚きもせずスゴスゴとPET、PET結果予約をして帰途についたのだった。
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四谷センセは冷静に宣言。
血液検査の結果はモニターではなくプリントアウトしてあった。
ずっとおとなしかったCEAは5.8 前回から若干怪しかったCA15-3は20.2→40.2。
信じられない、この数字!
「昨日、リンパ節と副鼻腔が痛くて耳鼻科行ったら”再発かも”と言われましたけど……まさか……」
最後の方は口の中でモゴモゴ消えていく。
激混み耳鼻科先生、ご明察。まさか「耳鼻科で乳がん再発宣言!」が正しかったなんて!!
診察はスピーディーに進んだ。
「痛みはどうですか?」
前回の恨みがある。「いやーひきつれが痛くて痛くて……今は落ち着いてるし痛みには慣れて来ちゃったんですが……そうだ胸元に不思議な盛り上がりが……」
「えりあさん……辛抱強い……」四谷センセは絶句してる。
ええっ((゚□゚;))違う~。3ヶ月前も「痛い」って報告したけど四谷センセがとんちんかんなこと言ったんじゃん!
私の「痛い」の声に4つの診察室奥ぶち抜き通路から「がん看護認定看護士」の風さんがチラリと顔を覗かせる。
あ、風さ~ん((〃´д`〃))こんにちわですー。心の中で挨拶しておく。
痛みがある患者は風さんに相談がいくのでチェックに来たのだろう。
しかしこの日は四谷センセに診てもらうにとどまり風看護士にはあいさつすら出来ず。
リンパ節が痛いと言うので触診から。先生、鎖骨リンパ節を触り腋窩リンパ節を揉む。
「痛ッー!」「そんなに痛いの?」私の大声で触診は中止。
では超音波をと横になりながら経緯を説明。
「最初は右顎が痛くてどこから来る痛みか探したら右鎖骨から響いて来ていて~これが取り残した鎖骨内側リンパ節だわ~と思いました。その後徐々に腋窩、鼠径とみんな痛くて。あとおかしな事に右腋窩もちょっと痛いんです。リンパ節は無いハズなんですがリンパ液が溜まってるんですかね。」
続けて「リンパ浮腫の先生にリンパマッサージをしなさいと言われているんですがとてもじゃないけど痛くて無理で……」とも報告しておいた。
超音波ではリンパ節と胸元の盛り上がりを中心にチェック。特にリンパ節は丹念に。
左鎖骨のところは楕円の丸い映像がポンポン映る。
リンパ節がヤバい事になってる。腫れてんなあ……
2年半前、手術前の乳房脇等転移リンパ節映像を彷彿とさせてビビる (´д`;)
いきなり「拭いて良いですよ」
研修医とちがって超音波も素早い。
「鎖骨下の盛り上がりは筋肉です。筋肉が固くなってます。いくつか検査をしていただきますがCTはえっと……以前は造影材は使いました?」
「使いました!喘息なんでその前にステロイドをがっつりぶちこんで。点滴ライン取れなくて大変でした。」
「PETをやります。PETなら全体の転移確認できるし。但しこれくらい費用かかりますけど……PETの経験は?」センセは食い気味に私の話にカブせてきた。研修医とちがって説明の要領がいい。
メモに22,000の数字。あーハイハイちょっとお高いのよね、了解ですよ。
「がんセンターで放射線治療の為、紹介された東京ベイ幕張でやりました。そこの院長先生がやっときましょうって。1年9ヶ月前です。」
「じゃあ分かりますね、あとで注意事項を看護士から聞いて下さい。今日は生査は止めて置きます。」
「生検ってリンパ節もですか?」
「そうです。今後の治療方針……又、抗がん剤を勧めると思いますけど……説明するときご家族と来てくださいね。前は家族のどなたが付き添ってくれたんでしたっけ?」
PCのモニターには2年半前に私が説明した実家の母親や兄、現在の同居家族も名前が出てる。
太陽センセの時ヒアリングされたな、懐かしいわあ。
ん、ちょっと待て、話が再発確定やん!
「ほぼ再発間違いない、と言うことですか?」
バカみたいに最初の方のセンセの言葉を繰り返した。
「この腫瘍マーカーの上昇は単なる感染症、過労、ストレスで上がるものではないんです。」
……
そうですか……ほぼじゃなくて「再発確定」なんだけど「これから転移場所を検査で探す」ってことなのか。
仕方ないか……元々、40歳代の発病でステージⅢC、乳房内に原発+転移3ヵ所。腫瘍の直径は合計11.5cm。(よく大きさ間違えてるって言われますが本当です)
リンパ節転移も3つのリンパ節で22/28個転移。研修医にも「特に鎖骨リンパ節は12/12個で……刻んだんじゃないかって数で……ヒクよね」と言わしめた病理結果である。
2年も元気に過ごせたのは望外の幸運に他ならない。
しかし、全摘、レベル3までのリンパ節郭清、放射線、抗がん剤×2種、ホルモン剤服用と効果がなかったってことになる。
「あ、ホルモン剤はとりあえずまだ飲んでてね。残りあります?」
どうせ効いてないから処方を止めたいけどまだ、絶対じゃないから飲んでてほしくてでも新しく1週間分とか処方すんのもなーと言うことらしい。
ホルモン剤止めたいって私の願いが意外なオチで叶いそうだ。
これは後で処方薬局の顔見知りの薬剤師に何故かと尋ねられたんで「あ、再発してて効かないから」と暴露しておいたがこういう処にも診察結果って現れちゃう。
「ホルモン剤は10日分位飲み残しあります。」泣きも喚きもせずスゴスゴとPET、PET結果予約をして帰途についたのだった。
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