だいぶ久しぶりになってしまいました。

読んだ本の感想ブログ。

 

 

なんと三ヶ月ぶり。

この間なにも読んでいなかったわけではないけど、読書ペースはガクッと落ちまして。

 

 

ハローがいろいろあったからさぁ……。

 

 

まぁ例によって需要があるかはわかりませんが、読んだ本をざっとご紹介。

 

 

読んだ順にいこう。

 

 

 

 

 

 

 

6月にモーニング娘。'17が古代エジプトの舞台をやるというので、現代人が古代エジプトにタイムスリップしてピラミッドの謎を暴くというこの本を読んでみた。(読んだのは4月)

 

 

設定は非常にワクワクさせられるものの、内容はいまいち盛り上がりに欠ける。というか、正直退屈。

 

 

2004年に単行本で発売されて以来、ずっと文庫化されないのもむべなるかな。

単行本もすでに絶版なので、読みたいという奇特な方は古本を探しましょう。

どうでもいいけど、「父王スネフェル」という言葉が出てきたときはちょっと興奮しました。(名前が出てくるだけ)

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトル通りの奇譚集。

10年以上前に単行本で読んだものを、久しぶりに再読してみた。

 

 

特に劇的な展開などがあるわけでもなく、しかしなんとなく心地がいい。

内容的には「喪失」を扱ってるものが多いので、決して楽しい話ではありません。

しかし好きだな。

また忘れた頃に読み直そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

いま最も注目されているSF作家ケン・リュウの、日本オリジナル短編集。

 

 

海外SFにしては異例の売れ行きらしく、読んだことある方も多いかもしれません。

SFと言っても濃度は低めなので、苦手な人もたぶん大丈夫。

クオリティではテッド・チャンに及ばないものの、このレベルの短編を量産できるだけで素晴らしい。

作者は中国系アメリカ人で、中国や日本などアジアを舞台にした作品も多い。

 

 

個人的には後半の「円弧」「波」「愛のアルゴリズム」「良い狩りを」などが良かったです。

ちなみにすでに文庫化されてますが、文庫は順番を並び替えて二分冊されてるのでご注意を。(↑に貼ったのは単行本)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またしても村上春樹。こちらは長編。

『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』に続く、四部作の四作目。

 

 

これだけ読んでも問題ないけど、できれば最初から読んでいったほうがいいかなーと思わないでもない。

四部作のなかでは一番面白かった。

しかしどういう話かと聞かれると、上手く説明はできない。

村上春樹の作品は大体そんな感じだけどね。

 

 

自分にとって村上春樹は、精神が乱れたときの鎮静剤として読むと楽しめます。

波乱万丈のエンタメ作品を読みたいときは避けましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近日本では全然名前を聞かなくなったSF作家マイケル・マーシャル・スミスの短編集。

創元SF文庫から出てますが、中身はほとんどモダンホラー。

 

 

話はわりと凡庸だけど、語りが上手いので読まされる。

「地獄はみずから大きくなった」「猫を描いた男」「見知らぬ旧知」「ワンダー・ワールドの驚異」あたりが良かった。

 

 

しかしもうとっくに絶版になってるので、読みたい方は古本を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

アンナ・カヴァン後期の傑作長編。

 

 

いつの時代か、どこの話かもはっきり示されず、出てくるキャラクターも「私」「少女」「長官」としか書かれない。

なにやら“氷”に侵食されているらしい終末世界を、主人公の私は少女を求めて行ったり来たり。

とにかくひたすら少女を追い求める男を描いた作品です。

 

 

主人公は自己中だし、少女も情緒不安定すぎて、およそ魅力的とは言い難いキャラばかりだけど、なぜか惹かれてしまう、そんな雰囲気。

本の薄さのわりに、読むのに時間はかかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギリシャ神話をモチーフにしたファンタジー。

これは面白かった。いやー面白かったですよ。

 

 

ギリシャ神話に興味がある人もない人も楽しめる。

キャラクターも生き生きしており、人間たちはもちろん、やけに人間くさいオリュンポスの神々たちもまた魅力的。

 

 

本の分厚さも気にならない、王道のエンターテインメント。

モーニング娘。の舞台を観た直後に読んだので、これを娘。で舞台化したらどうなるかなーなんて妄想もしました。

テレマコスは絶対どぅーで、ナウシカアはまーちゃんあたりに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

SF界のレジェンド(かつての問題児)ハーラン・エリスンの短編集。

「読むべきSFリスト」なんかに必ず入ってくる名作ですね。

似たタイトルの日本の小説がありましたけど、もちろんこっちが先です。(もう40年くらい前に出たやつ)

 

 

「ニューウェーヴ」とか「暴力的」とかいったエリスンのイメージに合致したのは、冒頭の表題作と、最後の「少年と犬」くらい。

他は思ったより普通のSFで、それも悪くないけど作品よりむしろ本人の武勇伝のほうが面白いのでは。

 

 

エリスンは、有名なわりに日本で出た本がこの一冊だけという状況が何十年も続いてましたが、つい最近ようやく新しい短編集が二冊も出ました。(といっても中身は昔の作品)

どっちかというとそちら(特に『死の鳥』)のほうが面白いという評判も聞くので、そっちから読んでみてもいいのかも。

 

 

 

 

 

 

 

以上。

この三ヶ月のあいだに読んだ本の感想でした。

 

 

ようやく読書ペースが戻ってきたので、これからはもっと読んでいこうと思います。