TR永遠君こと、『タイムリピート ~永遠に君を想う~』を見ました。DVDで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

娘。以外のハロプロ舞台のDVDを買ったのは、おそらく『我らジャンヌ』以来です。(他の作品はU-NEXTで見たりした)

 

 

上演当時、ヲタの評判も良さげだったし、なにより本格的なSFと言われたら買って見るしかなかった。SF好きとして。

 

 

ちなみにあらすじ以外の内容は知らずに見ました。

 

 

 

 

というわけでネタバレ全開の感想を書きますので、まだ見てない方はご注意ください。ネタバレ全開です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやおもしろかったっす。

 

 

冒頭では「バリバリ宇宙行けるテクノロジーがあるのにペンで手書きレポートかよ!」とツッコミたくもなりましたが、そんなことはどうでもよろしい。

 

 

ジャンルとしてはSFなんだけど、これはSFミステリーですよね。

 

 

舞台設定はSF。

そこで繰り広げられるのはミステリー。

 

 

なぜタイムリピートが起こるのか、なぜタイムリピートするのは(最初は)ルナだけだったのか。

そういった謎と共に、レーダーに映っていないはずの小惑星がなぜ突然現れたのか→小惑星が生き物のように船に向かってくるってなんでやねん→小惑星なんてなかったけど爆弾はどこやねん→そもそもスパイは誰やねん、と謎が解けるたびにまた新たな謎が現れる構成が上手い。

常に「どういうことだ?」と魅力的な謎について考えを巡らせられる展開は、まさにミステリーと言えましょう。

 

 

 

そしてもちろん登場人物たちの心の機微。

ハイパーツンデレ……というかツンしかないルナが徐々に仲間たちに心を開いていく過程や、ソーマと信頼関係を結んでいく様子などなど、人間ドラマも申し分ありません。

 

 

キャラクターも個性があって良い。

特にエイジ。良いキャラしてるよあいつは。

 

 

騒ぎのどさくさに紛れてジンが失恋したのには笑いましたね。

 

 

 

 

 

 

ところで、普段SFやミステリーの小説ばかり読んでる人間としては、物語の展開そのものはわりと「やっぱりか」という部分がありました。

 

 

最初にスパイであることが判明するツグミについてはわかりませんでしたが、ルナがスパイだというのはなんとなくわかったというかなんというか。

 

 

状況的にそれだと説明がつくな、と思い、でもルナは死ぬのを本気で恐がってるみたいだしやっぱ違うか、と思い、待てよもし記憶を消したりできるならやっぱクロか……などなど考えながら見たりして。

 

 

高性能の小型爆弾なら、人間の体内に埋め込むのが一番安全で確実だろうな、と思ったら案の定。

 

 

最初、スパイがいるという話になったとき、劇中では「スパイもまさか爆弾が仕掛けられてるなんて知らなかったに違いない。帝国に騙されていたんだ」という話になったけど、個人的にはスパイと聞いて真っ先に「自分の命を顧みず、みずから歩く爆弾となることを望んだ危ないやつ」を想像しました。

そういう風に考えると、一番心が屈折してそうなルナが一番怪しく見えてくる。でも主役だし……いやむしろ主役が犯人だったほうがおもしろいな、とか。

 

 

 

要するに、めちゃくちゃ楽しみながら見ました。

 

 

こういうのをアレコレ推理しながら見るというのは、劇女ではあまり体験できませんからね。

展開がある程度読めても、それが全然マイナスにならず。

SFとしてのおもしろさと、ミステリーとしてのおもしろさ、そして人間ドラマに感動させられる傑作ミュージカルでした。

 

 

 

最後の展開もね……ああするしかなかったんだろうか……ルナ……。

 

 

 

 

 

 

この舞台のなにが良かったって、まぁいろいろあるんですけど、物語の舞台となるのが宇宙船内というある種の密室空間だけという点です。

 

 

言ってしまえば、密室劇。

さすがに一部屋だけではないけど、なにしろ船外は宇宙です。逃げ場はない。

 

 

そんなSF的密室空間で起こるミステリー、それだけに焦点を絞ったからこそ、約1時間50分という時間と、キャスト総勢13人ほどという規模が活きたのではないかと思います。

 

 

ハローの舞台は年齢の関係上、夜9時前には必ず終わるような長さでしかできません。

どんなに物語が壮大でも、2時間半とかそれ以上にはできないんですよね。

 

 

加えて「女性オンリー」という制約もあり、登場人物が多くなればなるほど雑然としてしまう部分もあります。

 

 

そういうのを考えると、この設定と人数はぴったりだったんじゃないかと。

 

 

原作などもなく、オリジナル脚本だったのも良かった。

 

 

 

 

あともうひとつ。

 

 

モーニング娘。の舞台では、物語が終わったあとにキャストの誰か一人(あるいは二人)が挨拶という名の感想を言うところがあります。

そして全員で、「本日はまことにありがとうございました!」と言って退場していく。

 

 

しかしTR永遠君ではそれがなくて、やっぱそのほうがいいよなーと思ったり。

 

 

楽しい話ならそれでもいいんですけど、悲しい話とか切ない話は余韻が大事だと思うから、終演後の挨拶はなくてもいいんじゃないかとずっと思ってるんですよ。

 

 

「本日は誠にありがとうございました」くらいならともかく、演者が素に戻ってアレコレ喋るのはどうなんだろう、と。

(千秋楽の日はアリだと思いますけど)

 

 

今後は娘。の舞台も、楽しい話じゃないなら挨拶は無しにしてほしいところです。

同じ理由で、アフタートークとかもあまり好きではないです。最近の娘。舞台ではやらなくなりましたけどね。(その代わりの出演者挨拶なのかも)

 

 

 

 

 

 

 

 

というのが、初見の感想です。

 

 

あまり内容に触れてないような気がしますが(シャレじゃないよ)、最後のシーンの切なさとかを上手く言葉にできないので許せ。

 

 

 

良い作品でした。

 

 

やはり劇場で観るべきだったなぁ。

でもあの時期ちょっと無理だったんだよなぁ。

 

 

宮崎さんとやなみんはこれがJuice=Juiceとして最後の舞台だったんですよね。

 

 

残念ですが、卒業前に舞台ができてよかったです。