メンバーが接触イベントのことを「盛りだくさん会」と呼んでいるのは本人たちの精神衛生(or精神安定)的にも良いことであるような気がします。
が、我々ヲタク側としてはやはりあの手のイベントは「接触」であるのだということは忘れずにいたい。
楽しさのなかに含まれる、ある種の“いやらしさ”みたいなもの。
「接触」という言葉からは、そのいやらしさをほのかに感じ取ることができるので、ヲタとしては接触イベントと呼んでいきたい所存です。
どう正当化しても、年若い女の子たちと(手だけとはいえ)直に触れ合い、短いながらも話をするイベントなわけで、胸を張って「健全です」と言えるかどうかは微妙なところ。
たとえばコンサートが健全度100だとすれば、接触イベは健全度70……あるいは60といった感じでしょうか。
まったく気にしない人もいるでしょうが、接触イベそのものについてあまり良い印象を持っていないファンが一定数いるのも、そういった(ライブなどに比べて)健全度の低さが理由のひとつなのではと思います。
“いやらしさ”というのも、性的な、あるいは生理的な意味でのいやらしさというよりは、ファン心理としてのいやらしさです。
本来ならばあらゆる意味で遠い存在であるところのアイドル/芸能人と、直に触れ合って話ができてしまうシステム。
それが(お金さえ出せば)容易にできてしまうこと、その欲求に抗えないファンの心がいやらしい。
もちろん気持ちはよくわかります。
これは決して接触イベに行くファンへの批難ではなく、「このファン心理としてのいやらしさを忘れてしまいたくない」という主張です。
行くのはいい。
メンバーを目の前にしたら、確かに嬉しいし楽しいし感動するし、良い思い出になる。
でも、この手のイベントはある種のいやらしさを孕んでいるのだということだけは忘れたくない。慣れてしまいたくない。慣れてほしくない。
わたくしが接触イベに行かない理由としては、このいやらしさへの抵抗があるから、というのが半分ちょっとあるからです。(残りは単にチキンなだけ)
「こんなに簡単に握手なんてできていいはずがない」とか、「ほんの少しとはいえメンバーと話をするなんておこがましい」とか、そういった遠慮と共に、「そうであってほしくない」という個人的な理想でもあるのでしょう。
要するに、そんなに安易にファンに阿ってほしくない、という心理ですね。
ちなみに「阿る」とは「おもねる」と読みます。
意味はググってください。
まぁメンバー本人にとっては仕事なわけで、別に阿っているわけではないとは思いますが、客観的に見るとこの接触イベというのはやや過剰なファンサービスに見えてしまい、阿りや諂いの印象を受けてしまう。
(「諂い」は「へつらい」と読みます。こういう漢字だと初めて知った)
もしこれが、1年に1度か2度あるかないかくらいの頻度であれば、そういった印象を受けることもなかったでしょう。
しかし最近はCDや写真集を出すと必ずこの手のイベントが待ち受けており、故にそういったマイナスな印象を抱いてしまうのかなと。
それに加えて、メンバーたちの心身への負担。
素人目から見ても、決して楽な仕事ではないでしょう。
彼女たちの本分はなんなのか、という点から鑑みると、やはり過剰な接触イベントは控えて、もっと別のところに活路を見出してほしいというのが本音です。
とはいえ、こうしていつまでもこの手のイベントがなくならないということは、それなりの需要はあるということなのでしょうね。
なんだかんだ言いつつ、みんな行くのよ、接触イベに。
「やりすぎじゃないか」「もう少し減らそう」「握手なんていいから歌やダンスのほうに注力してくれ」という声は常に耳にしますが、行く人がたくさんいるから結局なくならないし、減りもしない。
事務所が「やります」と言う以上、もちろん参加するファンに咎はありません。
接触イベを純粋に楽しんで心から感動しているファンもたくさんいるから、それはそれで大切にしたい。
でも実態としては、需要があるからなくならない、というのが現状。
接触イベを本当になくして(減らして)ほしければ、ファンが参加せずに需要を減らすしかないでしょう。
まぁこの事務所は売れないクールTシャツを意固地に販売し続ける会社なので一概には言えませんが、少なくとも現時点では事務所は「需要があるからやる」という認識なのでは、と思います。たぶん。
難しいところですよねぇ。
自分は非接触派ですけど、行ってる人に「行くな」とは言えないし(そもそもそんなこと言う権利はないし)、かといってこのままずっと過剰な接触イベが続くのはどうかと思うし、事務所さんが接触以外のところでハロプロを盛り上げる道を探してくれないことにはどうしようもないのです。
それとも、もうハロプロ(というかアイドル)は接触なしでは成り立たない商売になってしまったのでしょうか。
接触を減らしてもハロプロなら大丈夫というのは、ファンの幻想に過ぎないのでしょうか。
我々には把握できない部分ですが、そういった理想や幻想以前に、事務所さんが接触という甘い沼から抜け出そうという気がまったくなさそうなのが不安です。
ハロプロをパフォーマンス集団として売っていきたいのであれば、過剰な接触は大きな足枷になります。(主にメンバーの身体的精神的な面で)
その点が現在、とても中途半端というかどっちつかずな状態なので、普通のアイドルらしいアイドル道を走るのか、パフォーマンス集団として特化していくのか、もう少し軸をじっかり持ったほうがいいんじゃないでしょうかと思ったり思ったりしました。
そんなわけで、インフルから復帰したばかりのまーちゃん、チェル、そして手のひらがあかぎれになってしまい手袋をして参加するというよこやん。
みんな満身創痍で大変でしょうが、頑張って乗り切ってほしいですね。
これだけインフル祭りになっても接触イベをやるという判断……急に中止になんてできないというのはわかるけど、なんとまぁ……。