恩田陸 『ブラック・ベルベット』

 

 

 

 

 

 

外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。
ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。
一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。
ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。
恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――?(Amazonより)

 

 

 

 

『MAIZE』、『クレオパトラの夢』に続く、神原恵弥シリーズ第三弾。

 

 

シリーズといっても前作を読んでいないと楽しめないわけでもなく、ここからでもたぶん問題はない。

 

 

 

今回はT共和国(とぼかしてあるけど完全にトルコです)を舞台に、異国情緒あふれるミステリーが展開される。

 

 

恵弥のそもそもの目的と、知人に頼まれた女性の捜索から始まり、物語が進むにつれていろんな謎が入り乱れ絡み合い、各人の思惑が錯綜して謎は深まるばかり。

 

 

そんな謎を追うかたわら、恵弥や満などキャラクターがまた楽しい。

 

 

主人公の恵弥は、簡単に言ってしまえば「オネエ」である。

(ゲイではなくバイであるらしい)

 

 

オネエが主人公というのも珍しいが、この恵弥がまた優秀なウイルスハンターなのが興味深い。

相変わらず良いキャラしてる。

 

 

 

思わせぶりな謎のわりに結末があっけないのは著者のご愛嬌か。

 

 

 

いつになるかわからないけど、第四弾も待ってます。