先日ようやく『ファラオの墓』のDVDを見たのでその話をします。

わりと長いです。

 

 

 

 

 

 

 

内容に関しては6月の観劇時にもいろいろ書いたんですが、なんとも切ない話です。

 

 

(あ、ネタバレするのでご注意ください)

 

 

 

 

 

ナイルキアとアンケスエンはああなるしかなかったんでしょうか。

冷静に考えれば他の選択肢があった気はするんですが、たとえ生きていたとしても両カップルとも敵国の相手を愛してしまった時点で和やかなハッピーエンドは訪れなかったんじゃないかという気もします。

ナイルキアとアンケスエンの2人もそれが薄々わかっていたから、我が身を捧げて愛する男の腕のなかで果てることを望んだのかも。

 

 

その瞬間、2人は確かに幸せそうで。

 

 

切ないですね。

しかし、サリオキスとスネフェルは切ないどころではありません。

サリオキスがその後エジプト王ファラオとなって国を統一できたのは、妹と愛する人の平和への望みを叶えるという使命あってのことでしょう。

みずから命を絶ったスネフェルの心中も、察するに余りある。

 

 

終演後の挨拶で小田ちゃんが言ったように、ラストシーンのナイルキアの言葉がすべてを物語っているなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな物語の話はさておいて、わたくし6月に観に行ったのは太陽編が2回、月編が1回だったので、月のほうはようやく2回目を見ることができました。

 

 

観劇時は(2回観たせいか)太陽編のほうが好きかなーと思ってたんですが、いやいや月編も悪くない。

小田サリオキスの優しさとたくましさを感じさせる雰囲気も良かったし、工藤スネフェルのカッコよさ(ビジュアル的に)と心の弱さも太陽編とはまた少し違う表現でおもしろい。

 

 

同じ役でも、演じる人が違うだけで絶妙な印象の違いを感じられるのが楽しい。

みんなが役と向き合い、真剣に演じているからこその違いなんだと思います。

 

 

 

チェル演じるところのナイルキアも、可憐だけれど芯の強さを窺わせるヒロインとして好演されていましたね。

チェルにぴったりな役柄だったと思いますが、これは元々イメージが合っていたというより、本人の努力の賜物でしょう。

衣装も細身だからダイエット頑張った、みたいな話もしてましたよねラジオか何かで。

 

 

そしてDVDを見て思ったのが、フクちゃん演じるアンケスエン。

アンケスエンもまた切ない運命に翻弄される女性なわけですが、こんなに良い演技をしていたんだなぁと改めて気付くことができました。

サリオキスに懸想してはしゃぐ姿や、愛する者を失ったと思い失意に沈む姿、我が身を犠牲に平和を願い、愛する者の手のなかで果てる幸せを感じる姿……。

あまり目立って褒められることが少ない気がしますが、フクちゃんの演技はもっと褒められていいはず。

フクちゃん自身のキャラクターも相まって、実に適役だったなぁと思います。

 

 

 

石田スネフェルの素晴らしさやイザイのカッコよさなども語りたいところですが、きりがないのでそれはまた今度。

 

 

 

 

 

さてDVDとなると、気になってしまうのがカメラワーク。

 

 

万人が納得するものなんて不可能だとは思いますが、やはりちょいちょい不満な部分がないと言ったら嘘になる。

 

 

「ここはあそこも映してほしかったな~」と感じるところが少々。

やはり、小ネタ的な部分は映ってないことが多かったですね。

酒宴のあとのシーンのイザイとサライがほとんど映ってないのはちょっと残念。

ナイルが森で自害しようとするシーンも、絶望するナイルを見つけた瞬間のスネフェルの動揺を映しておいてほしかった。

むせび泣くナイルを見て一旦は去ろうとするスネフェルが、本気で自害する気らしいと慌てて声をかける――という流れが良かったのに。

 

 

太陽編のラストシーンの殺陣ももう少ししっかり映してほしかったかな。

まぁアンケスエンの歌唱シーンでもあるから、そっちがフィーチャーされるのもわからんではないですが。

 

 

 

 

なんて言い出したらきりがないので、しっかりと見たければ劇場に足を運んで自分の目で見るしかないのでしょうな。

 

 

DVDを見て思うけど、やっぱり生で観たときの迫力とは差を感じてしまう。当たり前ですけど。

 

 

ライブにしろ舞台にしろ、できることなら生で観るのが一番ですやっぱり。

 

 

とはいっても舞台は公演期間も短いし、場所も東京でしかやらないことも多いので、地方のファンは難しいところもありますよねぇ……。

せめて関西でもやるべきです。

その年によってやったりやらなかったりするのはなんなんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしまぁアレだね、舞台なんてそうたくさん観てるわけでもない素人が言うのもなんだけど、演出とか配役とかでちょいちょい口を出したくなってしまうというか、自分の勝手な理想を言いたくなってしまうねw

 

 

原作モノだから仕方ないんでしょうけど、はーちんにはもっと適した役を与えてやってほしいなぁと去年に引き続き思ったり。

他のメンバーも、「こういう役を演じてほしい!」と妄想しながら見てしまいました。

とりあえず小田ちゃんは女役でいこう。男役も良かったけど、小田ちゃんの魅力を100%発揮できるのはやはり女役。ドロドロした恋愛モノとか似合う。

まーちゃんにはミステリアスな、物語のキーとなる役をやってほしい。

 

 

 

 

それと、ちょっと演出不足というか、そこはもう少し丹念に描写したほうがいいのでは?と思うところもありつつ。

時間の都合もあるから仕方ないんでしょうけどね。

 

 

でも、物語が終わってメインテーマを歌って、暗転もなく速攻で出演者挨拶にいってしまうのはどうなんでしょうw

曲の余韻もなにもあったもんじゃないので、3秒くらいでいいから一度暗転して区切りをつけてから挨拶しましょうよ、と思いました。

 

 

 

この終演後の「出演者を代表して挨拶、今日は○○さん」ってやつ、去年から恒例みたいになってますが来年もこうなるのかな。

 

 

出演者の声を聞けるのはヲタとしては嬉しいけど、作品としては蛇足である気がしないでもない。かもしれない。

時間の関係上、アフタートークなどができない代わりなのかもしれませんが。

 

 

もちろん千秋楽の挨拶は大いにアリだと思います。

今回のDVDも、収録日は千秋楽だったんですよね。

小田ちゃんが泣きながら挨拶していたのが印象的でした。

それだけ大変だったんだろうし、思い入れも強かったのかなと。

 

 

 

しかし千秋楽に収録って、最近ではちょっと珍しい。

いつもは千秋楽の数公演前くらいに収録してた気がします。

 

 

どうして今回は千秋楽だったんでしょうね。

この挨拶を収録するため?

 

 

千秋楽がダメってわけじゃないんですが、この頃になるとリピーターも多いし内容も少なからず知れ渡ってしまっており、笑いどころで客が笑わなくなるという弊害があるのが悩ましい。

去年の『続・11人いる』みたいに笑いどころがほとんどない舞台ならいいんですが、今回は結構ありました。

でもやはりDVDだと笑いは少ない。初日なんて爆笑だったんですけどねぇw

 

 

なので、理想としては公演期間の折り返し地点かその少し前くらいで収録してほしいかな。

そして千秋楽の挨拶だけは別に収録して、特典映像とかで……と言ってもそのためだけに撮影クルーを雇うというのも難しいだろうから、アップフロントのスタッフにハンディカメラなどで撮影してもらうしかないかもしれませんが。

 

 

 

 

 

 

 

ところで今回の舞台も感謝祭はやらないんでしょうか。

 

 

去年のと合わせてやってほしいなぁ。

 

 

トライアングル感謝祭みたいに台本持ちながらでもいいから、スピンオフ的な芝居も観たい。

ナイルキアとアンケスエンがまるで姉妹のように仲睦まじく暮らしている様子とかやってくれないかな。でもそれ見たら余計に本編での結末が悲しくなりそう……。

スネフェルとアンケスエンの幼少期なんてのもおもしろそうですよね。きっと喧嘩ばっかりしてたんだろうな。

イザイとサライが出会った頃、なんてのも良さそうです。

個人的に、サライのキャラクターはもっと掘り下げてみたいところ。

アリとパビの漫才のような日常とかもいいですねぇ。

 

 

妄想は膨らみますが、まぁ実現する可能性は低いでしょう。残念ながら。

 

 

万が一あるとして、ダブルキャストの舞台はどっちのパターンの配役で感謝祭やるんだ?という問題が残りますw

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁそんな感じで、長々と脈絡のない感想を書いてみました。

 

 

経験上、舞台のDVDは何度も見ることによっていままで気付かなかった魅力に気付けたりもするので、一回見て楽しめた人もそうでなかった人も、何度か繰り返し見ることをおすすめします。

 

 

別に連日連夜見ろというのではなく、気が向いたときにでも。

 

 

音楽もそういうことってありますが、芝居もそうなんですよね。

最初はそこまでピンとこなかったものが、急にドハマりしちゃったりしちゃったり。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、心はしばし4000年前の古代エジプトに……。